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愛子さまの素顔とは? 陛下のご学友が明かす、20歳になる前と後

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
天皇ご一家と乃万さん(乃万暢敏さん写真提供)

 成年にあたり初めての記者会見に臨まれた愛子さまは、天皇皇后両陛下への感謝をはじめ、成年皇族としてのこれからの抱負、上皇上皇后両陛下から「皇室は、国民の幸せを常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」という精神を学んだと話された。

今後、公務へのお出ましが増えることが予想されるが、愛子さまは20歳になる前と後で、どのようなご心境の変化があるのだろうか。

天皇陛下のご学友で、学習院初等科から常に行動をともにしてきた乃万暢敏(のま のぶとし)さんに、42年前の天皇陛下が成人された頃はどのような様子であったか、お話を伺った。

■成年皇族に授けられる勲章

 当時、陛下と乃万さんは学習院文学部史学科に通い、キャンパス内ではいつも行動をともにされているため、護衛の皇宮警察官に間違われるほどだった。

 陛下が20歳の時、「成年式」の主な儀式である「加冠の儀」が執り行われ、昭和天皇から「大勲位菊花大綬章」を授けられた。最高位である大勲位菊花章頸飾に次ぐ、勲章である。

 儀式の様子をテレビで見た乃万さんは、後日、「大変立派な勲章をもらわれましたね」と伝えたところ、陛下は表情を引き締めて、こう話されたという。

「これは僕にはまだまだ分不相応だから、これから大変なんだけれども、この勲章を着けた以上は、勲章に見合う働きをしなければならないと思っています」

 と、謙虚な姿勢で、ご自身に課せられた責任の重さを実感されている様子だったという。

 成年皇族になる以前は、乃万さんとともにテニスに興じたり、ご学友たちと同年代の若者と同じようなとりとめもない話題でおしゃべりをしたり、屈託なく青春を謳歌していた。

 しかし、成年皇族になってからの陛下は、将来天皇となるお立場として大きな責任感を身に纏い、顔つきも変わられ、一皮むけた印象になったと感じたという。

■愛子さまにとって天皇陛下はお手本

 去年12月1日に成年になった愛子さまも、女性皇族の中では最高位の勲章「宝冠大綬章」を授与された際の心境をこう話されている。

「12月5日の成年行事の折に天皇陛下より勲章親授をしていただきまして、初めて身に着けた時に、その重みをひしひしと感じて、身の引き締まる思いがいたしました。(中略)

これまで両親から話を聞くだけであった行事に自分が参加しているということには少し不思議な心持ちがいたしましたけれども、自分が成年皇族の一員であるという自覚が芽生え、個々の行事に責任感を持って臨まなければならないと感じた瞬間でございました」

 愛子さまも天皇陛下と同じように、勲章を受けられたことで、成年皇族としてのご自覚が生まれたと話された。まさしく愛子さまは天皇陛下のご薫陶を受けられて、真っ直ぐに育てられたことが伝わってくる。

 愛子さまも、成年皇族の地位に相応しくなれるよう、自らを磨いていこうと決意されたことだろう。

■乃万さんが知る愛子さまの素顔

 乃万さんは学習院大学を卒業後も、陛下と親しく交流してきた。プライベートで赤坂御所に伺うことも多く、愛子さまのご成長を間近で見守ってきた一人だ。

 そんな乃万さんが、「愛子さまは、とにかく頭がいい」と感じた出来事があったという。

 愛子さまが学習院初等科6年の時、文集『小ざくら』に掲載されたレポートは、平安時代中期の貴族、藤原道長の日記『御堂関白記』をテーマにした、非常に専門的な論文であった。

 乃万さんが驚いたのは、「なぜ道長は関白になっていないのに、『御堂関白記』というのだろうか」という、愛子さまの着眼点だった。平安時代に権力をほしいままにした藤原道長は、摂政・太政大臣だったが、生涯、関白の座に就くことはなかったことから、愛子さまは矛盾をお感じになったのだろう。

「私も大学時代、陛下と同じ日本中世史のゼミで勉強していましたが、そんなことなど一度も考えたこともありませんでした。愛子さまは相当、頭脳明晰でいらっしゃる」

 と、乃万さんは心から感心しているようであった。

 去年12月、愛子さまが20歳を迎え、勲章やティアラを身に着けたお姿をテレビで拝見した時、乃万さんはこんな感想を持った。

「ご立派でいらっしゃると思いました。成人されるまでは、ご自分の意見は抑えておられたと思いますが、これから若手皇族の先陣を切って、陛下もそうだったように、自分がやりますという雰囲気を出していかれるのではないでしょうか」

 陛下のご学友として50年以上も交流してきた乃万さんにとっても、愛子さまのご成人は、感慨深い出来事であったようだ。

「愛子さま初めての記者会見『生んでくれてありがとう』 あふれる両陛下への感謝」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20220318-00287067

「実は雅子さまのルーツは岩手に…知られざる被災地との繋がりは?」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20220310-00285258

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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