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眞子さま皇室離脱に伴う一時金は1億3000万円超? ご結婚を巡るシナリオは

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
眞子さま(写真:アフロスポーツ)

 この夏はオリンピックで大活躍を見せてくれた日本選手の話題の一方、豪雨による全国的な被害、収束する気配さえない新型コロナウイルスの蔓延によって、先の見えない不安も増大した。

 そうした世の中の動きの中で、秋篠宮家の眞子さまのご結婚の詳細は、あまり伝わって来なかった。一部の報道では、お相手の小室圭さんがニューヨークの法律事務所へ就職が決まり、結婚の準備が整ったようだと伝えられた。パラリンピックが終了すれば、いよいよ眞子さまと小室さんのご結婚が動きだすのではと言われている。

 では、今後、どのような段取りでご結婚に至るのだろうか?可能性のあるシナリオを皇室ジャーナリストの山下晋司さんに予想してもらった。

◆眞子さまは密かに結婚できるのか?

 女性誌や週刊誌などで、駆け落ちするとか、皇籍を離脱してニューヨークに旅立つなど、眞子さまの行動に言及する記事もあったが、こうしたことは可能なのか山下さんに伺った。

「駆け落ちの定義は知りませんし、皇籍を離脱するには皇室会議で了承されないといけません。眞子内親王殿下が皇族のまま、留学や出張のためにニューヨークに行かれる可能性はゼロではありませんが、今の状況を考えればその選択肢もないでしょう」

 では小室圭さんと相談した上で、眞子さまとの婚姻届を役所に提出することはできるのだろうか。

「順序としては、婚姻届を出されたら、宮内庁はそれが受理されたことを確認した後、皇統譜から除籍します。その婚姻届を出す際には、戸籍謄本が必要になりますが、皇族の場合はこれが皇統譜の謄本になります。眞子内親王殿下が宮内庁に『皇統譜の謄本をください』と申し出られたら、結婚は眞子内親王殿下の権利ですから、宮内庁は拒否できないでしょう。ただし、宮内庁は謄本を発行する作業を行いますので、知らないうちに婚姻届が出されるということはありません」

◆皇室の結婚に関わる儀式は行われるのか?

 皇室を離れるにあたって、天照大御神を祀っている賢所など宮中三殿で拝礼する「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」と、天皇皇后両陛下に謝恩の辞を申し上げる「朝見の儀」があるが、これらは結婚に伴う儀式ではなく、皇籍離脱に伴う儀式なので、行われることになるだろう。

 一方、一般の「結納」に当たる「納采の儀」や、小室さん側から使者を通じて秋篠宮家に結婚式の日取りを通知する「告期の儀」は行われない可能性が高くなったという。

「小室さんが当面は帰国しないという報道がありました。帰国しないので『納采の儀』や『告期の儀』ができないというより、それらをやらないことが決まったので、帰国する必要がなくなったのではないかと思っています。秋篠宮殿下は『多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ納采の儀を行えない』と仰っていますが、そのお考えは変わらないということなんでしょう」

 ご結婚は認めるが、皇室の儀式は行わない。そこに秋篠宮さまの、眞子さまのご結婚に対する思いが現れているようだ。

 儀式とともに気になるのは、国民の間でも議論の的となっている「一時金」のことだ。これに関して、山下さんは——

「結婚に限らず、皇籍を離脱される際には、国から一時金が支給されますが、その額は皇室経済会議で決めます。一時金支給に反対している人が多い中で決めないといけないので、各議員は難しい判断を迫られるでしょう。しかし、これは皇族であった人の品位保持のためなので、支給されることになるでしょう」

 一時金の金額は限度額の1割減の1億3千725万円になるのではないかと、山下さんは言う。

◆これからの予想されるスケジュール

 最後に今後の結婚までのスケジュールを、山下さんに予想してもらった。

「9月11日の紀子妃殿下のお誕生日当日、宮内記者会からの質問に文書で回答されるでしょう。その後、9月中旬から10月23日の眞子内親王殿下のお誕生日までの間に婚姻届が出されるのではないかと思っています。婚姻届の提出の1~2週間前には、その提出日のほかに、『賢所皇霊殿神殿に謁するの儀』、『朝見の儀』、皇室経済会議の日程が一気に発表されるのではないでしょうか。結婚式や披露宴も行われない可能性が高いですね」

 もはや眞子さまと小室さんの結婚は前に進むしかないようだが、ひとつ気になるのは、一切、表に出てこない小室さんの動向だ。少なくとも婚姻届を出す段階になったならば、一時帰国して記者会見をしてほしいと思うのは、筆者だけだろうか。これから先、矢面に立たされる眞子さまのご心情を思うと切なくなってくるのだ。

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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