日本ハム新球場、600億円の建設費はMLBのケースとは異なり自ら調達しなければならない

天然芝を採用する新球場は、札幌ドームとは異なり開閉式で採光性も優れているようだ。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

先日発表された日本ハムの新球場プランは、多くの野球ファンに喝采を持って迎えられた。しかし、2020年5月の着工、2023年3月の竣工に向けて、用地買収、周辺の交通インフラ整備、総額600億円とも言われる球場自体の建設費調達など課題は少なくないようだ。広尾晃さんがブログで紹介されている「東洋経済オンライン」の記事で詳述されている。

ここでは、それらの課題のうち建設費にフォーカスして私見を述べたい。

ざっくり言うと、日本ハム球団を誘致する北広島市が最大で200億円超の周辺のインフラ整備を担当し、約600億円と見られる建設費の大部分は球団が調達することになっているようだ。

600億円のうち200億円は日本ハムが資本金の67%を出資する球場運営会社が負担し、残りは日本ハム本社に融資させることが青写真のようだ。しかし、東京経済の記事では、日本ハム本社が本業とは関係ない球場建設にそこまでの巨費を投じることに対して、株主の理解を得られるかが問題として指摘している。

新球場建設問題を論じると、しばしばアメリカでのケースとの比較にぶち当たる。曰く、「アメリカでは球場は地方自治体が公費で建設し、球団に極めて安くリースしている。しかるにわが国では・・・」というものだ(今回の東洋経済の記事はそうではない。野球文化論ではなく、純粋にビジネス記事だからだろう。ちなみに記事を書いた伊藤歩氏は金融ジャーナリストだが、球団経営に関する著書もある)。

しかし、アメリカでベースボールはNational Pastime(国民的娯楽)とは言え、地域住民全員が野球に関心を持っている訳ではない。立派な球場が出来るのは大いに結構だが、そのためなら増税もやむなしという意見は彼の地でも多くない。したがって、これは常に問題になる。そして、最終的にはホテルやレンタカーに対する課税を強化しようということで決着するケースが多い。要は、住民以外のよそ者に負担してもらおうというものだ。

それでも何とか旅行者からの徴収とは言え、増税を受け入れ新球場建設の費用を捻出できるのは、プロ野球は地域の財産であるとの考え方がベースにあるからだ。この辺りがNPBと根本的に違うところだ。ファイターズも、道民に愛され誇りに思われる存在ではあるが、それでもその存在理由は日本ハムという企業の広告塔であるということが第一義だ。したがって、地方自治体の役割はあくまで周辺のインフラ整備に止め、主たる建設費は球団が負担する、という方向性は間違っていない。仮に税金で作ってもらうとしたら、札幌ドーム同様に高額な使用料は受け入れねばならない。

記事によると、現時点では親会社の向こう3年間の投資計画約2100億円に球場建設への融資は含まれていないようだ。400億円という融資額を今からその2100億円に追加で捻出するよう本社と交渉するのは相当大変な仕事だと思うが、球団は何としてもこれを実現させねばならない。