食と芸術の融合。「誰も食べたことがない寿司」「乳白色の肌をイメージしたスープ」とは?

蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

ホテルのコラボレーション

これまでにホテルのレストランにおけるコラボレーションをたくさん紹介してきました。

中でも多いのは、海外の有名ホテルやレストランと提携するイベントです。海外からシェフひとりやシェフも含めたチームが来日して、腕を振るいます。来日したシェフが全てのメニューを考案することもあれば、ホスト側のホテルのシェフと一緒にコースを紡ぎ出すこともあります。

料理人ではなく、ワインメーカーとコラボレーションすることも非常に多いです。これは町場でもよく行われています。コラボレーションするワインメーカーのワインがコースにペアリングされており、最初から最後まで料理に合わせられていたり、普段はボトルでしか提供されていないワインがグラスで飲めたりするのです。

アートとのコラボレーション

料理人やワインではなく、アートとコラボレーションする試みもあります。

例えば、<日本料理と書はどのように融合したのか? 世界で注目されている書家が器に描いた15の書>では、パーク ハイアット 東京で行われている食と芸術を融合させた「マスターズ オブ アーツ(The Masters of Arts)」シリーズにおいて、「梢」料理長 大江憲一郎氏と書家 中塚翠涛氏がコラボレーションした「書と料理」を紹介しました。

一流の日本料理人と世界的な書家のコラボレーションは非常に稀有ですが、実はホテルではアートをテーマにすることは多いです。特に美術館とコラボレーションすることは珍しくありません。

<3つのキーワードからたぐる真夏でも食べたくなるホテルのフレンチ2017年>でも紹介したコンラッド東京「コラージュ」では大エルミタージュ美術館や国立西洋美術館などとコラボレーションしたことがあり、そして今現在も、シェフ・ド・キュイジーヌの松永晋太郎氏が生み出したルーヴル美術館をテーマとしたメニューを2018年5月30日から9月3日にかけて提供しています。

ザ・リッツ・カールトン東京「アジュール フォーティーファイブ」でも2018年5月30日から9月3日にかけて、ミシュランシェフである料理長の宮崎慎太郎氏がルーヴル美術館とコラボレーションしたコースを作り上げているのです。

また、食とは関係ありませんが、文化や芸術の後援に尽力するホテルオークラ東京ではよく展覧会が開催されていますし、京王プラザホテルの本館3階には小さな美術館を標榜する「ロビーギャラリー」があります。

このようにホテルは美術館と縁が深いのです。

そして今、美術館とではなく、興味深いアートと食のコラボレーションを行っているホテルのレストランがあります。

世界的なファッションデザイナー

お造り 中トロ 伊佐木 鱧湯引き/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影
お造り 中トロ 伊佐木 鱧湯引き/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

コシノヒロコ氏といえば、日本が誇る世界的なファッションデザイナーで、ファッションに疎い私のような人間でさえも、名前くらいは知っているでしょう。

実はこのコシノ氏が監修した寿司会席を、コシノ氏がデザインした器を用いて提供しているフェアがあります。それは、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町「蒼天」で2018年6月29日から9月30日にかけて行われている「SUSHI KAISEKI “墨の瞬(すみのとき)”」です。

このフェアは「誰も食べたことがない寿司」「アートのような食体験」がテーマにされており、墨にとてもこだわっています。エントランスに釣り下げられた暖簾、壁に掛けられた絵、ナプキン、コースターの全てが「墨の瞬」のためだけに作られた装飾品となっており、ナプキンとコースターは持ち帰ることができるのです。

コシノ氏のような世界的なファッションデザイナーが食のフェアを監修することは珍しいですが、それに加えて、コシノ氏がデザインした器を用いたり、店内の装飾品や小物がこのフェアのためだけにコシノ氏がデザインしたりと、料理以外も特別仕様になっているのが他にはない特徴であると言えるでしょう。

コース内容

では、コシノ氏が監修した寿司会席のコースは、どういったものでしょうか。ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町「蒼天」寿司料理長の山田哲也氏が遊び心を加えて生み出した意欲的な寿司会席となっています。

お造り 中トロ 伊佐木 鱧湯引き

栄螺壺焼きプロバンス風

握り寿司 塩添え

茄子釜の油淋鶏

最中寿司

竹皮寿司

デザート 抹茶エスプーマとマンゴーのタンバル仕立て

  • コーヒー

各メニューにはモチーフにされている漢字一文字が用いられており、創造的な料理が提供されています。

「お造り 中トロ 伊佐木 鱧湯引き」「握り寿司 塩添え」「竹皮寿司」は日本料理ですが山田氏の再解釈が加えられており、少し驚かされる料理となっています。「最中寿司」は日本料理に思えますが、あまり想像できませんし、「栄螺壺焼きプロバンス風」「茄子釜の油淋鶏」は明らかに日本料理ではありません。

ペアリングセットも用意されており、シャンパンを含む銘醸酒などの7種、バーボンを含む8種、レミーマルタン・ルイ13世を含む贅沢な9種と柔軟性とバリエーションに富んでいるのも注目です。

フランスではフランス料理に日本酒のペアリングが流行するなどしていますが、寿司会席に様々なお酒を合わせてみるのも面白いでしょう。

メニューの詳細

栄螺壺焼きプロバンス風/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影
栄螺壺焼きプロバンス風/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

それぞれのメニューの詳細は次の通りです。

「お造り 中トロ 伊佐木 鱧湯引き」には、水の流れをイメージし、墨の濃淡を表現した器が使われています。その濃淡に合わせて、同じマグロでも赤身、中トロ、大トロと色合いを変えているところが風流です。

「栄螺壺焼きプロバンス風」は和洋折衷を意識した一品で、バターと生クリームが使われていることからも分かるように、日本料理ではありません。山田氏曰く「エスカルゴのバター焼きをイメージした」ということす。

「握り寿司 塩添え」は、アジとイカと和匙が平行に並べられた、風景画のように印象的な一皿。アジにはソイソルト、イカには藻塩をかけていただきます。今回のフェアで最初に決定した貴重な一品です。

「茄子釜の油淋鶏」は金色が入った煌めくプレートが使われており、茄子を釜に見立てて、その上に品のよい油淋鶏を載せています。コシノ氏のアドバイスに従って、色合いをシンプルに抑えました。

「最中寿司」は最中で寿司を包み込んだ意欲的な寿司です。山田氏は「日本の伝統である最中と寿司を融合した」と話し、ハート型に可愛らしく仕上げています。コシノ氏が「最中はあんのように、ねっとりとしたものが合う」と述べたことから、寿司のネタにはねっとりとしたものが選ばれています。

「竹皮寿司」は、おむすびをイメージした一品。「開ける楽しみがある。開けるサプライズがあるものを」というコシノ氏が提案したテーマに対して、山田氏は竹皮で寿司を包んで開ける楽しみを作り出しました。

企画のきっかけ

握り寿司 塩添え/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影
握り寿司 塩添え/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

世界的なコシノ氏が食のコラボレーションを行うのは非常に貴重なことですが、実現に至った背景は何でしょうか。

実はコシノ氏が山田氏の寿司をよく食べに訪れていたことから、二人はもともと知人でした。

ある時、山田氏が器の展示会に足を運び、たまたま手に取った器が素晴らしいと感動し、デザイナーを確認したところ、コシノ氏の作品であることが判明しました。そして、山田氏が、コシノ氏の器を用いたプロモーションが何かできないかと、2017年10月にコシノ氏に提案したことがきっかけだったのです。

この時の器こそが、石川県にある有名テーブルウェアメーカーのニッコーから2017年5月15日に販売された「墨の瞬」シリーズでした。これは「いかにお料理を盛るか、シェフがインスパイアされるようなおもしろい器」をコンセプトにした新しいタイプのテーブルウェアです。

西洋と東洋の融合

最中寿司/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影
最中寿司/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

コラボレーションに至った理由は、こういった驚きの出会いだけではありません。コシノ氏のアイデンティティである「東洋と西洋を融合させた美しさ」が、「West meets East」「西洋のハードに日本の心を」をコンセプトにするザ・プリンスギャラリーというブランドにぴったり合ったことも、大きな理由となっています。

コシノ氏の器を使うことから発展し、コシノ氏が料理を監修したり、コシノ氏が墨をテーマにした特別な装飾品も新たにデザインしたりするなど、細部まで作り込みました。2018年4月になってようやく形ができあがり、2018年5月末にメニューが完成するに至ったのです。

企画が実現するまでに時間を要しましたが、その間に、世界的な陶磁器の業界誌「テーブルウェア インターナショナル」によって第1回「テーブルウェアインターナショナル・アワード・オブ・エクセレンス 2018」が開催されました。

そこで、「墨の瞬」が「Licensed Collaboration Category 部門」で世界1位に選ばれたので、フェアに弾みをつけることになったのではないでしょうか。

日本人の身近にある

竹皮寿司/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影
竹皮寿司/蒼天@ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町/著者撮影

「墨の瞬」は他にはない「アートと寿司」のコラボレーションを体現したフェアですが、苦労したメニューはあったのでしょうか。

山田氏が「最後の2品は非常に苦労した。マーケティングチームにも知恵を借りて、何とかして創り上げた」と述べますが、「最中寿司」「竹皮寿司」は「誰も食べたことがない寿司」というテーマが掲げられているだけに、とてもプレッシャーは高そうです。

広報の高木聖香氏は「日本の暮らしをヒントに新しいスタイルの寿司も用意しているので、食べるだけではなく、目で見ても楽しめる会席」と「墨の瞬」を表しますが、「おすみつき」という言葉があったり、軟膏や城壁に使用されていたりするように、墨は昔から日本人の身近にあったものです。

墨をテーマにした器は日本人の感性に合致し、日本料理と相性がよいのは当然のことであり、これまで墨をテーマとした日本料理のフェアが行われていなかったのが不思議であるほどです。

「墨の瞬」を通して、日本人が改めて墨の美しさに気付くのではないでしょうか。

フランスで有名な日本人画家

コルクアート/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影
コルクアート/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影

<「嬉野茶時」「パリで活躍する日本人シェフ」「こぶ黒」。日本の食文化を育む3ホテルのフェア>でも紹介したように最近では日本の料理人がフランスで頭角を現しており、有名店のシェフやスーシェフが日本人であったり、フランスでミシュランガイドの星を獲得する日本人が増えたりしてきました。

フランスの料理界で日本人の存在感は増していますが、フランスで有名な芸術家といえば誰を挙げるでしょうか。

多くの人は、今年2018年で没後50年となる、レオナール・フジタ(藤田嗣治)を挙げるのではないかと思います。

フジタはフランスで人生の大半を過ごした画家で、パブロ・ピカソとも交友があり、多くの功績から、1925年にはフランスの最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章を授けられました。今年は、フジタがスイスのチューリヒで逝去してから50年の節目ということもあり、クローズアップされています。

そして、帝国ホテル 東京「ラ ブラスリー」では2018年8月1日から9月12日にかけて東京都美術館による「没後50年 藤田嗣治展」のタイアップ企画として、シェフの八坂繁之氏が想いを込めて生み出した 「嗣治とレオナール」フェアが行われているのです。

フジタの作品が掲げられていたり、フジタの顔を模したコルクアートが飾られていたりと、このフェアには非常に力が入れられています。

生い立ちをコースに

鮪の赤ワインマリネ 赤ピーマンとトマトのコンフィ レフォール風味のクリーム/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影
鮪の赤ワインマリネ 赤ピーマンとトマトのコンフィ レフォール風味のクリーム/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影

コース内容は以下の通りです。

  • 熊本での少年期

アミューズ・ブーシュ:きびなごとタプナードのタルティーヌ

  • 日本からフランスへ

鮪の赤ワインマリネ 赤ピーマンとトマトのコンフィ レフォール風味のクリーム

  • エコール・ド・パリとツグジの乳白色

冷たい桃のスープと鴨風味の冷製コンソメ

  • 世界人としての日本での活動

バルサミコビネガーをラッケした穴子のポワレ さまざまな貝のヒュメ

  • 日本人からフランス人へ “Au Cafe”

和牛ステーキ・アッシェとフォワグラのポワレ マスタードソースとポテトを添えて

  • シャンパーニュ バラとカトリック

バラの風味をつけたムースをライチのジュレに重ねて シャンパーニュのグラニテと共に

メニュー名を見て分かるように、前菜からフジタの生い立ちを追っていき、人生における節目の様子をイメージした料理が作られています。最後のデザートまで対象となっているのはかなりのこだわりでしょう。

メニューの詳細

冷たい桃のスープと鴨風味の冷製コンソメ/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影
冷たい桃のスープと鴨風味の冷製コンソメ/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影

各メニューには八坂氏の想いが込められています。

「アミューズ・ブーシュ:きびなごとタプナードのタルティーヌ」はフジタが生まれた熊本でよく食べられているキビナゴを使った一品です。オリーブとアンチョビでアクセントを付けたオーソドックなタルティーヌのようでいて、きびなごが使われているのがポイントでしょう。

「鮪の赤ワインマリネ 赤ピーマンとトマトのコンフィ レフォール風味のクリーム」は、フジタが日本からフランスへと渡った頃をイメージしています。フランスへ渡ったばかりなので日本が恋しく、マルシェでマグロを見たり、ワサビの代わりにレフォールを使ったりして、日本を懐かしんだのではないかと八坂氏が想像して作りました。

「冷たい桃のスープと鴨風味の冷製コンソメ」はフランスでの活動が認められ、サロン・ドートンヌで絶賛を博した時代です。フジタの代名詞ともいえる「乳白色の肌」を穏やかな甘味が感じられる桃の冷製スープで表現しています。底には冷製コンソメのジュレがあり、甘味と塩味のコントラストが心地よいです。

「バルサミコビネガーをラッケした穴子のポワレ さまざまな貝のヒュメ」はフジタの大きな転機をテーマにした一皿で「この時代に描かれた絵をイメージして一皿にすることなど、到底できなかった。代わりに日本人の一人として彼への畏敬の念をモノトーンの一皿として表現してみた」と八坂氏は話します。穴子を照り焼きにしてポワレし、様々な貝の食感と風味を楽しめるようになっています。

「和牛ステーキ・アッシェとフォワグラのポワレ マスタードソースとポテトを添えて」はフジタの代表作である「カフェ」からイメージし、カフェのマーブル模様の上が最も似合うステーキ アッシェをおしゃれに昇華させました。マスタードソースが効いており、ステーキ・アッシェに躍動感を与えています。フォアグラの重厚感とマスタードソースがよく合い、ポテトがサクサクとして小気味いいです。

最後の「バラの風味をつけたムースをライチのジュレに重ねて シャンパーニュのグラニテと共に」は1957年にシャンパーニュメゾン「G.H. Mumm」の依頼を受けて完成した「バラ」をイメージ。バラの香りがする軽やかなムースに、ほのかにエキゾチックな風合いのあるライチのジュレが華やかです。

背景

バルサミコビネガーをラッケした穴子のポワレ さまざまな貝のヒュメ/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影
バルサミコビネガーをラッケした穴子のポワレ さまざまな貝のヒュメ/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影

フジタの生い立ちをなぞった非常に奥行きのある料理ばかりですが、どのようにしてフェア開催に至ったのでしょうか。

八坂氏は2002年から2005年にかけてパリの日本政府代表部大使公邸に出向しており、現地のレストランでも研鑽を積んでいました。「通勤途中に美術館があり、ある時レオナール フジタ展が行われた。その時、ランスにフジタ礼拝堂があることなども知り、こんなにもフランスで尊敬されている日本人がいたのかと非常に誇らしい気持ちがした」と述懐し、それ以来フジタに大きな関心を寄せるようになったといいます。

そこから月日は流れ、2014年に八坂氏が「ラ ブラスリー」料理長に就任し、意欲的にフェアを行ってきました。そして、これからはアートにも力を入れていこうとなり、2017年春には国立新美術館で開催される「ミュシャ展」と提携したコレボレーションが開催されたのです。

八坂氏が、今度は是非ともレオナール フジタのフェアを行いたいと要望を述べていたところ、「没後50年 藤田嗣治展」を行う東京都美術館からちょうど打診があり、喜んで応じたということです。

まさに15年越しの想いが実ったということでしょう。

こだわり

和牛ステーキ・アッシェとフォワグラのポワレ マスタードソースとポテトを添えて/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影
和牛ステーキ・アッシェとフォワグラのポワレ マスタードソースとポテトを添えて/ラ ブラスリー@帝国ホテル 東京/著者撮影

八坂氏の想いが込められたフェアですが、フジタの生い立ちをイメージしたコースということで、創作が難しそうです。

どこが苦労したのかと尋ねると、「メニューはスムーズに考案できた。ただ、乳白色や戦争をイメージしたものも入れないといけないので、ここだけは思案した」と述べ、特にお勧めするメニューについては「おしゃれなパリらしさを表現したメインディッシュ」と「和牛ステーキ・アッシェ」を挙げます。

フジタが描く絵の魅力を訊くと「色使いに心が揺さぶられる。フジタの画風をイメージして、原色を用いず、全体を曇らせた」と料理の色彩にも影響を与えたとします。

ソムリエの伊藤靖彦氏が「当初予想したよりも、お客様が訪れている」と述べるように、八坂氏によるフジタへの尊敬と愛情が込められた料理に魅力が溢れているからこそ、多くのゲストが満足しているのではないでしょうか。

芸術と食のコレボレーション

芸術と食のコラボレーションはだいぶ増えてきましたが、それだけに差別化することがだんだんと難しくなっているように思います。

しかし、今回紹介したフェアのように、世界的な日本のファッションデザイナーが器や装飾品だけではなく料理まで監修して料理長と共に「食べたことがない寿司」会席を創作したり、フランスで最も有名な日本人画家の没後周年に十数年以上も前から関心を寄せる料理人が生い立ちに想像をめぐらせたフランス料理のコースを考え出したりすれば、より個性を際立たせることができます。

分かりにくい高尚なアートも、おいしい料理を通してアプローチすれば、より多くの人に理解されやすくなるのではないかと、芸術の秋、食欲の秋を前にして思うのです。