2年目のDバックス平野佳寿、一層のスプリッター依存は進化か?

今季、スプリッター比率が一層上っている平野(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

アリゾナ・ダイヤモンドバックスの平野佳寿は、今季日本人メジャーリーガーの中で最も注目すべき選手の1人だ。2年目も結果を出すことができるかどうかは、今後の彼のMLBでの成否を占うことになるからだ。

2年目も結果を出してこそ本物

日本人選手がメジャーに挑戦する場合、野手は新しいプレー環境や対戦相手に順応するまで時間を要することが多いが、投手なら初年度から好成績を収めなければそれ以降もダメだと思っている。そして、1年目だけならそこそこ通用するケースは目につくが、翌年以降ガクっと成績を落としそのままフェイドアウトすることも稀ではない。高津臣吾、小林雅英、川上憲伸などがこれに当たる。

これは、投手と打者の対決において、互いに手の内を知らない場合は投手に有利に働くからだろう。やはり主導権は投手にあり、打者は受け身なのだ。したがって、初年度の昨年全く通用しなかったと言って良い牧田和久は、残念だが今季も期待は出来ないと思う。1年目は5勝で翌年13勝の伊良部秀輝は例外的な存在だろう。

「互いに知らない」が有利に働いた1年目

で、平野だ。彼は昨季大車輪の活躍を見せた。そして、それはある程度当然だったとも言える。全投球の約半分をスプリッターが占める投手など、メジャーにはほとんど存在しないからだ。平野もメジャーの各打者に関する予備知識がないに等しい状態には戸惑ったと思うが、「慣れていない者同士の対決は投手有利」という法則に沿った結果が出たのだと思っている。

だから、今季は平野のキャリアにとってとても大事なシーズンなのだ。昨季平野に痛い目にあった各球団はしっかりデータを蓄え、対策を練っている。同じことを繰り返していてはメジャーの世界では生きていけない。妙な例えを許して欲しいが、これはゴキブリと殺虫剤の関係と同じなのだ。

今季、ここまで平野は6試合に登板し4.1回を投げ0勝1敗1セーブ&1ホールドで防御率6.23だ。投球回数の少ないリリーフ投手を、勝ち負けやセーブやホールドの数、防御率で判断するのは愚かなことだ。そのような結果ではなく、プロセスをしっかり見ていくべきである。

2年目の変化は進化?

セイバー系サイトのfangraphsによると、昨季54%対46%だった速球とスプリッターの比率は、今季36%対60%(カーブ1%)と、一層スプリッター偏重になっている。もちろんこれは意図的な変化だと思うが、果たして進化なのか?それとも相手打者に慣れられた結果として、平均90~91マイルでしかない速球に狙いを絞られるのを嫌い、得意のスプリッターに一層依存せざるを得なくなっているのかはまだ分からない。

昨季に比べると、9回平均の三振奪取数(8.01→16.62)、与四球数(3.12→6.23)ともに跳ね上がっているが、これはスプリッターを多投しているためだろう。まだシーズンは始まったばかり。これから先の平野に注目したい。