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41歳。結婚相談所で出会ったバツ2男性と本交際中です~40歳からの婚活入門(11)~

大宮冬洋フリーライター
東京郊外の蕎麦屋にて。昼ビールを飲みながら色白美人の話を聞きました(筆者撮影)

***広告関連会社の正社員、清水麻奈さん(仮名、41歳)の話***

父親が他界して深く考えた。「私、人生のパートナーがほしい」

 結婚への夢はありませんでした。うちは両親が不仲で、姉と親の関係も悪かったからです。だから、よっぽど相性がいい相手じゃなければ結婚しないと思って生きて来ました。

 長く闘病していた父が亡くなったのは4年前です。闘病中は、家族の潤滑油のような役割だった私が実家を出るわけにもいかず、恋愛をする気分にもなれませんでした。父が病気していることで男性に引かれるのが嫌だったのもあります。いま振り返ると、ちょっと考えすぎでしたね。

 父が亡くなってからは将来のことをすごく考えました。女友達は多くて、いままで楽しく遊んできたけれど、友だちは友だちですよね。それぞれの道があって、ずっと一緒にはいられません。私も自分だけのパートナーがほしいな、と思い始めました。

 本格的に婚活を始めたのは30代最後の日です。友だちの成功体験を参考にして、お見合いパーティーに参加しました。私は昔からオフ会を企画したりしていたので、知らない人と会って話すことには抵抗がありません。会社には私以外に独身者はいないけれど、お見合いパーティーに行けば同世代の独身者がたくさんいます。それが単純に楽しかったです。半年間で30回ぐらいは参加しました。

 パーティーで会った2歳年下のAさんとは6回ぐらいデートしました。一緒にいて楽しいので「運命の人かも」と思っていたんです。でも、付き合ってもないのにお泊りデートに誘われたりして、「ちゃんと付き合って」と伝えると「考えさせてください」なんて言われたり。振り回されて終わってしまいました。

 1歳年上のBさんは「他の男性とはもう会わないでください」なんて言うくせに、決断力のない人でした。花火大会に行きたいね、なんていろいろ話すだけで、具体的な日程を詰められない。私自身も決断力がないことを自覚しているので、それだけは男性に持っていてほしいと思っています。大枠を決めてくれさえすれば、細かいところは私がやるので……。

 でも、若い頃のように、包容力を男性に求めるのはやめました。会社にいる既婚の男性たちも包容力があるとは限らないからです(笑)。

いつもの「友だちパターン」は避けたい。自分から本交際を申し込んだ

 今年の春からは大手の結婚相談所に入り、20人くらいとお見合いしました。退社時間が読みにくい仕事なので、平日に会ったりするのは大変でしたよ。いま、その相談所で会ったバツ2のCさんと交際しています。福祉関連の仕事をしている男性です。

 最初の頃は「仮交際」だったので、お互いに他の人ともデートしていました。私は女性であることをアピールすることが苦手で、何度も会っているうちに友だちみたいな関係になってしまうことが多いんです。だから、Cさんとは早めに私のほうから「本交際をしましょう」と申し込みました。

 2回も離婚していることについてはちょっと気になります。でも、プロフィールだけで人を判断してはいけないと自分に言い聞かせています。私も、以前に転職試験を受けたときに、別の会社を試用期間中に辞めたことを面接でチクチクと聞かれたことがあります。型にはめられて決めつけられるのは誰だって嫌ですよね。

 私と同い年の彼は、選択肢を示したうえでデート場所などはちゃんと決めてくれる男性です。話していても自然だと感じています。

 人よりは遅かったけれど、私が結婚するにはいまが一番いい時期なのかもしれません。母親はまだまだ元気ですし、友だちには恵まれていて、私自身の体調もいいし、仕事は落ち着いています。このままCさんとの交際が続き、結婚できたらいいなと思っているところです。

***筆者より清水さんへ***

プロフィールだけで相手を判断しなければ、結婚を含めた人間関係は豊かになる

 男性に包容力は求めない、プロフィールだけで人を判断しない。清水さんからは「いい言葉」をいくつも聞くことができました。様々な人生経験を重ねて、柔軟かつ自由になっているのだと感じます。

 とはいえ、2つぐらいは相手に求める条件があってもいいですよね。清水さんの場合は、「一緒にいて自然なこと」と「決断力があること」の2つです。どちらも何度かデートしなければわからないので、清水さんは手間暇を惜しまずにたくさんの男性とお見合いしました。嫌な思いをしたことも少なくないはずです。

 その成果として、ちゃんと話せて決断力もあるCさんと交際することができました。自分にとって「結婚するにはいまが一番いい時期」という予感は当たっていると思います。

 自力で幸せをつかみつつある清水さんに言うことは何もありません。Cさんと同じ離婚経験者として嬉しいのは、清水さんが彼の離婚経験を気にし過ぎることなく、自分たちの将来を見つめようという前向きな姿勢です。

 誰だって触れられたくない過去はあると思います。婚活の場合、離婚経験はプロフィールに書かざるを得ません。しかし、離婚理由は千差万別ですし、どのように消化したのかも人それぞれです。人によっては、失敗を糧に成長できているかもしれません。

 プロフィールだけで相手を判断せず、何度か会ってから自分の感覚で決めるという清水さん。その人生はこれからますます豊かになっていくと感じました。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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