鈴鹿8耐王者「TSR」がル・マン24時間レースへの参戦を正式発表!

2015年は鈴鹿8耐で2位になった「TSR」のマシン

TSR、ルマン24時間に参戦!

2月12日(金)、鈴鹿8耐で3度の優勝を誇るレーシングチーム「TSR」(鈴鹿市)がフランスの「ル・マン24時間耐久レース」への参戦を正式に発表した。ル・マン24時間といえば、毎年6月に開催される4輪レースの耐久レースが有名だが、常設サーキットの「ブガッティ・サーキット」を使った2輪の24時間レースも開催されている。鈴鹿8耐と同じ「FIM世界耐久選手権シリーズ」の1戦である。

昨年から一部地元メディアでは既成事実として報道されていた「TSR」のル・マン24時間レース参戦だったが、ライダーのラインナップを含めてようやく正式に発表にこぎつけた。2月末にホンダCBR1000RRの24時間耐久レース用のマシンのテストを行い、4月9日~10日にフランスで開催される戦いに挑む。

24時間という未知の戦いへ

8耐のトップチーム「TSR」だが「ル・マン24時間耐久レース」への参戦は初めてのことであり、まさに未知の領域への挑戦だ。マシンは鈴鹿8耐と同じホンダCBR1000RRだが、8耐で使用するワークスマシンのエンジンは8時間レースを戦うために特化された仕様になっており、3倍の24時間は当然もたない。そのため独自の24時間耐久仕様のマシンをしつらえてレースに挑む。

鈴鹿8耐ではホンダからワークスマシンを貸与されるトップチーム「TSR」の参戦は当然、ル・マンで注目を集めるだろう。ただ、スプリント耐久レースと化している鈴鹿8耐のようなハイペースでの走りでゴールすることは難しい。24時間には24時間の戦い方がある。

8耐のテストに取り組む「TSR」
8耐のテストに取り組む「TSR」

藤井正和・総監督は「24時間にわたって走りきるために必要なのがチームの総合力。これまで培ってきた力がどこまで通用するか試してみたい。フランスの頂点で日の丸をあげたいと思っています」とプレスリリースを通じてコメント。意気込みは充分だ。

耐久レース経験豊富なライダーも起用

注目されたライダーラインナップは渡辺一馬アラン・テシェ(フランス)、ダミアン・カドリン(オーストラリア)の3人。

渡辺一馬(25歳)
渡辺一馬(25歳)

渡辺一馬は今季、TSRと共に「全日本ロードレース選手権JSB1000クラス」を戦う。もちろん鈴鹿8耐でもライダーラインナップの軸となることは間違いない。1000ccのスーパーバイクのスプリントレースはまだ2年目のシーズンだが、夏の鈴鹿8耐だけは様々なチームを渡り歩き、上位完走の経験も多い(最高位6位)。ただ、24時間となると彼にとっても未知の領域だ。

そして、24時間は未経験の渡辺のお手本となるのが、FIM世界耐久選手権ではランキング2位になったこともあるダミアン・カドリン(オーストラリア)だ。かつてはフランスBMWの耐久ワークスチームのライダーとして鈴鹿8耐でも凄まじい速さを見せたライダーであるし、耐久レースからスプリントレースまで職人的な仕事をするタフネスライダーだ。チームの軸となる。

さらにもう一人は21歳のアラン・テシェ。彼に関しては情報が少ないがロードレース世界選手権Moto3クラスでTSRがオリジナルマシン「TSR3」を参戦させていた時に同マシンに乗っていたそうだ。若く、耐久レースは未経験だが、彼はフランス人のライダー。フランスの24時間耐久レースではフランス人の起用は鉄則というのが定説だ。というのも仮にチームがレース中にペナルティを課されるかどうか審査されている時、フランス人がチームに居るのと居ないのでは大きな違いが生まれるとも言われている。鈴鹿8耐のウイナー、トップチームといえども、フランスでは外様。この辺の戦略も抜かりないのが世界選手権GP125クラスなどでチャンピオン争いをしてきたチーム「TSR」だと感じる。

メカニックを含めたスタッフは鈴鹿8耐を戦うメンバーが中心で構成されるとのこと。日本のトップチームが24時間を戦い抜いた先に、一体何が待っているのか?そして夏の鈴鹿8耐に向けてチームが何を得られるのか?ストイックな日本のサムライチームの戦いは大いに注目だ。