大谷翔平はトミー・ジョン手術を受けるべきか?医学以外の観点から考える

大谷の動向に注目が集まっている。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

大谷翔平は果たしてトミー・ジョン手術を受けるのか?日米のメディアとファンが注目している。靭帯の損傷状況はGrade 2と報じられており、PRP療法なる血小板注射を施し当面経過を観測するようだ。しかし、ESPNのペドロ・ゴメス記者が「信頼できる筋からの情報」として「手術に踏み切る可能性高し」と報じたことで、がぜん周囲が騒がしくなった。

ヤンキースの田中将大のケースでもそうだったが、このテの事案に関しては無責任な外野が騒ぎがちだ。手術を回避した田中が期待外れの登板を続けると、「だからいわんこっちゃない」と言う風に叩かれた。ぼくなどは「お前らいつから医者になった」と言いたくなったものだ。手術の要否に関する的確な判断というものは、ベテラン記者であれ元名投手であれ、医学知識と経験を持ったドクターに到底及ばないはずだからだ。

そして、もちろんぼくも医者ではない。医学の知識はカケラもない。したがって、ここではスポーツ医学とは全く異なる視点で大谷の手術の要否に関し論じてみたい。

結論としては「早めに受けた方が良い」と思っている。理由はふたつ。まずは(少々不謹慎な言い方をすれば)、「トミー・ジョン手術は投手のキャリアの通過点」とも考えることもできるからだ。元祖のトミー・ジョンから殿堂入りのジョン・スモルツを始め、多くの偉大な投手がこのプロセスを経て現役生活を長らえた。逆に言えば、60年代最高の投手とも言えるサンディ・コーファックスなどは、彼の時代にこの手術が存在すれば30歳で引退を余儀なくされることもなかった(彼の引退には契約上の問題も影響を与えたのだが)。長年やっていれば、そのうちちぎれる。ちぎれてしまえば付け替えれば良い、ということだ。倫理的には聞こえないかもしれないが、現実問題としてはこれを否定することは難しい。

もうひとつはビジネスの観点からだ。エンジェルスは大谷を今年を含め6年間も拘束できる。しかもまだ23歳と若い。さらに言うなら契約条件は球団にとってタダ同然だ。早いうちに手術を済ませ、2020年からの4年間しっかり働いてもらった方が良いと考えるとしたら、それは自然なことだ。

ビジネス的にいうなら、大谷にとっても早く手術をしてしまった方が「得」だ。彼にとって最悪のシナリオは、今後だましだまし投げ続け、その結果契約最終年に手術を受けざるを得ない事態だ。そうなると、せっかく安サラリーでの6年間(年俸調停権を得た後はそれなりの額に上昇すると思われるが)のご奉公を終え、ビッグマネーを掴める機会を得たのにそれを無駄にすることになる。術後のリハビリ中にFAになってしまうと、契約条件は相当低く抑えられてしまうからだ。