「夢を持て」と叫ぶ経営者から学んだこと。ブラック企業出身のカフェ店主の話~おみおじリポート(72)~

修羅場をくぐった34歳。カフェを経営しつつ結婚相手を探しています。(本人提供)

この記事を読んでいる人のための独身サークル「オネット」。2例目の結婚カップルが誕生

 速報です。我がオネット内で2組目の結婚カップルが誕生しました。昨年6月に入会した受けオネット会員の武田留美さん(仮名、37歳)に、攻めオネット会員の男性(44歳)がお見合いを申し込んでくれたのが8月のことです。翌月には「真剣交際」に入り、今年の初めに婚約し、先週末に婚姻届を提出したとの報告が入りました。いいリズムですね! オネットをフル活用して見事にゴールインした武田さんの結婚ストーリーはこちらをご覧ください。

 オネットは「大宮ネットワーク」の略称。某大手結婚相談所とは関係ありません。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人だけに集まってもらう独身サークルみたいなものです。

 自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」の一環として、婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

結婚とは生活です。夫婦ともに「頼もしい職業人」であるに越したことはありません

「どんなポンコツでも、1つの職業を10年ぐらい続けていればそれなりに食っていけるようになるよ」

 僕がフリーライターとしての行く末に不安を感じていた若い頃、先輩ライターからこんな言葉をかけてもらったのを覚えています。その先輩は「怪しいお仕事」も含めていろんな職業を取材していて、何らかのプロになるには10年ぐらいかかると感じていたのでしょう。

 僕もキャリアに関する取材が少なくありません。先輩の「10年で一人前になる説」に付け加えるならば、仕事で「修羅場」をくぐった経験の必要性です。確か、神戸大学名誉教授の金井壽宏さんの論だったと記憶していますが、責任のある立場で修羅場を体験することで「ひと皮むける」のはどの職業でも共通しているのだと思います。

 オネットは30代半ば以降の男女と面談することが多いので、大学卒だとしても10年以上の社会人経験がありますよね。結婚とは人生を分かち合うことなので、相手が頼もしい職業人であるに越したことはありません。高収入ではなくても、現場で鍛えられたスキルがあって固定客もいたりすると安心できます。

44番目の受けオネット会員である三浦さんの手作り料理。根菜とパプリカのサラダ、ひじきポテサラ、鶏肉じゃが、きんぴら、栗ご飯、だそうです。(本人提供)
44番目の受けオネット会員である三浦さんの手作り料理。根菜とパプリカのサラダ、ひじきポテサラ、鶏肉じゃが、きんぴら、栗ご飯、だそうです。(本人提供)

居酒屋店長としてボロボロになるまで働き、「いろいろあっても死にはしない」と実感

 神奈川県でカフェを経営している三浦綾乃さん(仮名、34歳)もそんな職業人のひとりです。新卒で入社したのはかつて「ブラック企業」として悪名が高かった大手居酒屋チェーン。店長として心身がボロボロになるまで働いたそうです。

「でも、あの4年間で仕事への考え方が定まり、許容範囲が広がったと思います。いいことも悪いこともいろいろあっても死にはしない、と実感しました。その居酒屋チェーンのトップは『夢を持て』とよく言っていました。それに感化されて自分の店をやってみたいと思って今に至ります」

 退社後もいくつかの飲食店で修業をして、自分のカフェを開店したのが6年前。三浦さん1人で切り盛りしています。

「私が作ったものを食べてもらえるだけで嬉しいし、レスポンスがあったりするとすごくやりがいがあります。私の味のファンになってくれている実感があるんです」

 コロナ禍では総菜のテイクアウトのみをやっていましたが、通常時はお昼前から夕方までが営業時間。ランチと甘いものを提供しています。

「飲食店で働くことは私の天職だと思っていますが、自分のカフェはまだ軌道に乗せられていません。あと2年が勝負時です」

「祖父の生まれ故郷の島に訪れたときの写真です。毎日、海に浮かんで夕日を見ていました」(本人提供)
「祖父の生まれ故郷の島に訪れたときの写真です。毎日、海に浮かんで夕日を見ていました」(本人提供)

人は見た目がまず大事! Zoomお見合いでは、顔と雰囲気の第一印象で多くが決まる

 仕事に真剣に向き合っている三浦さん。結婚願望が高まったのも仕事場での観察がきっかけでした。

「近所に住んでいるご夫婦のお客さんが揃っていらっしゃることも少なくありません。口数は少なくても穏やかな関係が伝わってきます。気がついたらお子さんが生まれていて、その成長を私も見守らせてもらったり。私も近所のカフェに『ご飯食べいこっか〜』と言ってくれるような旦那様に出会いたいです」

 いかにも「お人好し」な三浦さんは、合コンなどでは盛り上げ役に終わることが多いそうです。こうして面談していても、いわゆる「女子力」はあまり感じません。どちらかというと肝っ玉母ちゃん的な雰囲気です。女性として見られるのが照れ臭いのかもしれません。どうすればいいんだろう。マチコ先生、お願いします。

「三浦さんの第一印象は明るくて、元気でオープンマインドな感じがしました。楽しくて幸せな雰囲気を感じるのでお店にも行きたくなります! あとは、男性の気持ちに火をつける工夫をすること。いわゆる婚活ファッションは不要ですが、自分に似合うお洒落を心がけて、そこに少し男性目線を取り入れましょう。Zoomお見合いでは、お化粧・髪型・トップスのバランスにより雰囲気が左右されます。男性のテンションを上げられるかどうかは、初対面のほんの一瞬で決まってしまうので、女性は特に見た目に留意してほしいです」

懐が大きくて、マイナスな出来事もプラスに捉えられるような人に惹かれます

 Zoom画面の角度など、その場であれこれ修正してくれる三浦さん。これなら大丈夫そうです。三浦さんが相手に求める条件は、「タバコを吸わないこと」と「精神的に大人であること」の2点です。

「懐が大きくて、マイナスな出来事もプラスに捉えられるような人に惹かれます」

 すみません、僕からもう一言だけ。僕もいろんな同性を見ていますが「この人は懐が大きい」と感じることはほとんどありません。「余裕がある」もしくは「余裕がない」のどちらかです。仕事が順調で健康状態が良く、人間関係にも恵まれている人はたいてい朗らかで、少々嫌なことがあっても笑いに変えたりしています。一方で、ゆとりがなく辛い状況にある人は常にイライラしているものです。

 三浦さんは僕のジャスト10歳下なのでちょっと訓示モードになってしまいました。でも、まずは実践が大事ですよね。一緒にいてお互いが「精神的に大人」でいられるような相性の男性と出会えるよう、三浦さんのお見合いを応援していきます!

仕事が趣味みたいなものだという三浦さん。「オフでも料理して人に食べてもらうのは好きなので、旦那様になる人が私の味を好きになってくれたらいいですね。コーヒーにも自信があります」(本人提供)
仕事が趣味みたいなものだという三浦さん。「オフでも料理して人に食べてもらうのは好きなので、旦那様になる人が私の味を好きになってくれたらいいですね。コーヒーにも自信があります」(本人提供)

※文中のオネット会員は仮名です。三浦さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方はこちらをご覧ください。

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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