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代役出場も2失策の中日・森野に谷繁監督は「起用したオレの責任」。悪くはないが、もう少し配慮を。

豊浦彰太郎Baseball Writer
前年まで選手兼任だった谷繁監督の発言は基本的には選手擁護だが(写真はWBC時)(写真:ロイター/アフロ)

プロ野球監督の選手に関するコメントは、一時に比べるとかなりマシになってきたように思う。しかし、もう少し気を使っても良いだろう。

中日ドラゴンズは大型連休前半の広島戦に痛い3連敗を喫したが、連敗以上に堪えたのが開幕から好調を維持していた高橋周平の故障離脱だった。5月1日に代役として3番三塁で起用されたベテラン森野は5打数2安打も、2度の得点圏では打てず守備では2失策で、それらがすべて失点に繋がってしまった。これに対し谷繁監督は、「自分がスタメンに起用したのだから」と述べたという。森野を庇うつもりでの発言だったと思うのだが、本音を言うともう少し配慮のあるコメントを期待したいところだ。

かつては、活躍できなかった選手に対し身も蓋もない感情的なコメントを記者団に対し吐き捨てる監督は少なくなかった。中日では高木前監督がそうだったし、巨人の原前監督やDeNAの中畑前監督もその傾向があった。彼らに比べると、責任を引き受けようとする谷繁監督は立派だ。

しかし、冷静に分析すると「オレの責任」は実は選手の責任を否定していない。その上に、上司である自らの責任を被せているだけだ。言い換えれば「選手はミスったが、もっと悪いのはオレ」ということだ。

「私の責任です」というのは、高校野球でも良く敗軍の将が発するコメントだが、少しも響いてこない。その監督の責任とは具体的に何かが示されていないからだ。

選手を庇おうとする姿勢は立派だが、それは責任を自分に持ってくることではなく選手を持ち上げてあげることが必要だと思う。今回の森野に対しては、「2安打を放つなどスタメンの責任は果たしてくれた」とか、「時には失敗(エラー)することもあるものだ」などとコメントしてあげればベストだったと思う。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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