眞子さまのご結婚に絡んで小室圭さんのニューヨークでの今後が、様々なメディアで報じられている。かくいう筆者も、弁護士業のハードワークやニューヨークの物価高について記事にしてきた。

 しかし、それらは世界一刺激に満ちたマンハッタンで働く者の現実であり、小室さんにとっても想定内のことであろう。

 ところが、本人の努力や皇室に忖度した見えざる力が及ばないものもある。それがアメリカの就労ビザだ。

 小室さんの近況について報じた、9月16日のNHKニュースでは——

「小室さんの就職先は、日本人が弁護士として採用されるのは初めてとなる大手の法律事務所で、小室さんは、就労ビザの取得も終えて、現地での生活の基盤が整ったということです」

 と、就労ビザを取得済みである旨が伝えられた。

 就労ビザは簡単に取得できるものではないため、この時、筆者はなんらかの政治的配慮が生じたものと考えていた。

 しかし、9月27日になると、同じNHKニュースなのにトーンががらりと変わってしまう。

「小室さんは働くために必要なビザも取得し、ニューヨークのオフィスですでに弁護士の助手として起業家や投資家に資金調達などの助言を行う業務に携わっていて、給与も受け取っているということです」

 と、「就労ビザ」ではなく「働くために必要なビザ」を取得したと、表現が変わっていた。

■「就労ビザ」ではない「働くために必要なビザ」とは?

 筆者はアメリカ・カリフォルニア州弁護士として、20年以上のキャリアを持つ、移民法に詳しい日本人弁護士に小室さんのケースを分析してもらった。

「小室さんはフォーダム大学ロースクールに入る際、学生ビザ(F-1)を取得して留学しています。このビザは卒業してからも、1年間はアメリカに滞在して働くことができます。

OPT(Optional Practical Training)と言って、ワークパーミット(EADカード)を申し込むことができ、専門分野の実務トレーニングを行える制度です。小室さんはおそらくこの制度の恩恵を受けて、今後1年間はアメリカで働ける事になったのでしょう」

 小室さんがフォーダム大学を卒業したのが今年の5月なので、OPTが認められるのは来年の5月までの1年間ということになる。この期限がきた後は、どのようにして働くことができるのだろうか?

「学生ビザからのOPTが切れる前に、H-1Bビザという就労ビザを取得しなければなりません。しかし、H-1Bビザは定員がある上に、機械的な抽選によってビザ請願の審査対象が決められるのです。

つまり抽選、請願、という2段階を通らなければならず、運を天に任せて抽選に通った時点で、初めて移民局にビザ請願を出願することができ、厳しい審査を受けるという流れです。

全体的な取得率は約4割と言われており、取得は大変難しいビザです。したがって、来年3月にその抽選がありますので、今のビザが有効なうちに粛々と準備を進めておく必要がありますね」

 小室さんが就労ビザを取得できれば、眞子さまはその配偶者としてアメリカに住むことができる。しかし、就労ビザはあまりにも求める人が増えすぎ、数年前から、あらかじめ無作為に抽選で申請資格者をしぼった上で書類審査を行うということになったという。

 抽選で多くの雇用を求める者が振り落とされるのでは、どんなに本人が高い能力を持ち、アメリカに大きな利益をもたらすと声高に証言したとしても、受け入れられないようだ。

 しかし、眞子さまと結婚するのだから、いわゆる皇室特権と言われるような情実や政治的配慮に期待したいところだが、その可能性についても聞いてみた。

「まずありえませんね。そうした政治的な配慮が可能となれば、世界中の王族や政治家の子弟が殺到することになりかねませんから、就労ビザに限っては、そのような情実はあり得ません」

 と、きっぱりと否定した。

■永住権(グリーンカード)の取得は可能?

「事務所側の意向があれば、永住権を取るための手続きを事務所のほうで進めてもらうことは可能ですが、入手できるまで2年~5年もかかりますから、H-1Bビザを取ってからの選択肢となります」

 特に今はコロナ禍で職を失った人がたくさんおり、外国人がアメリカ人の就労の機会を奪いかねないことから、グリーンカード発行はかなり厳しく制限されているようだ。

 グリーンカード取得に時間がかかるのならば、来年3月のH-1Bに期待するしかないが、抽選に外れた場合は、最悪の結果が待っているという。

「小室さんのF-1ビザは来年の5月に切れてしまいますから、3月の時点でH-1B出願のための抽選に落ちれば、一旦帰国という場合もあり得ます」

 せっかく世論の圧力にも屈せず、眞子さまとの新婚生活を実現させようとしている小室さんにとって、就労ビザが取れずに帰国するのは本意ではないだろう。

 ところがH-1Bビザもグリーンカードもダメとなった場合でも、実は最も可能性の高い手段があると言うのだ。

■最も取得しやすいビザとは?

「小室さんの配偶者となる眞子さまは、博物館学の修士号を取得されているので、眞子さまが研究者としてJ-1ビザを取得した場合、小室さんはその配偶者として就労も可能になります。

ただ、このビザの有効期間は18カ月なので、その期間に持続性のあるビザに切り替えないといけません。さらに、就労といっても前述のワークパーミットに申し込む必要があり、発行には3~5カ月かかります。

また、就労はJ-1配偶者を経済的に支えるためであってはならない、つまり暇つぶしのアルバイト程度ならいいが、生活のためであってはならない、という条件があります」

 J-1ビザは、教育・科学・芸術の分野において人材、知識、技術の国際交流を促進するためのビザである。仮に眞子さまが、交流プログラムに参加している、現地の博物館や美術館から受け入れを了承されれば、ビザはわりと容易に取得できるという。

 しかし、小室さんが就職予定であるニューヨークの法律事務所で働くなら、年収は2000万円を超えると言われており、アルバイト程度の仕事とはならない。

「改めて小室さんのビザ取得について考えてみると、小室さんは時間的にもタイトで、不確定なところもたくさんあって、今も綱渡りの状況だと感じます。

もし就労ビザがとれなくても、勤務する法律事務所が手放したくないほどの人材であるなら、日本に帰国しても在籍したままで、オンラインで仕事を何かやってもらうという形はできるでしょう」

 眞子さまとのご婚約内定記者会見以来、様々な困難をお二人で切り抜け、ようやく大願成就の日を迎えつつある今、新婚生活が足元から崩れかねない、就労ビザの問題。

 もし取得できないならば、しばらく眞子さまの心を癒すためにも国内に滞在されてはいかがだろうか。その上でじっくり就労ビザの取得に取り組み、不安のない状態でニューヨークに赴くのが最善だと筆者は考えるのだが……。

後半:https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20211013-00262603