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今月の住宅ローン金利情報(2019年9月)フラット35の金利表示に注意

豊田眞弓永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師
(写真:アフロ)

今月から、住宅ローンの金利情報を月1本は書いていこうと思います。今月は中旬になってしまいましたが、当月の金利は1日に発表のところが多いので、できるだけ月初の更新を目指します。

■2019年9月の住宅ローン金利

今月の住宅ローン金利は、変動金利は前月からの動きはありませんでしたが、固定金利がさらにダウン。10年固定(固定金利期間選択型の期間10年)も一部の商品が金利を下げました。

住宅ローンは金利だけで比較するものではありませんが、金利タイプ別の最低金利を見てみましょう。

新規に借りる場合は、変動金利で0.415%、固定金利では、自己資金30%以上で0.96%(金利引き下げ期間は0.71%)、自己資金10%以上で1.06%(金利引き下げ期間は0.81%)と非常に低い金利です。10年固定は、当初10年間0.55%が最低金利です。

<最低金利(新規)>

変動金利:ジャパンネット銀行「住宅ローン」0.415%

固定金利(フラット35、自己資金30%以上):ARUHI「ARUHIスーパーフラット7S(金利Aプラン・Bプラン)[保証型]」0.71%(団信含む、Aプランは10年、Bプランは5年経過後は0.96%)

固定金利(フラット35、自己資金10%以上):ARUHI「ARUHIスーパーフラット9S(金利Aプラン・Bプラン)[保証型]」0.81%(団信含む、Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.06%)

固定金利(フラット35以外):みずほ銀行「みずほネット住宅ローン」1.105~1.53%

10年固定:りそな銀行「りそな住宅ローン(金利プラン当初型)融資手数料型」0.55%

借り換えの場合は、変動金利0.415%、固定金利で1.06%、10年固定は当初10年間0.55%が最低金利です。

<最低金利(借り換え)>

変動金利:ジャパンネット銀行「住宅ローン」0.415%

固定金利(フラット35):ARUHI「ARUHIスーパーフラット借換(保証型)」1.06%(団信含む)

固定金利(フラット35以外):みずほ銀行「みずほネット住宅ローン」1.105~1.53%

10年固定:りそな銀行「りそな借りかえローン WEB申込限定プラン(金利プラン当初型)」0.55%

■フラット35の金利表示に注意!

フラット35の金利は、現在、団体信用生命保険(借入者に万が一のことがあったときに保険金で残債を支払う保険)の保障コストを乗せた形での表示が前提になっていますが、一部では抜いた形で表示されていることもあります。団信込みの金利かどうか、比べる際には確認をしましょう。

また、フラット35には「買取型」と「保証型」があり、「買取型」は住宅金融支援機構がその債権を買い取って証券化して投資家に販売しているタイプで、「保証型」は借入者が返済できなくなった場合の保険を提供し、商品設計に自由度があるタイプです。保証型の中には、団信が外せるものと外せないものがあったりと、異なるものもあるので注意しましょう。

さらに、金利で見たときにわかりにくいのが、「フラット35S(金利Aタイプ・Bタイプ)」です。物件の性能が一定以上と認められ、適合証明が発行される場合、Aタイプで10年間、Bタイプで5年間、金利が▲0.25%の優遇を受けられます。この優遇分を引いた金利で表示されていることが多いので、その場合は、6年目ないしは11年目以降に金利が上がることも知っておきましょう。

■これから借りる人はどうする?

これから住宅ローンを借りる人は、どう考えたらいいでしょう。変動金利?固定金利?

現在、短期金利に影響する政策金利だけでなく、固定金利や10年固定のベースになる長期金利(10年物国債の利回り)も、金融政策の一環として日銀がコントロールの対象としているため、今後の住宅ローン金利は日銀の金融政策によります。

9月初めの日銀の黒田東彦総裁のインタビューでは、追加の金融緩和の可能性を述べていました。現在は、政策金利(短期)も長期金利もマイナスですが、「政策金利の深堀りを検討している。長期金利のコントロールは市場に任せたい」とのことでした。

マイナス金利の深堀りが行われれば、住宅ローンの変動金利の低下に直結します。長期金利は誘導目標を「0%程度」、変動幅を「±0.2%程度」まで容認する方針でコントロールされていますが、米国が政策金利の利下げを発表して以降はもう1段下がり、9月は▲0.2%台になっています。自然にマイナスが進むのであれば、やはり住宅ローンの固定金利の低下につながります。

つまり、住宅ローンの金利はしばらく低いままかさらなる低下の可能性もあり、変動金利、または固定金利でいいのではないでしょうか。

ただし、自己責任でご判断ください。

【参照】

FPラウンジ 住宅ローン金利情報

永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師

<生涯永続できる家計の実現を!> マネー誌・女性誌等のライター・コラムニストを経て、独立系FPへ。講演・研修、コラム執筆や監修、個人相談などを業務としている。ライフワークとして、子どもから高齢者まで幅広く金融経済教育に携わっている。亜細亜大学ほかで非常勤講師、子どもマネー総合研究会理事を務める。趣味は講談、投資、猫に添い寝。

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