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松井秀喜の「地味」なアドバイス。役割を果たし続けることが成功に通じている

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:野球が好き 野球は楽しいよ(スポーツ報知)

誰だって仕事で成功したい。得意な業務に打ち込んで結果を出し、お客さんに喜んでもらい、周囲からは尊敬され、余裕のある生活を楽しめるぐらいの報酬を手にしたい。どうすれば実現できるのだろうか。

目が向きやすいのは、自分の(低い)スキルだ。同じ業界の同世代に比べて、自分は様々な能力が劣っているような気がする。実際、仕事の出来もいまいちだ。やっぱり英語力を鍛えたほうがいいのかな、留学してMBAを取得しようか……。不安定なときほどわかりやすい資格やスクールに飛びつきやすい。

転職を考えることもある。考えてみれば、今の仕事は自分が「昔から」「根本的に」やりたかったことじゃない気がする。本当にやりたかったことにチャレンジしよう!

残念ながら、前者も後者も成功することは少ない。まず前者は現実逃避をしているに過ぎないからだ。不調の原因はおそらくスキルの低さではない。不明な点は事前に上司に確認する、同じ失敗を二度とは繰り返さない、といった基礎的な仕事能力が機能していない可能性が高い。それを直視せず、仕事の合間に資格勉強などをしていたら、ますます「できない人」「痛い人」になっていくだろう。

後者にも問題がある。そんなに大好きな職業があるのならばとっくの昔に始めていたはずで、それをやっていない自分にはいわゆる「天職」はないと認めるべきなのだ。あまりに苦手で不適格な仕事や、ブラック企業の恐れがあるような会社は早めに離れたほうがいい。ただし、「嫌いではない仕事」ならば何でもやるぐらいの気持ちは必要だ。

成功のためにやるべきは、今の仕事でお客さんや同僚を喜ばせるにはどうあるべきなのかを考えて実行することだと思う。そのために力を尽くしている傍ら、仕事の精度をより上げるために資格勉強などで補強するのは正しい。

今朝のスポーツ報知では、元ヤンキースの松井秀喜が田中将大選手に現実的なエールを送っていた。

<一つ言えるのはヤンキースが何を期待しているかだよね。それは1年間、ローテーションを守るということ。(中略)何勝何敗とか、防御率とかじゃない。まずは1年、ローテで投げ続ける。それができれば、ヤンキースからすれば、期待通り。ローテを守り続ければ、それなりに(結果は)ついてくる>

野球一筋に働いてきて大成功を収めた松井にしては「地味」なアドバイスだと思う。しかし、これが最も着実な成功への道なのだと思う。1日で大活躍をしなくてもいい。ときには失敗をしてもかまわない。一定期間にわたって、顧客と組織のために自分に与えられた役割を果たし続けること。結果としてその仕事に欠かせない一員となり、自信がつき、尊敬や報酬も上がっていくのだ。……僕もそろそろ締め切り前の連載原稿の仕事に戻ります。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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