ホタルは何度になったら飛ぶ? ホタル観賞とご馳走を楽しめる場所は?

ホテル椿山荘東京提供

ホタルの時期

夏の風物詩といえば何を思い浮かべますか。

素麺、冷やし中華、かき氷、スイカ、ビアガーデンといった食にまつわるものから、海水浴や花火といった行事、金魚、カブトムシ、セミ、ホタル、トンボといった生物、浴衣、風鈴、蚊取り線香など、たくさんのものが挙げられます。

特にこの時期に注目したい風物詩といえば、その幻想的な光が人々の心を惹きつけ、日本最古の歌集「万葉集」にも登場するホタルではないでしょうか。

その理由は、日本人にとって最も馴染み深いゲンジボタルが、この6月に本格的に羽化するからです。

ホテル椿山荘東京がホタル観賞の名所

ホタルは水がきれいな里山で生息しているので、基本的に東京都内を始めとする都市部で見ることは難しいでしょう。

しかし、東京のような大都市でも、ホタルを観賞できるスポットは存在します。

板橋区ホタル生態環境館、世田谷代官屋敷、元渕江公園・足立区生物園、福生市のほたる公園、上谷戸親水公園、よみうりランドなどでホタルを見ることができるのです。

そして、東京都内のいくつかあるホタル観賞スポットの中でも最大規模を誇るのが、ホタルの飼育にも力を入れているホテル椿山荘東京。

ホタルの羽化数

日本庭園にいるホタル/ホテル椿山荘東京提供
日本庭園にいるホタル/ホテル椿山荘東京提供

ホテル椿山荘東京は都内で広大な庭園を擁し、8000匹から10000匹ものホタルがいるのです。

庭園内と自社施設で飼育した約10000匹にものぼるゲンジボタルの幼虫が庭園の沢に放流されています。

自然界では羽化率が約1%とされていますが、ホテル椿山荘東京の衛生面や給餌が安定している人工飼育下では約80%という高い羽化率を実現しているため、庭園内で羽化するゲンジボタルは約8000匹にも上ります。

野尻湖の飼育施設で羽化した成虫の放流も含めると、6月下旬から7月にかけては約10000匹のホタルが羽化していることになり、多い時で1日約500匹から600匹が出現するのです。

ホテル椿山荘東京の努力

のべ10000匹ものホタルが羽化しているのは驚くべきことですが、ここまで至るのにどういった経緯があったのでしょうか。

1954年にホテル椿山荘東京を運営する藤田観光創業者の小川栄一氏が「東京の子供にホタルを見せたい」という想いから、「ほたるの夕べ」を開催したのがきっかけでした。

そこから時は流れ、2000年に本格的な取り組みを行うこととなります。ゲンジボタルが産卵から飛翔まで生息できる環境を作るために、専門家の指導のもとで、庭園内の地下から流出する湧水の水質や水量を改善してきたのです。

そして現在では、産卵から終齢幼虫までの人工飼育を庭園内や飼育施設で行い、毎年冬に幼虫を放流するに至っています。

ホタル飛翔500度説

ホテル椿山荘東京は重要な試みも行っており、「ホタル飛翔500度説」を唱えています。

ソメイヨシノが散る4月の雨の夜に、ホタルの幼虫は上陸して土に潜り、さなぎになります。その初上陸の翌日から1日の平均気温(1時から24時まで各0分時の平均気温)を毎日加算していき、合計が500度に達した時にホタルが羽化するというのが、「ホタル飛翔500度説」です。

研究者の間でも真偽が定かではない説でしたが、2010年からこの仮説の検証に取り組んでいきました。

ここ最近の検証結果は以下の通りです。

  • 2014年:上陸4月18日/初飛翔確認5月18日(5月17日までの積算気温521.0度)
  • 2015年:上陸4月13日/初飛翔確認5月16日(5月15日までの積算気温626.0度)
  • 2016年:上陸4月8日/初飛翔確認5月10日(5月9日までの積算気温568.0度)
  • 2017年:上陸4月7日/初飛翔確認5月13日(5月12日までの積算気温610.0度)
  • 2018年:上陸4月7日/初飛翔確認5月11日(5月10日までの積算気温588.0度)
  • 2019年:上陸4月9日/初飛翔確認5月19日(5月18日までの積算気温689度)
出典:ホテル椿山荘東京

2014年は前日積算温度が521度になった5月18日に初飛翔を観測し概ね実証成功し、2015年は626度になった5月16日に初飛翔を観測して大きく外しました。2016年は568度になった5月10日に初飛翔を観測してほぼ実証通りとなり、2017年から2019年は外れる結果となっています。

実証通りになったりならなかったりしていますが、この仮説は毎年検証され、公式サイトなどで周知されていることから、ホタルについての熱量が伝わってくることでしょう。

「ほたるの夕べディナーブッフェ」開催

ブッフェのイメージ/ホテル椿山荘東京提供
ブッフェのイメージ/ホテル椿山荘東京提供

ホタルに力を入れているホテル椿山荘東京では「Firefly Fantasy」と題して、ホタルを楽しむためのイベントが開催されています。

中でも2019年5月17日から7月7日にかけて行われる毎年定番の「ほたるの夕べディナーブッフェ 2019~記憶に残る、特別な日~」が人気です。

和食、洋食、中国料理からデザートまで、40種類以上が用意されており、さらには、白ワインや赤ワイン、ビール、ウィスキーやソフトドリンクまでもが自由に味わえます。

ホタル観賞と美食ブッフェを組み合わせた、他にはない食のイベントになっているといってよいでしょう。

注目の料理

カレー/ホテル椿山荘東京提供
カレー/ホテル椿山荘東京提供

今年2019年の特徴は、本格的な中国料理とシェフこだわりのカレーが新たに追加されたことです。どちらとも老若男女を問わず、人気のメニューであることから新しく提供されるようになりました。

中国料理では自家製チャーシューなどの前菜、フカヒレ餃子、黒豚焼売といった点心から杏仁豆腐や胡麻団子まで用意されています。

日本では国民食となっているほど人気のカレーは、ホテル特製ポークカレー、シーフードインドカレー、ホワイトチキンカレー、子供用の甘口カレーと4種類もあるので、食べ比べて楽しむこともできるでしょう。

サーロインのローストビーフ/著者撮影
サーロインのローストビーフ/著者撮影

サーロインのローストビーフはホテル椿山荘東京のシグネチャーで、入荷した肉の状態を見極め、温度管理をしっかりして旨みを逃さぬように時間をかけて焼いています。

パイナップルのフランベ/著者撮影
パイナップルのフランベ/著者撮影

デザートも充実しており、炎の演出が迫力のパイナップルのフランベや、5種のアイスクリームをベースにして自分で作れるパフェステーションなど、見ても食べても楽しめるデザートが体験できるのです。

背景

「ほたるの夕べディナーブッフェ」はいつどのようにして始められたのでしょうか。

ディナーブッフェという形でいつから始まったのかは、定かではないようです。しかし、約50年前には、初夏の風物詩であるホタル観賞とともに食事を楽しむイベントが開始されたといいます。

これだけ長い歴史を経てきたホタル観賞ディナーなので、今後も引き続き行われるということです。

四季を感じられるホテル椿山荘東京

ホテル椿山荘東京の日本庭園/著者撮影
ホテル椿山荘東京の日本庭園/著者撮影

ホテル椿山荘東京の庭園内では、四季折々の自然の彩りを見ることができ、夏はホタル、秋は紅葉、冬は椿、春は桜と、日本人の愛する美しい情景を観賞することができます。

ホタルが発光するのはオスがメスにアピールするためですが、この幻想的な光はホタルのメスだけではなく多くの人々をも魅了しており、これに伝統のあるホテル椿山荘東京の豪華な料理が用意されたブッフェまで楽しめるとあれば、ひと夏の思い出ではなく、大切な人との一生の記念になるのではないでしょうか。