3億3000万ドル男ハーパー「課題は三振減と感情のコントロール」豊浦彰太郎の観戦記@MLB.com

ショートテンパーのブライス・ハーパー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

MLB.comでナ・リーグ東地区首位のフィリーズ対同2位のメッツとの対戦を観戦した。同地区は、両リーグ計6地区の中でも最大の激戦区だ。昨季地区優勝のブレーブスに加え、ブライス・ハーパーをはじめオフに爆買い?補強のフィリーズ、フィリーズほどではないもののこれまた積極的な補強を展開したメッツ、ハーパーが抜けても実力は侮れず多くの専門家が優勝候補に挙げるナショナルズという4強がひしめいており、唯一マーリンズだけが、戦力的には圧倒的に引き離されている状況なのだ。

現地22日にメッツの本拠地シティ・フィールドで行われたこの試合、雨の影響で試合開始が1時間半遅れ、同8時45分のプレーボールだった。

お目当のハーパーは1打席目は空振りの三振、2打席目は外角の際どいタマをストライクに取られ見逃し三振だった。この判定にハーパーは怒り心頭。その後もベンチからアンパイアを罵り続け、打者4人後に退場処分となってしまった。

チームは5対1で完敗。中心選手の退場処分後は同僚が奮い立つこともあるが、この日に関してはハーパー退場の次のイニングの5回以降、フィリーズ打線は無安打と良いところがなかった。

ハーパーの退場処分にはゲープ・キャプラー監督も激怒していたが、この日の先発投手ジェイク・アリエタは、「審判の判定に問題があるのもゲームの一部、主力選手が退場処分を受けるほど激昂するのはいただけない」と苦言を呈していた。フィリーズ選手の退場は4年ぶりだが、ハーパー自身はこれで累計12度目。現役ではキャリアが6年も長いマット・ケンプ(レッズ)の14度に次ぐ多さだ。

しかし、今季のハーパーは三振が多い(昨今三振が多いのは彼だけでなく、メジャー全体が三振と本塁打が多くなっているのだが)。22試合を消化したこの時点ですでに29三振を喫している。シーズン214三振ペースだ。

ここ数年の三振率も上昇し続けている。2016年18.7%、17年20.1%、18年24.3%、そして今季が29.0%なのだ。

また、昨年.249に終わった打率は、今季も.272と今ひとつだ。同僚のアンドリュー・マッカッチェンともにリーグ最多の18四球を得ているので、出塁率は.410と十分だが、13年総額3億3000万ドルの契約を手にしたスーパースターとしては打率は寂しい。

不安材料はさらにある。実は、今季の本塁打、三振、四死球を除くインプレー打率(BABIP)は.362と相当高い。このスタッツは長いスパンでは.300前後に落ち着くと言われている。と、いうことはこの先打率は下がっていく可能性が高いことを示している。その事態を避ける、いや打率をむしろ上げていくにはBABIPがこの先下がる前提で考えると、三振を減らすことが肝要となる。これは簡単な数学だ。

ハーパーの課題は、自らの感情をしっかりコントロールすることと、三振を減らすことだ。

メッツ 5- 1 フィリーズ

2019年4月22日 於 : シティ・フィールド

勝利投手 スティーブン・マッツ 2勝1敗

敗戦投手 ジェイク・アリエタ 3勝2敗

本塁打 リース・ホスキンス6号 ジェフ・マクニール1号

試合時間 2時間46分

観客 25,293人