明日3月11日は東日本大震災から丸3年を迎える。地震は予測できないと言われているが、日本地震学会の単なる見解らしい。地震の予測ができれば被害を最小に食い止めることができる。

広辞苑によると、予測とは、「あらかじめ推測すること。前もっておしはかること」とある。これに対して予知とは、「前もって知ること」を指す。つまり、地震予知とは地震が起きることを前もって知ることになる。地震予測はややあいまいな表現であり、地震が来るかもしれないと推測することだ。市場予測とは言うが市場予知とは言わない。また天気予報とは言うが天気予知とは言わない。ちなみに予報は、「あらかじめ報告すること」だという。明日は雨になると報告することが天気予報であり、当たるか外れるかは問題にしていない。

地震の場合でも地震予知とは言わず、地震予報とすればたとえ少しくらい間違っても目くじらを立てなくてもよい。そうすれば、かなりの確率で地震に対して前もって心構えを持つことができる。

電気通信大学で地震の予知を研究している早川正士名誉教授を取材したことがある。東日本大震災の前兆を捕まえていたというが、今の日本では地震は予知できないと思い込んでいるため、話題にも上らなかった。

しかし、地震はある程度予測できるといえそうだ。天気予報と同様に多少違っても目くじらを立てないと仮定する必要はあるが。

さて、早川教授が採用する方法は、電磁波すなわち電波を利用する方法だ。地球上に送信機と受信機を置いておく。送信機から放射された電波は、電離層と地表面に反射しながら受信機まで伝播していく(図1)。

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一方、地球内では、海のプレートと陸のプレートがぶつかり合うところにおいて、海のプレートが陸のプレートを引きずり込むような形で沈んでいく。やがて陸のプレートは沈み込められた応力が蓄積していく。この応力の跳ね返えりが地震となって応力を緩和すると考えられている。強い応力が蓄積していくと電荷も貯えられる。セルロイドの下敷きを擦って摩擦を起こすと静電気が発生して髪の毛が立つことと同じ原理だ。静電気すなわち電荷がたまっていく。

電荷があるしきい値以上にたまると、その影響は電離層にも影響を及ぼす。というのは、コンデンサ(キャパシタ)と同じように、一つの電極に電荷がたまると、もう一つの電極にも電荷が引き寄せられるからだ。そうなると、電離層と地表との間の電界強度が変わってくるため、電波の伝搬が歪められてしまう。早川教授の地震予測はこの電波の変化を観察するものだ。

早川教授と同じように、北海道大学の森谷武男教授、八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男教授なども電磁波と地震予知との関係を見出している。

このコンデンサモデルで地震を説明すると、ナマズの騒ぎや、蛇やネズミなど動物たちが暴れ出すという行動も説明がつく。電荷が地球表面にたまるとわずかながら電流が地表面を流れるからだ。蛇やネズミなどは裸足であるから、靴を履いている人間よりも電流に対する感度ははるかに高い。ナマズのいる水中も電流が流れやすい。さらに鳥など空中にいる動物でさえ、アタマの上(電離層)と地表との間の電界強度の変化を感じ取れるはず。いつもと違う電界強度を感じた鳥たちは騒ぎ出す。

さらに、私の姉が住んでいる関西で淡路大震災に出会った時に、大きな揺れと同時に青い光を見たと彼女は言っていた。私はそんな馬鹿な、とその時は思ったが、今になって考えてみると、この光も説明できる。つまり電荷の放電である。プラスとマイナスが放電する時には光が出る。

以上をまとめると、地下ではプレート同士がぶつかり合って強い力が働くと電荷が蓄積される。震源地に相当する領域には電荷がたくさん集まっているため、その領域を通る電波は必ず強い影響を受ける。だから電波を調べればよい。それも出来るだけ多くの送信基地と受信基地を隈なくカバーしておけば、地震は予測できる。今、地震の予測が外れたり当たったりするのは、電波の通り道に震源があるかないかの違いかもしれない。

早川教授らの方法を批判する意見があるが、批判だけではなくどうやって地震の予測にたどり着けるかを考えるべきではないか。批判するだけなら簡単だ。予知できないと結論付けるだけならこれも簡単だ。大事なことは完全に予知できなくてもある程度予測できれば良いという態度である。少しでも危険を察知したらすぐに逃げることは動物が教えている。たとえ予測が外れても観測地点の数を増やしたり、ノイズに埋もれた信号を検出する技術をFFT(高速フーリエ変換)だけではなく、もっとさまざまな技術を開発したりすることで、精度を上げていけばよい。東日本大震災で亡くなられた方への最大の供養は、被害を最小にするためのテクノロジーの実用化である。

(2014/03/10)