2020年12月の住宅ローン金利は、変動金利もフラット35もほぼ動きなし。固定10年と全期間固定(35年)の一部が下げました。

*コラム内の住宅ローン金利は、一般団体信用生命保険(死亡・高度障害時)の保障コストを含む表示で統一しています。

■2020年12月の住宅ローン金利サマリー

今月の住宅ローン金利の全体的な傾向は、次の通りです。

・変動金利はほぼ動きなし

・固定10年は、一部が下げ

・フラット35の最多金利に変動なし

・全期間固定(35年)は一部下げ

今月は、auじぶん銀行とみずほ銀行の動きが気になりました。

■auじぶん銀行が新手の裏ワザ導入!?

今月の注目ポイントは、実際には2021年3月からの適用ですが、auじぶん銀行が打ち出した最大0.1%の優遇。auモバイル優遇割(0.07%)とじぶんでんき優遇割(0.03%)をダブルで適用すると、住宅ローンが▲0.1%になるというものです。

グループの囲い込み戦略でもあると思われますが、住宅ローンの金利競争に一石を投じる、新手の裏ワザ導入、という印象です。

最近は、熾烈化する金利競争から、金利+団信の競争になっていましたが、今後は、系列グループ内のサービスを活用した金利優遇が広がる予感。

■住宅ローンに関わる日銀の金融政策に変更なし

10月も、短期の政策金利(「無担保コールレート(オーバーナイト物)」)をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年国債の金利を0%程度にそれぞれ誘導する「イールドカーブコントロール(長短金利操作)」が維持される政策が取られました。

11月は日銀の金融政策決定会合はない月で、次は12月17日(木)、18日(金)に予定されています。

注:金融機関が独自に優遇金利を変更するなど、適用金利が変動する可能性はあります。

■長期金利の動きは?

参考まで、10年固定や全期間固定に影響する10年物国債の月末時点の利回りの推移は下記の通りでした。

<10年国債の利回り(月末時点)>

R2.3.31  0.031

R2.4.30  -0.036

R2.5.29  0.009

R2.6.30  0.042

R2.7.31  0.018

R2.8.31  0.056

R2.9.30  0.027

R2.10.30 0.041

R2.11.30 0.034

(財務省データより)

11月末は10月末に比べ、0.007%下がっています。

この影響もあり、10年固定と全期間固定(35年)では下げた商品もありました。

■「新規で借りる」住宅ローン

ここからは、実際の商品の金利を見ていきます。以下は、2020年12月現在の金利タイプごとに金利が低い注目商品をピックアップしたものです。

実際には、金利だけでなく、総返済額や団体信用生命保険(団信)など付帯サービスで比較して、最終的に選択するようにしましょう。団信とは、契約者が万が一、亡くなったり高度障害になったりした時に、残債を保険で支払ってもらえるものです。これに、就業不能時や、がんなど特定疾病に関する特約、自然災害時の特約、その他が付いている住宅ローンもあります。特約付きは無料と有料(金利上乗せ)があります。ミスリードを避けるため、金利のほか、保証料と事務手数料なども併記しています。

まずは変動金利ですが、ジャパンネット銀行が2019年7月末に参入以来、最低金利を維持し続けています。

<変動金利>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進給付金付き団信無料

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*商品はジャパンネット銀行のもの。

・auじぶん銀行「住宅ローン全期間引下げプラン変動」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障+入院保障団信無料

・SBIマネープラザ「ミスター住宅ローンREAL<通期引下げプラン>」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障団信無料

続いて10年固定ですが、数カ月前から、auじぶん銀行とジャパンネット銀行の最低金利競争が勃発。10月はauじぶん銀行、11月はジャパンネット銀行が最低金利でしたが、ついに限界がきたのか、2社が並びました。

<10年固定>

・auじぶん銀行「住宅ローン当初期間引下げプラン」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障団信無料

・ジャパンネット銀行「住宅ローン固定10年」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進給付金付き団信無料

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*商品はジャパンネット銀行のもの。

・SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL<当初引下げプラン>0.540%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障団信無料

全期間固定(35年)は、一部が下げました。うち、フラット35については、最多金利が変わらず。フラット35のうち、物件が所定の条件をクリアすれば、0.25%の金利優遇を10年間または5年間受けられるのが「フラット35S(Aプラン、Bプラン)」です。比較のために一般的な団信に加入した場合の金利表示で統一しています。

<全期間固定>(自己資金50%以上)

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット5S【自己資金50%以上】」0.830%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.18%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金40%以上)

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット6S【自己資金40%以上】」0.860%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.110%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金20%以上)

・住信SBIネット銀行「フラット35S(保証型)【自己資金20%以上】」0.900%(Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.15%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.21%、団信無料》*全疾病保障団信無料

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット8S【自己資金20%以上】」0.930%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.180%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金10%以上)

・住信SBIネット銀行「フラット35S(保証型)【自己資金10%以上】」0.960%(Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.210%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%、団信無料》*全疾病保障団信無料

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット9S【自己資金10%以上】」1.010%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.26%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

【参照】フラット35の金利表示に注意!

■借り換えるときの住宅ローン

借り換えをする場合の住宅ローンの金利も見ておきましょう。

まず、変動金利ですが、新規借り入れ同様、ジャパンネット銀行強し、です。

<変動金利>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン(借り換え)」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進給付金付き団信無料

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*商品はジャパンネット銀行のもの。

・auじぶん銀行「住宅ローン全期間引下げプラン(借り換え)」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障+入院保障団信無料

・SBIマネープラザ「ミスター住宅ローンREAL(借り換え)<通期引下げプラン>」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障無料

続いて10年固定。新規借り入れ同様、auじぶん銀行とジャパンネット銀行の最低金利バトルが繰り広げられています。交互に最低金利を奪回し合っていましたが、今月は並びました。

<10年固定>

・auじぶん銀行「住宅ローン当初期間引下げプラン(借り換え)固定10年」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障団信無料

・ジャパンネット銀行「住宅ローン(借り換え)固定10年」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進給付金付き団信無料

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン(借り換え)固定10年」0.530%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*商品はジャパンネット銀行のもの。

借り換えで全期間固定を利用する際には、住宅ローンの残存期間によって選ぶべき住宅ローンは異なります。ちなみに、借換えで利用できるフラット35もありますが、新規のときのような一定期間の金利優遇(「フラット35S」)はありません。

今月はみずほ銀行が金利を下げたことで、常陽銀行とのつばぜり合いに勝っています。

<全期間固定>(例:残存31~35年)

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(21~35年)1.050%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

<全期間固定>(例:残存26~30年)

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(26~30年)1.030%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

<全期間固定>(例:残存21~25年)

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(21~35年)1.010%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

・新生銀行「パワースマート住宅ローン(借り換え)全期間固定(21年~25年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=55,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

<全期間固定>(例:残存16~20年)

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(16~20年)0.980%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

・新生銀行「パワースマート住宅ローン(借り換え)全期間固定(21年~25年)」1.10%《保証料なし、事務手数料=55,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

借り換えの場合は、残っている期間と選ぶ金利タイプによって有利な商品が異なりますので、きちんと試算をして選択しましょう。

なお、借り換えは通常、現在借りている金融機関ではできないのですが、条件によっては同じ金融機関でより有利な金利の住宅ローンに借り換えることができる場合があります(要交渉)。

他の金融機関への借り換えだけでなく、今の金融機関での借り換え(条件変更)も候補として検討するといいでしょう。

■複数の商品で試算・比較を!

注目の住宅ローンとその金利を見てきましたが、紹介したのは金利面に重点を置いた商品です。金利だけでは住宅ローンを選ぶことはできません。最近は団信の保障内容も注目されるようになってきました。

また、金利を含む総返済額のほか、保証料や事務手数料、団体信用生命のコストも含めたトータルコストで比較することも重要。新規で借りる場合も、借り換えの場合も、複数を比較してより有利な商品を選ぶようにしましょう。

コロナ禍の影響が、今後、本格化する可能性があります。住宅ローンの見直しをはじめ、思い切った家計見直しなど、できることはやっておきたいものですね。

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【参照】

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