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コロナ禍でも安心の有名レストラングループひらまつが高級食材フォアグラのフェアを行う理由

東龍グルメジャーナリスト
「アルジェント」のフォアグラのコンフィ/著者撮影

身近になってきたフォアグラ

フォアグラはトリュフやキャビアと並んで、世界三大珍味のひとつ。フランス語でFoie Grasと表記され、肥大化されたガチョウや鴨の肝臓を意味します。

高級なフランス料理ではよく用いられており、美食家などに愛されている食材。日本の食材である鮟肝に口当たりや味わいが似ているので、一度食べると好きになる方も多いのではないでしょうか。

そのフォアグラは、昔は10月から3月が旬とされていましたが、近代化された現在では通年にかけて良質なものが食べられるようになりました。最近ではファミリーレストランでも用いられるようになっているので、以前よりも身近な食材として感じられるようになっています。

フォアグラのイベント

フォアグラは昔に比べれば身近な存在になりましたが、高級食材であることに変わりはありません。そして、フォアグラを楽しむのであれば、やはりレストランが一番。

実は今、新鮮で良質なフォアグラを楽しむのにちょうどよいイベントがあります。

それは、いくつもの名店を運営するレストラングループ、ひらまつが2021年3月15日から5月31日にかけて行っている「旬野菜×フォアグラ」。

3つのテーマに沿った料理を各店舗で提供しています。

・Part 1 “個性”で楽しむ「旬野菜×フォアグラ」

3月15日~5月31日/全国のひらまつのホテル6施設、レストラン17店舗

・Part 2 “伝統”で楽しむ「旬野菜×フォアグラ」

3月20日~5月31日/全国のひらまつのレストラン5店舗

・Part 3 “革新”で楽しむ「HIRAMATSU POP SLIDER」

3月25日~4月6日/カフェ・ミケランジェロ 代官山

テーマは3つありますが、順番に行われるのではなく、それぞれが並行して行われているのが特徴的です。1店舗が1つのテーマに取り組みます。

フランスの名門「ルージェ」のフォアグラが用いられているので、本物のフォアグラのおいしさを堪能できるよい機会になるでしょう。

名店のひらまつとは

よく知っている人も多いかと思いますが、ひらまつについて紹介しておきましょう。

ひらまつは、日本のフランス料理の発展に大きく寄与してきたレストラングループ。全国でレストラン・カフェ27店舗、ホテル7施設を運営し、東証1部に上場する大企業です。

その始まりは、1982年4月西麻布にオープンした「ひらまつ亭」。2002年2月パリにある「レストランひらまつ サンルイ アンリル」がフランスのミシュランガイドで日本人のオーナーシェフで初めてとなる一つ星を獲得するという快挙を成し遂げます。

2002年9月丸の内にジャック&ローラン・プルセル氏がプロデュースする「サンス・エ・サヴール」、2007年6月代官山にフランス料理界の偉人ポール・ボキューズ氏による「メゾン ポール・ボキューズ」、2017年3月六本木に新気鋭のフィリップ・ミル氏の「フィリップ・ミル 東京」をオープン。フランス料理界の大物たちと提携し、日本で本物のフランス料理を体験できるようにしてきました。

2016年7月には、三重・賢島にスモールラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」を開業するなど、とても勢いがあります。

ひらまつが日本のフランス料理界を牽引してきたことがわかったところで、フォアグラのフェアを紹介していきましょう。

Part1 “個性”で楽しむ「旬野菜×フォアグラ」

最初のテーマは個性を楽しむフォアグラです。

全国各店のシェフが生産者とタッグを組み、美味しい旬野菜とフォアグラを使った自慢の一皿を提供しています。全23店舗それぞれのシェフが考案したメニューはすべて異なっているので、非常に個性豊かです。

「アルジェント」/著者撮影
「アルジェント」/著者撮影

個性溢れるフォアグラメニューの中でも特筆するべきなのが、2021年3月16日から5月16日まで提供されている銀座「アルジェント」の「フォアグラのコンフィ 焼き味噌のクランブル ビーツと赤紫蘇のピューレ メルカート千葉の畑より」。

焼き味噌のクランブルを土に見立て、メルカート千葉から届く20種類ものマイクロハーブや花を飾り、菜園風に仕上げています。

「フォアグラのコンフィ 焼き味噌のクランブル ビーツと赤紫蘇のピューレ メルカート千葉の畑より」/著者撮影
「フォアグラのコンフィ 焼き味噌のクランブル ビーツと赤紫蘇のピューレ メルカート千葉の畑より」/著者撮影

フォアグラはまるごとコンフィして、表面に炭をあててキャラメリゼし、赤紫蘇と味噌を合わせて日本人の舌に馴染むようにしています。グラスにのせられたビーツのラングドシャを割り、味噌のクランブルと共に砕き、混ぜ合わせてから食べると、全てが渾然一体となり、よりおいしく食べられるでしょう。

料理長を務める鈴木健太郎氏は「グラスの中はマイクロハーブを栽培しているハウスをイメージした。土台にはメルカート千葉からいただいた土を使用している」と、美しい見た目通り、ディテールにこだわっています。

「サラダ仕立てでさっぱりしているので、フォアグラが苦手な方でもおいしく召し上がっていただける」ということです。

フォアグラ料理にはアルコールペアリングやノンアルコールペアリングも用意されているので、合わせてみるとより楽しさが広がることでしょう。

Part2 “伝統”で楽しむ「旬野菜×フォアグラ」

次は伝統の旬野菜とフォアグラの料理。1982年のひらまつ創業以来、愛され続けてきたスペシャリテ「フォアグラのキャベツ包み」が復刻し、5つのレストランで堪能できます。

「レストランひらまつ レゼルヴ」/著者撮影
「レストランひらまつ レゼルヴ」/著者撮影

その中でも特別といえるのが、ひらまつの王道フレンチを継承する「レストランひらまつ レゼルヴ」。2021年3月21日から5月31日にかけて、2日前までの予約制で提供されています。

「フォアグラのキャベツ包み」/著者撮影
「フォアグラのキャベツ包み」/著者撮影

鴨のフォアグラのソテーに黒トリュフのスライスを挟み、春キャベツで包み込んでいるので、旨味と香りがたっぷり閉じ込められています。鴨の出汁、ポートワイン、マディラ酒、シェリー酒、トリュフジュースを使った濃厚なソースは、フォアグラとの相性が抜群。フォアグラ、黒トリュフ、キャベツが三位一体となった贅沢な一品であるといえるでしょう。

料理長の内木場寿知氏は「フォアグラのキャベツ包み」について「昨年6月頃から各レストランの料理長たちと勉強会を始めた。今年2月になって、ようやくこれだと納得できるものに仕上がった」と自信を覗かせます。

創業以来、40年もの歴史をもつ「フォアグラのキャベツ包み」の復刻にあたり、最も苦労したところを尋ねると「正解がないところ」と即答。「いかにおいしいものをつくり上げられるか」が、料理人の実力を映す鏡であるということです。

オーダーした客には、今回のためだけに製作されたリーフレットが贈呈されるので特別感もあります。

ひらまつの料理人たちの矜持である「フォアグラのキャベツ包み」は是非とも味わっておくべき料理ではないでしょうか。

Part3 “革新”で楽しむ「HIRAMATSU POP SLIDER」

最後は「Slider(スライダー)」と呼ばれるミニサイズのハンバーガー仕立てでフォアグラを楽しめるイベント。

「カフェ・ミケランジェロ」/店舗提供
「カフェ・ミケランジェロ」/店舗提供

代官山のランドマーク的存在となっている「カフェ・ミケランジェロ」だけで提供されています。期間は2021年3月25日から4月6日と短いので、希少性が高いです。

「HIRAMATSU POP SLIDER」のメニュー/店舗提供
「HIRAMATSU POP SLIDER」のメニュー/店舗提供

期間中は特別メニューだけが提供され、通常メニューは提供されないというほどのこだわりよう。スライダー5種類にサイドメニュー、ドリンクが提供され、テイクアウトも可能。5種類のスライダーは、前菜やメインディッシュ、デザートを表現しており、3つのスライダーをコース仕立てで楽しめるのが特徴です。

前菜

・リル仕立てのフォアグラテリーヌ

・ホロホロ鳥のスモーク 8種のスパイスソース

・フィッシュ&スプリング

メインディッシュ

・牛とフォアグラの炭火焼 ひらまつ伝統のソース

デザート

・フランボワーズペパン ア・ラ・クレーム

「リル仕立てのフォアグラテリーヌ」が仏アルザスの名店「オーベルジュ・ド・リル」の看板メニューであるフォアグラテリーヌをモチーフにし、「牛とフォアグラの炭火焼 ひらまつ伝統のソース」には「フォアグラのキャベツ包み」を思わせるソースが用いられています。このような、ひらまつらしい要素もファンには嬉しいところでしょう。

フォアグラをテーマにした背景

フォアグラをテーマにした3種類ものイベントを紹介してきましたが、どれも食欲がそそられるものばかり。全国のレストランとホテルをあげて「旬野菜×フォアグラ」が行われているのは、どのような背景があったのでしょうか。

広報を務める小坂知美氏は「今年は40周年を迎える節目なので、会社としても新たな気持ちで出発したいと考えた。全社で横断的なプロジェクトが発足し、昨年11月から企画を練り始め、2月頃にメニューが固まった。全店舗でフェアを行うのは創業してから初めてのことなので期待していただきたい」と力を込めます。

フォアグラをテーマにしたのはなぜでしょうか。

「フォアグラはフランスの美食を代表する食材。身近にはなってきているが、本当においしいフォアグラ料理を改めて知っていただけたら」

Part1からPart3が決まった理由

Part1からPart3が決まった背景については、このように説明します。

「全国にいるシェフたちは、地元の生産者と深いつながりをもっている。そのシェフたちの豊かな個性が、料理を通して伝わればと考えた。そのため、同じテーマを設けて個性で楽しむフォアグラというテーマが決まった」

次に決定したのが、ひらまつのシグネチャーディッシュである「フォアグラのキャベツ包み」。そして最後に、より気軽に食べてもらいたいということからスライダーが決まったということです。

フォアグラだけではなく、旬野菜もテーマに据えられている理由については、次のように答えます。

「生産者とのつながりを大切にしたいという想いがあった。コロナ禍で以前と同じように仕入れることができない時期があった。野菜をふんだんに用いたメニューを提供することで、生産者の助けにもなれば嬉しい」

Hiramatsuスタンダードで安心を

ひらまつは、新型コロナウイルスの感染予防対策として、「衛生管理」「ソーシャルディスタンス」「換気」という3つの視点から、独自の安全基準「Hiramatsuスタンダード」を制定し、各店舗で遵守しています。

フォアグラは様々な食材に合い、色々な料理に調理することができます。「Hiramatsuスタンダード」のもと、ひらまつのレストランで安心して食事し、魅力的なフォアグラ料理を通してフランス料理の奥深さを今一度知ってもらえたら幸いです。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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