ガチンコ浜口の萌えキャラレース企画「MEGU Racing」。クラウドファンディングが崖っぷち!

浜口喜博が推し進める萌えキャラとレースのプロジェクト

約3年半前にYahoo!ニュースで紹介した元・鈴鹿8耐レーサー、浜口喜博(はまぐち・よしひろ)。かつてTBS系列で放送された人気テレビ番組「ガチンコ!」の企画「ガチンコ!バリバリ伝説」から鈴鹿8耐に出場したライダーであり、数年前まではオーストリアのバイク「KTM」で自らのレーシングチームを率いて同レースに出場していた。

現役時代の浜口喜博
現役時代の浜口喜博

そんな浜口はすでにレーサーを引退し、別のプロジェクトに奔走していた。Yahoo!ニュースでもトップページに取り上げられた記事『元ガチンコ!の浜口が「痛バイク」に込める熱き思い』では、彼が海外でも人気が高い、日本発の「萌えキャラ」に着目してレース活動を行う姿を取り上げたが、彼はレース業界を一旦離れ、地元・三重県の自治体などに観光PRの素材として萌えキャラ企画を持ち込み、様々なプロジェクトに携わってきた。一度はレースを離れた浜口だが、今年になって急に、彼はまたサーキットに自らのチームを率いて戻って来たのだ。彼の今をご紹介しよう。

非公認キャラ、碧志摩メグで三重観光PR

ここ2年ほど、レース業界を離れていた浜口喜博はレースファンや関係者とは全く別の趣向を持つ人たちに知られる存在になっていた。彼が中心になって立ち上げた萌えキャラ「碧志摩メグ(あおしま・めぐ)」が伊勢志摩サミット開催を前にした2014年、三重県・志摩市の公認キャラに選ばれたのだ。

碧志摩メグ 【画像:MARIBON】
碧志摩メグ 【画像:MARIBON】

海女(あま)をモデルにした「萌えキャラ」は名前が公募で選ばれるなど大きな反響を呼んだのだが、現役の海女を含む市民有志らが「公認撤回」を求めたことが各メディアで取り上げられ、ネットを中心に様々な論争を呼ぶ炎上状態に。登場から1年後の2015年11月に浜口の運営する会社は志摩市に公認の辞退を申し入れ、「碧志摩メグ」は非公認キャラとして活動していくことになった。

伊勢の土産物店とコラボする碧志摩メグ
伊勢の土産物店とコラボする碧志摩メグ

非公認となり、民間運営のキャラクターとして活動していくことになったが、2016年5月に「G7伊勢志摩2016(伊勢志摩サミット)」が開催されたことで、碧志摩メグの知名度は全国的に上昇していく。

「公認キャラとしては活動できませんでしたが、三重県をPRするキャラとして、県内の観光地とコラボして三重県の魅力をドンドンと世界へアピールしていこうという動きになっています。伊勢神宮の内宮前にも看板が立ったり、お土産屋さんでも盛り上がってきています」と浜口は碧志摩メグの現状を語る。

元々はフランスのル・マンで開催されるオートバイの24時間耐久レースを視察した時、フランスで若者から支持を集める「萌えキャラ」に着目し、これは三重県を世界にアピールできるツールにしようとした浜口。キャラの活動が一定の起動に乗ったことで、彼は今年、レース活動を再開した。

三重県出身の若手ライダーを育成。4耐優勝を狙う!

3月末に鈴鹿サーキットで開催された地方選手権「鈴鹿サンデーロードレース」のピットには黒塗りの250ccマシン(ヤマハYZF-R25)と浜口喜博の姿があった。今度はライダーとしてではなく、チーム監督として。ライダーに起用するのは四日市市出身の高校生ライダー、大庭飛輝(おおば・あすか)。そして、浜口がガチンコ!出演時代から世話になった「OVER Racing」の従業員で鈴鹿市出身の末川扉(すえかわ・とびら)の2人。今度は地元の若手ライダーを育成しようと言うのだ。

左からライダーの末川、大庭、そしてチーム監督の浜口
左からライダーの末川、大庭、そしてチーム監督の浜口

華やかな「鈴鹿8耐」に自分のチームを率いて参戦していた浜口。地方選手権へのチーム参戦はいささか寂しいものに見える。ただ、浜口は以前に取材した時から「若手にチャンスを与えたい」としきりに語っていた。ガチンコ!に出演したことで鈴鹿8耐に出場し、プロライダーへの道を開くことができた自分の若き時代に感謝し、今度は自分が若手をサポートする番なのだと彼は認識している。

今季、彼が率いる「HAMAGUCHI Racing Team」は大庭と末川の2人を「鈴鹿サンデーロードレース」のJP250クラスに参戦させている。「JP250」は250cc~300ccの小排気量・市販スポーツバイクで戦うレースで、全日本ロードレース選手権にも併催で開催される今一番の人気レースだ。低コストで参戦できることから若手を中心に出場台数が増え、3月の開幕戦は41台のエントリーを集めた。

そのシリーズ第2戦は同クラス初の4時間耐久レース「鈴鹿4耐」として5月20日(土)、21日(日)に開催される。「鈴鹿4耐」というと「鈴鹿8耐」の前座レースの4耐が有名だが、600ccバイクを使用する夏の4耐はスピードレンジが高く、コストもかかることから、若手が実力を示すレース=「バイクの甲子園」的な位置づけはJP250の「鈴鹿4耐」が今後担っていくことになるだろう。このクラスのレースは「アジア選手権」や「世界選手権」でもレースが開催されており、世界的にも有望な若手を見出すプルービンググラウンド的役割を担う。

ロードレース・アジア選手権で最も盛況な250ccクラス
ロードレース・アジア選手権で最も盛況な250ccクラス

クラウドファンディング達成は崖っぷち

地元若手ライダーの育成に転じた浜口のレース活動。彼は萌えキャラ「碧志摩メグ」のファンに若手のレース活動を見て欲しいと、グッズを特典にしたクラウドファンディングを実施。目標金額200万円に到達すれば、5月20日、21日の「鈴鹿4耐」で「碧志摩メグ」を描いたボディカウルをマシンに装着させ、「MEGU Racing」として再び「痛バイク」でのレース出場を実施しようというものだ。

浜口が実施するクラウドファンディングページのスクリーンショット
浜口が実施するクラウドファンディングページのスクリーンショット

ただ、鈴鹿8耐ではなく地方選手権レースであるため、クラウドファンディングは思い描いた通りに資金が集まっていない。5月13日(土)の時点で第一目標200万円まで達成率91%とあと一歩なのだが、このままでは「碧志摩メグ」を登場させられない状況である。

碧志摩メグがピットサインスタッフを務めるイラスト【画像:MARIBON】
碧志摩メグがピットサインスタッフを務めるイラスト【画像:MARIBON】

「碧志摩メグというキャラクターを通じて、三重県をもっとPRしていきたいという思いがあります。僕はモータースポーツで生きてきた人間。僕が育ったSUZUKA、鈴鹿サーキットはレースを通じて世界へと繋がっています。モータースポーツと碧志摩メグをコラボさせることで、アジア、世界からの観光客誘致、インバウンドを促す活動の一つのキッカケにしていきたい。(萌えキャラのレース参戦は)三重県民だからこそできるノウハウだと思うし、モータースポーツというチャンネルを通じればこれだけの影響力があるよ、というのを示したいという思いがあります」と浜口は熱く語る。

彼の熱い思いは難解にも思える。しかし、浜口が萌えキャラと観光のコラボを行い、潰されそうになりながらも起動に乗せてきた2年間の自信が突き動かしているのは間違いない。莫大な資金を必要とする「鈴鹿8耐」で以前と同じことをやるよりも、まずは自分自身も経験してきた原点に立ち返ってレース活動を行うことを選んだ浜口。原点から目指すところは当然、アジア選手権、そして鈴鹿8耐を含む世界選手権レースだ。

果たして、クラウドファンディングが達成し「碧志摩メグ」をその原点に登場させることができるのだろうか。レースまであと1週間。もう時間は限られている。

MEGU Racing 公式サイト