カブスのダルビッシュ有がちょっと心配だ。地元ファンからのブーイングやSNSでの辛辣なコメントで「支持を失っている」と感じているらしい。地元メディアが伝えている。

気持ちは分からぬでもない。6年1億2600万ドルものビッグな契約で迎えられたが結果が出ていない。開幕からプアなアウティングが続いたと思えば、5月に入ると故障者リスト入り(風邪の症状)。その後、20日のレッズ戦でようやく初勝利を記録したが、26日に右上腕三頭筋の炎症で2度目のDL入りとなってしまった。現時点では復帰の目処がついていない。当然、焦りもあるだろう。

シカゴのファンは熱狂的なことで知られている。その分、期待に応えられぬ選手には厳しい。5月2日のロッキーズ戦では、4.1回で6失点(自責点5)という不甲斐ない投球のダルビッシュに、リグレーの観客は激しいブーイングを浴びせた。その後、DL明けの復帰戦としては14日の地元でのブレーブス戦が有力視されたが、ジョー・マッドン監督は翌日の敵地アトランタでのブレーブス戦に「リスケ」した。マッドンは明言を避けたが、おそらくダルビッシュの心理状況を配慮したものだろう。

今季初勝利となったレッズ戦では、初回に39球も要しながら2回以降は復調。スライダー偏重だったそれ以前の登板とは異なり、フォーシーム主体の攻撃的な組み立ては、昨年の投球を彷彿とさせるものだった。また、セイバー系サイトのfangraphsは、開幕直後には目立った投球動作の途中での一旦停止がなくなった点を指摘していた。ダルビッシュは配球パターンやフォームに日々研究を重ねているということだ。故障の状況は明らかではないが、体調さえ万全なら復活の日も近いと思われる。焦らず完治に努めて欲しい。