佐藤琢磨がポールポジションを取ったテキサスで、2020年インディカーがいよいよ開幕!

2019年、テキサスを走る佐藤琢磨【写真:INDYCAR】

米国の人気レース「インディカー」(NTTインディカーシリーズ)の2020年シーズンがいよいよ開幕する。

新型コロナウィルスによる米国非常事態宣言の影響で、3月15日に予定されていた開幕戦(セントピーターズバーグ市街地コース)が開催直前で延期に。6月からの再開を目指していたインディカーは第9戦として予定されていたテキサスモータースピードウェイを開幕戦に位置付け、現地時間6月6日(土)夜にレースが行われる。

2020年インディカースケジュール改訂版

第1戦 6/6 テキサス

第2戦 7/4 インディアナポリス(ロードコース)

第3戦 7/11 ロードアメリカ(Race1)

第4戦 7/12 ロードアメリカ(Race2)

第5戦 7/17 アイオワ(Race1)

第6戦 7/18 アイオワ(Race2)

第7戦 8/9 ミッドオハイオ

第8戦 8/23 インディアナポリス500

第9戦 8/30 ゲートウェイ

第10戦 9/13 ポートランド

第11戦 9/19 ラグナセカ

第12戦 9/20 ラグナセカ

第13戦 10/3 インディアナポリス(ロードコース)

第14戦 10/25 セントピーターズバーグ

※日程は決勝日(2020年6月2日時点)

今回は開幕戦となるテキサス戦の見どころをご紹介していこう。

オーバルでの開幕は12年ぶり

近年は温暖なフロリダの市街地コースで開幕するのが恒例になっていたインディカーだが、2020年シーズンは新型コロナの影響でアメリカ独特のオーバルコース(楕円形サーキット)であるテキサスモータースピードウェイ(1周1.5マイル=約2.4km)が開幕の舞台。

テキサスモータースピードウェイ【写真:INDYCAR】
テキサスモータースピードウェイ【写真:INDYCAR】

アメリカンモータースポーツのインディカーといえば、シリーズ最大のレース「インディ500」のイメージからオーバルコースの印象が強い人は多い。かつては全てのレースがオーバルで開催されていた時代もあったが、近年はロードコースと呼ばれる市街地やヨーロッパスタイルのサーキットでの開催が増加したため、現在はシリーズ戦の3割程度に留まっている。

オーバルでの開幕というと2008年のホームステッド・マイアミスピードウェイ(1周1.5マイル=約2.4km)以来で実に12年ぶり。しかも、テキサスは24度のバンク角を持つ高速オーバルだけに開幕戦の舞台として相応しい。

ちなみに昨年のポールポジションは唯一の日本人ドライバー、佐藤琢磨が獲得しているコースだ。

1日完結のナイトレース

開幕戦テキサスは当然のことながら無観客レースで行われる。しかも、今回はプラクティスから予選、決勝までを6月6日(土)に1日で完結させるスケジュールで、決勝は200周(300マイル)に短縮される。

今季からインディカーは安全対策として「エアロスクリーン」を導入するが、3月からテストを含めて全チームはロックダウン状態にあり、開幕戦はぶっつけ本番でのレースとなる。マシン自体は昨年と変わらないが、エアロスクリーン装着がマシンバランスとレース展開にどれほどの影響を及ぼすのか全く未知数。

エアロスクリーンを装着したオーバルコース用のインディカー【写真:INDYCAR】
エアロスクリーンを装着したオーバルコース用のインディカー【写真:INDYCAR】

そうなると、このコースで常にトップを争う「ペンスキー」と「チップガナシ」の2大強豪チームがやはり有力だろう。このコースでの優勝の大半はこの2チームのドライバーで占められている。特にウィル・パワー(ペンスキー)、スコット・ディクソン(チップガナシ)が得意とするコースで、昨年インディアナポリスでエアロスクリーンのテストを経験したのは偶然にもこの2人だ。

エアロスクリーン装着車でテストをするペンスキーのウィル・パワー【写真:INDYCAR】
エアロスクリーン装着車でテストをするペンスキーのウィル・パワー【写真:INDYCAR】

伏兵たちがレースを面白くする

ペンスキー、チップガナシに割って入れる可能性があるのが、佐藤琢磨の「レイホール・レターマン・ラニガンレーシング」。佐藤は昨年ポールポジションを獲得しているし、チームメイトのグレアム・レイホールは決勝で昨年のベストリザルトとなる3位フィニッシュを達成。グレアムは過去に優勝経験もある。チームとして良いデータを持っているコースだけに、佐藤琢磨の開幕ダッシュを期待せずにはいられない。

昨年、テキサスでポールポジションを獲得した佐藤琢磨【写真:INDYCAR】
昨年、テキサスでポールポジションを獲得した佐藤琢磨【写真:INDYCAR】

ただ、このレースにはオーバルコースを得意とするエド・カーペンタートニー・カナーンらスポット参戦のドライバーも多く参戦する。特に今季限りでの引退を表明している45歳のトニー・カナーンはテキサスで優勝経験もある。A.J.フォイト・エンタープライズに移籍後のカナーンは厳しいレースが続いているが、引退までの残り少ないレースで奇跡を起こせるか注目したい。

今季で引退するトニー・カナーン。オーバルコースのみのスポット参戦【写真:INDYCAR】
今季で引退するトニー・カナーン。オーバルコースのみのスポット参戦【写真:INDYCAR】

そして、昨年、日本のスーパーフォーミュラ、SUPER GTで名をあげたアレックス・パロウ(デイル・コインwithチーム・ゴウ)の参戦も楽しみだ。ルーキーでありオーバルでのレースも初めてだが、シーズンオフ中にテキサスでエアロスクリーン装着車をテスト走行したというのはポジティブな要素。順応性の高いドライバーだけに印象的なインディカーデビューになることを期待したい。

インディカーは6月6日(土)にテキサスで開幕し、その後1ヶ月のインターバルを経て、毎週のように全米を転戦する。聖地インディアナポリスで開催される「インディ500」は8月23日(日)の開催だ。

しばらくは無観客でのレースが続くが、テキサスでの開幕戦が良いレースになることを祈りたい。