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52歳。3年間婚活しても失敗ばかり。農家のアラフィフ長男はダメですか?~おみおじリポート(131)~

大宮冬洋フリーライター
頭頂部が薄くなってスキンヘッドにしたという男性。この上ない清潔感!(本人提供)

東海地方でみかん農家を継いでいる男性が登場。無肥料・無農薬栽培にも挑戦中

※2022年12月29日追記。吉野さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 たまに都会で遊んだり人と会ったりするのは楽しいけれど、普段の生活は自然豊かな静かなところで健康的に過ごしたい――。こんな風に感じ始めている女性にピッタリの男性がいます。東海地方で実家のみかん農家を継いでいる吉野伸一さん(仮名、52歳)です。神奈川県の私立大学を卒業後にシステムエンジニアとして就職しました。

「コンピュータは今でも好きですが、デスクワークよりは体を動かして働くほうが合っていたようです。社内で荷物を運んだりする雑務は喜んで引き受けていた記憶があります」

 若い頃は仕事内容と自分に合っている働き方が一致しなかったりします。様々な分野で勤め人を経験してから就農し、無農薬・無肥料のみかん栽培にも挑戦している吉野さん。これから農業にITを生かしていくのかもしれません。

吉野さんが手がけている無肥料・無農薬のみかん畑。地面に草が生えているのが特徴的です。甘すぎない、昔ながらのみかんが実ります。(本人提供)
吉野さんが手がけている無肥料・無農薬のみかん畑。地面に草が生えているのが特徴的です。甘すぎない、昔ながらのみかんが実ります。(本人提供)

農業を手伝ってもらうために結婚したいのではありません。尊重し合える関係を築きたい

 仕事は軸がしっかり定まっている吉野さん。恋愛や結婚はなかなか思うようにいかないようです。

「ペンパル募集、婚活パーティー、結婚相談所、自治体の婚活サービスなどに積極的に参加しました。しかし、3年間ほどで実際に女性と会えたのは3回ほどです。農家の長男で年齢も高めということで敬遠されてしまったのかもしれません。最終的には結婚が『したいもの』ではなく『しなくてはいけないもの』と義務的に感じるようになってしまいました」

 年齢が高めの農家の長男。確かにちょっと重い印象がありますね。実際、吉野さんは結婚相手が「農業を手伝ってくれたら嬉しい」と軽々しく口にします。それ、やめたほうがいいですよ。労働力を期待しているように勘違いされかねません。

「もちろん、そのために結婚したいのではありません。僕と一緒に暮らしてくれる人と尊重し合える関係を築きたいです。『こうじゃなくちゃダメ』ではなく『これもいいね』とお互いの価値観を認め合いたいと思っています」

 ということは、吉野さんと同じぐらい自分の仕事にプライドを持っている女性と共働きでもいいんですよね? 自分が手伝ってもらうというよりも、相手を支えたいぐらいの気持ちでいたほうが吉野さんの場合はうまくいくと思います。

こちらは農作業中の吉野さん。「畑にいるのは父親と僕だけです。太陽の下、体を動かして働くのは気持ちがいいですよ」(本人提供)
こちらは農作業中の吉野さん。「畑にいるのは父親と僕だけです。太陽の下、体を動かして働くのは気持ちがいいですよ」(本人提供)

既存の枠にハマらない先進的な女性との二拠点生活はいかがですか?

 見た目も雰囲気もいい意味で個性的な吉野さん。マチコ先生は「とても話しやすい」と絶賛。そのうえで、僕の指摘に補足をします。

「オネットは自分がある女性が多いのが特徴です。先進的というか、既存の枠にハマらないというか……。吉野さんとの組み合わせは面白いのでは、と感じます。二拠点生活も珍しくない世の中になって来ているので、農業を手伝ってもらえるかよりもお互いの気持ちが合うかを重視してみてください」

 愛情と信頼関係さえあれば相手の仕事や家族を支えたくなるのはごく自然な流れです。体を使った作業も機械関係も得意な吉野さんが相手のためにしてあげられることも少なくないでしょう。いずれにせよ「心のつながり」が大前提です。

梅干し、味噌、糠漬けは自作している吉野さんの自炊料理。「鰹節は毎回削り器で削っています。3年ものの味噌は真っ黒ですが味はとてもいいです」(本人提供)
梅干し、味噌、糠漬けは自作している吉野さんの自炊料理。「鰹節は毎回削り器で削っています。3年ものの味噌は真っ黒ですが味はとてもいいです」(本人提供)

働き方よりも暮らし方の共有が大事。オーガニックな生活を楽しめる人を探しましょう。

 二拠点生活をするにしても、結婚相手は生活のパートナーであることに変わりはありません。働き方よりも暮らし方をすり合わせられるかが重要だと思います。かなりオーガニックな吉野さんは食への関心が低い女性との共同生活は難しいかもしれません。

「僕は思想的なものはありません。でも、美味しいと体が感じるものしか口にしません。肉魚もたまには食べますが、毎日の食卓にのぼるのはかつお節ぐらいです。黒豆を入れた炊き込みご飯、自家製のぬか漬け、味噌汁、玉ねぎの醤油和え、が最近のルーティンです。飽きたらカレーを作ったりします」

 現在、吉野さんは実家と畑まで車で5分ほどの距離にあるアパートで一人暮らしをしています。その理由も、「化学調味料を多用する両親とはもはや食生活に対する価値観が合わなさすぎる」からです。

 謙虚で文化的だけど人付き合いはちょっと下手そうな吉野さん。オーガニックな食生活を共有できる社交的な女性と補完し合えそうですね!

最近はたくあん作りにハマっているという吉野さん。「ベランダで手で曲がるくらいまでひたすら干し、かめに仕込んで熟成させます。カットした場所によって味が違うのが面白く、めっちゃ美味しいです!」(本人提供)
最近はたくあん作りにハマっているという吉野さん。「ベランダで手で曲がるくらいまでひたすら干し、かめに仕込んで熟成させます。カットした場所によって味が違うのが面白く、めっちゃ美味しいです!」(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。吉野さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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