平均年齢61歳。原因は●●が多い「第5回孤独死現状レポート」に見る孤独死の傾向

(写真:アフロ)

高齢の単身世帯が増えることで心配される「孤独死」。自治体でも、65歳以上の単身世帯への見守り支援が広がっています。しかし、2020年11月27日に発表された日本少額短期保険協会「第5回孤独死現状レポート」を見ると、「孤独死」は高齢者だけの問題でないことが強調されています。

■「孤独死」とは?

「孤独死現状レポート」は、少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者で、2015年4月~2020年3月までの間に孤独死として亡くなられた方のデータです。データの特性上、賃貸住宅に住んでいる方に限られています。

レポート内では、孤独死について「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」と定義されています。1人暮らしの人が自宅内で亡くなり、しかも亡くなったことが後で見つかる状態が「孤独死」とされています。

■65歳未満が多め。男性が女性の5倍

レポートによると、孤独死をした人の平均年齢は男性61.6歳、女性60.7歳でした。孤独死をした人のうち、65歳未満の割合は、男性で51.9%、女性で52.4%。

この傾向は第1回レポートから続いていて、65歳以上のいわゆる「高齢者」のほうがやや少ないことがわかります。50代以下は40.0%です。

男女比では、およそ5:1で、女性の5倍も男性の孤独死が多いことがわかります。年代で最も多いのは60代(29.6%)で、70代(22.4%)、50代(18.8%)、40代(10.3%)と続きます。

■病死に次いで自殺も多い

孤独死者の死因を病死、事故死、自殺と分けた場合、最も多いのが病死で、次が自殺です。厚生労働省「2019年人口動態統計の概況」では、死因に占める自殺の割合は約1.4%であることから、孤独死の自殺者の割合が高いことがわかります。しかも、20代~40代の若い世代の自殺者の割合が高い(特に女性)ことがわかります。

<孤独死者の死因>

・病死(男性65.9%、女性57.2%)

・自殺(男性9.9%、女性17.4%)

・事故死(男性1.1%、女性2.9%)

・不明(男性23.1%、女性22.5%)

「死因不明」が高いのも、孤独死の特徴といえそうです。

■孤独死が多い時期

レポートによると、孤独死が最も多いのは7月・8月で、以下、1月、4月と続きます。7月・8月は暑さが厳しくなって熱中症などが増える時期であり、1月はインフルエンザが流行ったり、寒暖差による血圧のトラブルなども起きやすい時期だからでしょうか。

■発見までの日数は平均17日

孤独死から発見されるまでの平均日数は、前回調査と変わらず、17日間でした。3日以内の早期発見も39.8%と高いものの、30日以上経過後に発見された割合は15.9%でした。

女性の方が早期発見される割合が高く(3日以内が女性49.8%、男性36.1%)、男性の方が長期化しやすい傾向が見られます(30日以上が女性10.8%、男性17.3%)。

第一発見者は、多い順に次の通り。

<第一発見者>

・不動産管理会社・オーナー等 27.1%

・親族 21.0%

・ケアワーカー・配食サービス・自治体・配達業者・ガス電気検針員等 18.1% 

・隣人等の他人(「異臭」や「郵便物の滞留」で発覚) 14.0%

・友人 13.7%

・警察 6.1%

この結果を見ると、何かの時に気にかけてくれる友人などを作っておくことの大切さがわかります。

高齢単身世帯に対しては、乳酸菌飲料や弁当を手渡ししたり、緊急通報装置の貸与、定期的な訪問をするなど、すでにサポートを行っている自治体も少なくありませんが、若年層の1人暮らしの安否確認をしている自治体はまだ多くはないと思います。SNSなどで安否確認し合う友人を作っておくと安心です。

■孤独死による経済的リスク

最近は、「特殊清掃」という職業があることが知られるようになってきました。孤独死や自殺、犯罪などで亡くなった方の部屋を片付け、清掃をする仕事です。残置物処理や原状回復には費用がかかります。また、未納家賃が発生するケースもあります。

これらは本来、連帯保証人や借り主の相続人が負担すべき費用ですが、亡くなった人に遺産がないと、相続人は相続放棄をする可能性があります。賃貸住宅での孤独死による損害は、賃貸住宅オーナーが負担せざるを得ないケースも少なくありません。

<残置物処理費用>

平均損害額 22.1万円(最高178.2万円)

平均支払保険金 22.4万円(最高50万円)

<原状回復費用>

平均損害額 38.1万円(最高415.8万円)

平均支払保険金 29.9万円(最高300万円)

<家賃保証費用>

平均支払保険金 30.8万円

■孤独死の経済的リスクに備える保険

孤独死による経済的リスクに備えるためには、賃貸住宅オーナーと入居者、それぞれの立場で利用できる保険があります。賃貸住宅オーナー向け商品の例として挙げられるのが、アイアル少額短期保険「無縁社会のお守り」や、あそしあ少額短期保険「大家の味方」、少額短期保険ハウスガード「あんしん総合保険」です。賃貸住宅内での孤独死や自殺、犯罪死によりオーナーが被る損失や清掃・遺品整理等にかかる費用が補償されます。

一方、入居者向け保険の例としては、アクア少額短期保険「住まいるパートナー」などが挙げられます。1人暮らしをする人が、自分が孤独死をしたときに、遺族に経済的な負担をかけたくないという場合に有効です。他にも、火災保険に孤独死等による原状回復費用保険の特約が付いた商品もあります。

なお、入居者の立場で孤独死などで遺族に負担をかけることをリスクに感じるなら、100万~500万円程度の死亡保険(終身保険や定期保険)に入っておくのも1つの方法です。ただし、生命保険の場合、多くは3年間の自殺免責があります。

■おひとり様ライフを楽しむために

2040年には4割の世帯が単独世帯になると予測されていて(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(2018年)」)、母数が増える分、孤独死も増えると予想されています。周囲でも孤独死が発生したという話が耳に入ります。部屋に緊急ボタンがついていても孤独死は発生します。

レポートは賃貸住宅に限られたデータで、持ち家の方の孤独死の傾向は含まれません。若い世代に多いという傾向の理由は、賃貸住宅限定であることも影響しているのではないかと推測します。自治体による65歳以上のおひとり様の見守りは浸透してきた印象がありますが、国レベルでは孤独死(政府の用語では「孤立死」)の定義も法律もないようです。コロナ禍もあり、本格的な対策をとるべきではないかと思います。

おひとり様を楽しく不安なく暮らすには自助努力も必要です。私自身、50歳を過ぎて1人暮らしをしていたときに、「倒れたら密室」という状態に恐怖を感じたことがあります。1人暮らしになったら、センサー付きのポットにして、動線センサーなどもつけたいと、本気で考えています。

バイタルデータが集約管理され、異常が発生したら緊急通報されるウエアラブル機器が開発されないかと願っています。そして何より、リアルでもSNSでも、積極的に人とつながることが大事ですね。

【参照】日本少額短期保険協会「第5回孤独死現状レポート」

【関連拙著】ひとり老後を快適に暮らす本」(共著)

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