2020年に大反響のあったコロナ禍の飲食店の記事トップ5 国や自治体の施策はどうだったのか?

(写真:Paylessimages/イメージマート)

コロナ禍における飲食店の記事

昨年2020年は新型コロナウイルスの感染が、飲食店やホテルに甚大な被害を与えた一年でした。年が明けて2021年になりましたが、新型コロナウイルスはさらに猛威をふるっており、感染がいつ収束するのか、まだ先が見えません。

そういった状況の中で、改めて2020年に新型コロナウイルスがどのように食の業界に影響を与えたのか、記事を通して振り返ってみたいと思います。

2020年に公開した記事の中で、PV(ページビュー)をもとにし、TwitterやFacebookなどでの反応も加味したランキングを選出しました。

それぞれの記事を紹介しながら、昨年のコロナ禍における飲食店を振り返ってみましょう。

5位/新しいブッフェのスタイル

最初に紹介する第5位は「新しい生活様式」に適応したホテルのブッフェです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相が4月7日に発令した緊急事態宣言が、2020年5月25日に日本全国の都道府県で解除。

多くの飲食店が営業を始めましたが、ホテルのレストランやバーは再開に時間を要しました。中でもホテルのドル箱コンテンツであり、人気となっているブッフェは「ダイヤモンド・プリンセス」のイメージもあって、再開するまでに時間がかかったのです。

ブッフェで危惧されていることは主に、同じトングを使うことによる感染、および、飛沫感染。ただ、補足しておくと、食べ物から感染したという例はまだありません。

こういった懸念や不安を払拭するべく、「新しい生活様式」に対応した新しいブッフェが続々と開始されたので、詳しく紹介しました。

また、デザートブッフェの先駆けであり、行列店であるヒルトン東京「マーブルラウンジ」が「お持ち帰り」を早くから始めた記事も大きな反響がありました。

コロナ禍におけるブッフェは、決して復調したとはいえません。ブッフェは日本で独自の進化を遂げた食のスタイルであり、世界的にみても非常にクオリティが高いです。

2021年には、完全に元通りというのは難しいとしても、少しでも客足が戻っていることを願っています。

4位/テイクアウト&デリバリー

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、飲食店は、緊急事態宣言の時に店内飲食を休止したり、営業時間短縮要請時に店内飲食を短縮営業したりしました。

売上の減少を少しでも補うために、数多くのホテルや飲食店がテイクアウトやデリバリーを新しく始めています。

その中でも、特に注目したいホテルや飲食店、商品を紹介したのが、この記事です。

ここで紹介された商品の共通項は、これまでのイメージを覆す着眼点であり、意外性。アフタヌーンティーからパフェ、スイーツやパン、そしてデリバリーとケータリングの間となるセットと、非常に興味深い商品ばかりでした。

飲食店はしばらくの間、店内飲食に加えて、テイクアウトやデリバリーも併用していかなければなりません。ここで紹介したどれもが、よい参考になるのではと思います。

3位/飲食店の閉店

コロナ禍の中にあって、外食ムードがだいぶ低下しました。

飲食店はただでさえ、営業利益率が10%もあれば優良であるとされる、薄利多売の厳しい業種。緊急事態宣言があった4月以降の落ち込み具合を考えてみれば、閉店してしまう飲食店が続出しても驚きはありません。

実際のところ、東京でいえば、ミシュランガイドで星を獲得したクラシックなフレンチやモダンイタリアンが閉店したり、都下の老舗がクローズしたりしています。

売上が激減して経営的に厳しくなった飲食店がたくさん閉店していますが、閉店することが決まってから、残念がって訪れる人が少なくありません。

こういった事態を見聞きする度に、いつも複雑な思いに駆られるので、それがなぜなのかを記事にしました。

大好きであったり、これからも残っていてもらいたかったりする飲食店があれば、潰れないようにするためにも、記事で触れていることを是非とも行ってもらいたいです。

2位/「Go To イート」への疑義

2位は国の施策に対して疑義を呈した記事です。

新型コロナウイルスが猛威をふるう中で、経済を再生させるために国を挙げて「Go To キャンペーン」が進められました。経済的にそれなりの効果を上げましたが、感染拡大の原因として指摘されたために、現在は中止されています。

この「Go To キャンペーン」において、第1弾となったのが「Go To トラベル(Travel)」。観光業界を救うために国土交通省観光庁が主導して2020年7月22日から実施されました。

その後に飲食店を救うために農林水産省が主導し、10月1日から各自治体で順次実施されたのが「Go To イート(Eat)」。具体的な施策は食事券とオンライン飲食予約の2つでした。予算は当初、共に767億円となっていましたが、途中で急に修正され、食事券が868億円、オンライン飲食予約が616億円になりました。

「Go To イート」は飲食店を救う施策ですが、残念ながら、その内容を鑑みると飲食店ファーストになっているようには、あまり思えません。

そのため、国は現場で叫ばれている飲食店の声をもっと聞くべきであると主張しているのが、記事の主旨です。

1位/コロナ初期から飲食店は大打撃

2020年の新型コロナウイルス関連で最も影響があった記事はこちら。

新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた3月のことです。訪日外国人が激減し、日本人客も外食を控えていたので、経営が窮地に陥った飲食店が続出。

オーナーシェフや料理人、広報や食通の方から、状況を見聞きして、飲食店の厳しい状況を知っていました。しかし、飲食店の状況は世間的にはあまり認識されておらず、国や自治体の対応も遅くて効果的ではなかったので、非常にもどかしく思っていた次第です。

記事中では、積極的には難しいとしても、消極的にでも飲食店を利用してもらえれば、飲食店は非常に助かると述べました。

また同じ時期に、ミシュランガイド三つ星「HAJIME」オーナーシェフ米田肇氏が中心となり、国に訴えかけたことも注目するべき事象です。

クラスターとなるような会食や新年会は控えるべきだと思います。しかし、訪問日時や人数を調整し、感染拡大の防止に気を付けながら、少しは飲食店に訪れていただけたら幸いです。

飲食店の現状を把握していない

2020年に書いた記事の半分近くは、コロナ禍における飲食店についてでした。飲食店を微力ながら支援できるようにと、飲食店の厳しい現実や頑張る様子を伝えたり、国や自治体の施策を指摘したりしてきました。

ただ残念ながら、年が明けた2021年でも、飲食店が置かれた環境はまだ変わりません。厳しい状況は続いています。

そしてやはり、最も問題と思うのは、国や自治体が飲食店の現状を把握していないということです。

飲食店は3つの種別に分けて対応するべき

飲食店といっても日本全国に約45.4万店もあります。これを十把一絡げにして対応しているのが大きな問題であるように思うのです。

全ての飲食店に同じ施策を適応するのは、現状に即していません。

ガールズバーや居酒屋から、ファインダイニングやホテルのメインダイニングなど、飲食店によって性格が全く異なっています。それにもかかわらず、全ての飲食店を同じように扱い、融通の利かない施策をとっているのはどうなのでしょうか。

最低でも、<料理を味わう飲食店>、<お酒を楽しむ飲食店>、<スタッフの接待を期待する飲食店>に分けてしっかりと議論し、施策を行うべきです。

国や自治体は真摯に個店の声を聞くべき

国や自治体には、飲食店、それも特に個人事業主が経営する個店のオーナーから、よく話を聞いてもらいたいです。

そうすれば、飲食店の現状が肌身に感じられたり、その声が心の奥深くにまで響き渡ったりします。その結果、施策がより現実的かつ効果的なものとなり、日本が誇る食を守ることができるはずです。

2021年は、飲食店に対する新型コロナウイルスの施策が、より適切かつ迅速に、そして誠実かつ効果的になることを、心から願っています。