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「30代、子ナシ、世帯年収800万円」の夫婦だけと仲良くなっていく

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:若いママ友に距離感(読売新聞)

20代のうちに性別の違う子どもを1人ずつは作り、30代で職場復帰して前向きに働いている――。いま、最もコンプレックスや不安を感じずに済む女性像だろう。まだ若く、夫にも子どもにもキャリアにも恵まれているのだ。

しかし、このような女性は多数派とは言えない。未婚率は上昇し続け、30代後半で第1子を出産する人も増え、子どものいない夫婦も珍しくはないからだ。

今朝の読売新聞では、20代の母親たちとは話題が合わないという30代女性の声が取り上げられていた。「悩んだときは近い境遇の人の共感が欲しくなる」と吐露している。

同じく30代で初産を経験した女性でも、世帯年収などによって価値観や行動パターンが変わってしまう。外資系金融で働いていた友人は夫も外資系金融で稼いでおり、東京郊外の近所では「ママ友」が1人しかいないらしい。「他のママたちは有料の遊び場所を避けたがるので一緒にいてもぎこちなくなる」と話していた。「乳幼児を子育て中の30代の母親」という境遇でも一括りにはできないのだ。

読売新聞の記事では、同一性をより高めた集まりも紹介されている。「広島の素敵なママの会」だ。35歳以上で第1子または40歳以上で第2子以上を出産した母親たちに限定し、広島市内のホテルで会食している。みなアラフォーママであり、ホテルを利用する余裕もある。これだけ境遇が近いと、「お金や時間の使い方など価値観も似ているし、話題も共通」らしい。

女性ほどではないにしても、男性の僕にも同じような現象が起きている。1年半前に結婚して以来、独身の友人との連絡は明らかに減り、同世代以上の既婚者との付き合いが増えているのだ。

独身の友人を避けているわけでは決してなく、あちらから距離を置かれていると感じる。女友達の1人からは「これからは6割ぐらいの付き合いにしましょう」と通告されてしまった。今までも年に1回ぐらいしか会っていないのに……。

夫婦単位で遊ぶことが自然と多くなる。ただし、我が家は「30代後半、子ナシ、共働き」であるため、夫もしくは妻が子育てに夢中なカップルとは距離が遠い。関心や話題が合わないし、傍若無人な子どもへの寛容度も異なるからだ。

親密度が高まるのは「子どもがいない夫婦」か「いまは子育てを優先せざるを得ないけれど内心では仕事や大人同士の遊びを重視する夫婦」に限られてくる。共働きもしくは片方が800万円程度の収入があることも意外と重要で、それより高すぎても低すぎても遊び方が変わってしまう。「次の正月はニューヨークのホテルで集合!」などと気軽に誘われても困る。

このように書いていると友だちが減って寂しくなる気もするけれど、実際にはそうでもない。類は友を呼ぶで、気持ちを開いていれば同じような境遇の人たちと出会うことになる。減った分だけ増えていくのだ。一度は疎遠になってしまった友だちとも、お互いの状況が変われば濃い関係性が復活することもある。境遇が異なっても友情が続く人もゼロではない。

友だち付き合いは不変ではなく、環境によって変化していく。その時々で気の合う人と楽しい時間を過ごせばいい。そんな風に思うようになった。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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