都合の悪い記事を掲載した媒体を「出禁」にするNPB、野球報道も情報統制されている

桜も咲き、ペナントレースも開幕したが・・・(写真:アフロ)

これが事実なら驚くべきことだ。今でもこんなことが行われているのか。

野球賭博に関するNPBの対応に疑問を呈した記事を掲載したサンケイを、NPBは「管理施設への立ち入りをご遠慮願いたい」と通告したというのだ。これは「出入禁止」だ。ブロガーの広尾晃さんが伝えている。

このことの影響として、広尾さんはサンケイも他メディアも「出禁」を恐れ、一連のスキャンダルに対し極めて及び腰も対応となるだろうということを挙げている。だとすると、大いに嘆かわしいことだがその可能性は高いだろう。

気に入らない記事を書いたからと言って、取材拒否をするのは、私的制裁である。民主主義国家の「公共財」を標榜する興行を統括する一般社団法人が行うべきことではない。

今朝、主要な一般紙、スポーツ紙を購入したが、サンケイ、サンスポ、夕刊フジも含めて、すべての新聞がこのことについて触れていない。

NPBの抗議も公式サイトには掲げられていない。

メディアはNPB様のお怒りにひれふして、息を殺して見守っているようだ。

昨日の産経のネットニュースが報じなければ、この事実は知られることがないまま終わったことだろう。

フジサンケイグループは、今後、笠原、Bへの取材はもとより、先走った野球賭博の取材は行わないだろう。スポーツ紙のドル箱であるプロ野球の取材を出禁されては、死活問題だからだ。身の程知らずのことをしたと思っているはずだ。

他紙も「サンケイへの見せしめ」を見て、NPBに逆らう記事は書くまいと改めて思ったことだろう。

出典:サンケイ、NPBに「出禁」を食らう

これを、賭博事件に関するNPBへの読売の影響力の大きさを示すものとのみ捉えるべきではないだろう。もともと、野球界には都合の悪いことは書かせない、メディアは球界に批判的なことは書かない、という文化が存在する。ぼくも、ある媒体で某球団の監督の身の振り方や達振る舞いを批難したら、その記事を削除されたことがある。「褒めることだけ書いて下さい」と言われたので、話し合いの結果その媒体へのNPB関連記事の寄稿を辞めた。また、別の媒体で選手名鑑の原稿を書く際は「くれぐれも批判的な紹介は避けて下さい。球団側がチェックしていてすぐクレームが入るので」と編集部に釘をさされた。

これは、たかが野球界のことでしかないかもしれないかもしれない。しかし、われわれは近隣諸国の情報統制を時として嗤い、批難するのだけれど、われわれが普段ネットや活字媒体で接する情報も、決して取材する立場の人たちからの自由な情報や意見だけではないということは認識しておくべきだろう。それらの国々で行われていることからすると可愛いレベルかもしれないが、都合の悪いものは時として排除され、選別されたものだけが届けられるという事実に変わりはない。