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「私の気持ちを察してほしい」と男性に求めて結婚できずに今に至ります~おみおじリポート(151)~

大宮冬洋フリーライター
甘え心から脱した42歳。リードするぐらいの気持ちで婚活に臨みます。(本人提供)

就職超氷河期世代。新卒で入った会社では「契約が取れるまで帰って来るな」と言われました

※2023年2月7日追記。浅井さんはオネットでお見合いした男性と真剣交際に入りました。当然ながら新たなお見合い申し込みは受け付けていません。ご理解いただき、彼女の幸せな退会を一緒に願っていただけると幸いです。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 新卒社員の売り手市場が定着して働き方改革も進んでいる今では信じられないような話ですが、20年前は「就職超氷河期」でした。何十社も採用試験を落とされ、ようやく入社できた会社でも「成果主義」などの名のもとに入社していきなり実績を求められたり。応えられなかったら追い詰められて去るしかありません。「ブラック企業」という言葉すら広まっていませんでした。多くの若者が使い捨てにされた時代だったのです。

 都内の金融機関で長く働いている浅井宏美さん(仮名、42歳)はやや幸運なケースです。新卒で入った会社では「契約が取れるまで帰って来るな」と上司から言われ続けたそうですが、1年で見切りをつけて転職に成功。もうそろそろ勤続20年です。人間らしく働ける労働環境って何よりも大事ですよね。

 ただし、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変します。顧客対応が猛烈に忙しくなったからです。

「私は管理職ではありませんが、年齢的にマネジメント業務という名のお世話係です。立場的に絶対にコロナに感染してはいけなかったので、仕事以外ではずっと一人暮らしの部屋にこもっていました。田舎の親からも『帰って来るな』と言われて……。プライベートでは誰も会えずに暗い気持ちなりました。だからこそ今、婚活に本気です」

40代なので食事にも気をつけている、という浅井さんの自宅料理。「ゴハンは基本的に玄米。お弁当にして会社に持って行っています。掃除も料理も普通にやりますが、片付けはちょっと苦手です」(本人提供)
40代なので食事にも気をつけている、という浅井さんの自宅料理。「ゴハンは基本的に玄米。お弁当にして会社に持って行っています。掃除も料理も普通にやりますが、片付けはちょっと苦手です」(本人提供)

受け身だった私。結婚したいと言うこともダメなら別れを切り出すこともできませんでした

 可愛らしい見た目の浅井さんならば、32歳のときに「本気」になっていれば、意識的に婚活などをしなくても結婚相手が見つかったと思います。しかし、若い頃の浅井さんは「男性とのコミュニケーションが下手」で、しかもそれを自覚していなかったそうです。若さとはバカさなので仕方ないですよね……。

「男女関係にとても厳しい家庭に育ったので、学生時代までは女の子とばかり仲よくしていました。男友だちと呼べる人はいまだにいません。合コンや飲み会で好みの男性と出会っても押したりできず、アプローチしてくれるのを待つばかり。長くお付き合いしても、結婚してほしいと言うこともできず、別れを切り出すこともできず……。年上と付き合うことが多かったので、『私の気持ちを察してほしい。大事にしてほしい』『いろいろ教えてもらいたい』というワガママなところがあったのだと思います」

 男女関係では甘え心が出てしまいがちだった浅井さんですが、仕事には前向きに取り組んでいます。新卒で入った会社での地獄のような経験があるので、今の会社で失うものはないと思っているのかもしれません。

「3年も同じ部署にいると飽きてしまいます。慣れた仕事で楽をするよりも、新しいことにチャレンジしたいです。今はお客様対応が中心の部署にいますが、アプリを使った新しい金融商品を作る部署への異動を申請しています」

 そして、プライベートでは頼れる年上だけでなく対等に付き合える同世代との出会いも視野に入れているそうです。な、なるほど……。

コロナ禍前は海外旅行を楽しんでいた浅井さん。クアラルンプールの夜景です。「一人旅も好きですが、どこに行くかより誰と行くかが大事だと思います。まだ見ぬパートナーが旅行好きな方だと嬉しいです」(本人提供)
コロナ禍前は海外旅行を楽しんでいた浅井さん。クアラルンプールの夜景です。「一人旅も好きですが、どこに行くかより誰と行くかが大事だと思います。まだ見ぬパートナーが旅行好きな方だと嬉しいです」(本人提供)

会話も立ち振る舞いも「子どもっぽい」男性を引っ張れるか否か。それが分かれ目です

 ここでマチコ先生が直言。正直言って、浅井さんは認識不足です。アラフォー以降の女性は、「対等」ではなく「お膳立てしてリードする」ぐらいの気概がなければ結婚には至りにくいと知ってください。甘やかしてくれるのは遊びたい既婚男性だけ、だと思ったほうがいいでしょう。

「10歳上の50代であっても、独身男性はコミュニケーションが下手だったり子どもっぽかったりします。そういうところを『可愛いな』と思いながらうまく引っ張ってあげられるかが40代女性が結婚できるか否かの分かれ目です。年齢に関わらず、男性を誘導して育てることが必要だと思ってください。明るくて可愛い浅井さんはそれを覚えればきっと結婚できます」

 マチコ先生自身がアラフォーで結婚した体験があります。だからこそ、アドバイスにも熱が入ります。神妙な表情で聞いていた浅井さんは自分の置かれた状況の変化に本当にびっくりした、と率直な感想を述べてくれました。自分の年齢って客観的には捉えにくいものですからね。

「でも、考えてみれば私も年齢を重ねて経験も収入もそれなりにあります。男性から教えてもらうことだけでなく、教え合う関係性を目指せるはずです」

 その意気です! 交際中は浅井さんが引っ張ったとしても、共同生活をしていると相手のほうが頼りになる面が見つかったりします。頼り合える安心の家庭ですね。浅井さんはもうすぐ近くまで来ています。

旅行に行ったら普段は食べない甘いものも解禁! メリハリのある生活、大事ですよね。(本人提供)
旅行に行ったら普段は食べない甘いものも解禁! メリハリのある生活、大事ですよね。(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。浅井さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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