鼻が低い男性と結婚すると、ケンカしたときに許せなくなりそうです(「スナック大宮」問答集15)

6年間でのべ1600人と飲み交わしてきたスナック大宮のこぼれニュースコラムです

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに80回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

 初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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「ある男性から口説かれています。誠実そうな人で、私のことがすごく好きみたいです。でも、彼の外見、特に鼻の低さが気になります。このまま結婚すると、ケンカしてしまったときに許せなくなりそうです」(34歳の独身女性)

鼻が低い筆者が「相対的モテ期」を迎えられた理由

 この34歳女性に言い寄っている男性と同じく、筆者も鼻が低い。ほぼゼロの鼻筋の先に、いわゆる団子鼻がちょこんと座っている。10代の頃、自分がモテない理由の一つはこの鼻にあると思い込み、鏡の前で鼻をつまんでひっぱる運動?を繰り返した。少しでも鼻が高くなって鼻筋もできるように願い続けて。

 20代半ばから後半にかけて、そんな筆者が相対的モテ期を経験した。口説いた女性のうち3人に1人ぐらいは受け入れてもらえるようになったのだ(筆者にとってはこれで十分にモテ期である)。美容整形手術で鼻を改造したわけではない。ちっともモテなかった頃と比べて、変わったのは以下の3点だ。

1、体重が10キロほど減り、標準体重よりもやや少ない体型になった

2、洋服店の店員や女友だちのアドバイスを参考にして洋服を揃えるようになった

3、「一目惚れした女性を想い続けて特攻玉砕」型から「いろんな女性を同時に好きになって多方面作戦」型へ変わった

 以上である。2は「身だしなみ」と言い換えることもできる。鼻の低さではなく、「鼻毛が出ていないか」に気を配るようになったのだ。そして、顔の造りを気にする必要はないと悟った。

 いや、正確には「生来の外見に関しては男女ともに好みが十人十色なので、気にしても仕方ない。自分を好きになってくれそうな人にアプローチするのが効率的」と気づいたのだ。薄い顔立ち、昔ながらの日本人顔が好きな女性は確実に存在する。団子鼻が単体で性的なアピールポイントになるのは難しいが、恋愛関係が深まった後であれば、「あなたの鼻、小さくてかわいいね」とツンツンされるぐらいのことは起こり得る。

生まれ変わらないと手に入らないもの。恋愛や結婚で入手可能

 誰しもコンプレックスはある。だからこそ、外見的にも内面的にも、自分にはないものを持っている相手に惹かれやすい。ちなみに筆者は、ハリウッド女優のペネロペ・クルスに憧れ続けている。自分が薄いのっぺり顔なので、大げさなほど濃くて甘い顔立ちの人が好きなのだ。彼女がハビエル・バルデムと結婚したときは、「顔が濃い人同士で結ばれてどうするのか」と抗議したくなったものだが、彼らは外見ではなく内面で何らかの補完関係にあるのだと思う。

 冒頭の発言をした女性に言いたい。彼の鼻の低さがどうしても気になるのであれば付き合わなくてもいい。でも、何度かデートしてみて、彼の性格や能力にも目を向けてみよう。辛抱強くて大らかだったり、楽器の演奏がすごく上手だったり、どんな状況でも生きる力があったりするかもしれない。それがあなたにとって「すごく欲しいけれど現世では手に入らない要素」であれば、恋の突破口になる可能性はある。

 一人きりでは完全になれないからこそ、男と女という2つの性がある。補完し合い、完全に近い形になろうとするのが男女関係の本質なのかもしれない。

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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