ヤンキース、最後は宿敵Rソックスに苦汁も2018年は実りの多いシーズン

ビデオリプレーでの確認を経てシーズン終了というのも「今風」だった。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ヤンキースの2018年シーズンが終了した。これからニューヨークは長く厳しい冬を迎える。宿敵レッドソックスに苦汁を飲まされての敗退だけに、失望しているヤンキースファンも多いだろう。しかし、今季は実りの多いシーズンだったと言える。

ディビジョンシリーズでは、最終の第4戦では最終回に追い上げ、5万人の大観衆を大いに沸かせたが、何せその前日の歴史的大敗(1対16)の印象が強く、一敗地に塗れた感は拭えない。しかし、冷静に今季を振り返ると多くの成果と意義があった。

新監督で100勝を達成

今季の成果その1は、なんといっても100勝も挙げたことだ。これは最後の世界一である2009年(103勝)以来のことだ。何せ、レッドソックスが108勝も記録したのでワイルドカードに甘んじたことで霞んでしまうが、新監督アーロン・ブーンはディビジョンシリーズでの遅すぎる先発投手交代などで非難を浴びたが、この成果はもっと評価されて良い。今季のヤンキー・スタジアムでのレギュラーシーズン観客動員はメジャー2位の3,482,855人でこれは前年の3,146,966人からから約30万人増えている。これも、100勝の効果か。

若手の台頭

今季の100勝が意義深いのは、大枚叩いて手に入れた昨季のナ・リーグMVPジャンカルロ・スタントンに代表される高年俸スターの活躍のみに依るのではなく、若手の台頭も目立ったことだ。球宴にも選出されたグレイバー・トーレスや、大谷翔平とア・リーグ新人王投票で鎬を削るであろうミゲール・アンドゥハーはレギュラーポジションを手に入れた。

戦力均衡税をリセット

年俸総額が予め定められた一定額を超えるとその超過分に対し課せられる、戦力均衡税(支払先はMLB機構なので、正確には税金ではない)を遂に免れそうだ。ヤンキースは2003年の導入から延々と払い続けており、最高は2005年の3400万ドルで、昨年も1600万ドル支払った。今季の課税ラインは年俸総額1億9700万ドルだが、おそらくヤンキースは1億9500万ドルあたりに落ち着くと見られている。これにより今年の支払いを免れるだけでなく、今回のリセットにより来季対象になっても(来季の課税対象ラインは2億600万ドル)その税率(“継続”か否かでで大きく異なる)はかなり軽減される。(50%から20%へ)。これで、ワールドシリーズ後は投手ではクレイトン・カーショウ(ドジャース)、野手ではブライス・ハーパー(ナショナルズ)やマニー・マチャド(ドジャース)らがFA市場に出てくれば獲得に乗り出すこともできる。

オフに「引き留め要」の主力がいない

逆に今季限りで契約が切れるのは、投手ではCC・サバシア、野手ではブレット・ガードナーだ。彼らは2009年の世界一を経験している貴重なベテランで、今季もそれなりに貢献した。しかし、無理して引き留めるほどではない。球団有利な条件でも残留を希望するなら残ってもらえばよい、というレベルだ。

このようにレギュラーシーズンで最低限の結果を出し(世界一以外は失敗と見なされる、という考えもあるが)、来季への明るい展望も確保した2018年は、それなりの成果があったと評価すべきだろう。ハンコを押すなら「太鼓判」までは行かぬとも、「良くできました」くらいには十分値すると思う。