グランド ハイアット 東京「けやき坂」の鉄板焼はどこが新感覚なのか?

グランド ハイアット 東京「けやき坂」

進化する鉄板焼

鉄板焼は肉や魚介類、野菜を焼くだけの料理だと思っていませんか。

鉄板焼は高級な日本料理のジャンルとして認知されており、日本人にはもちろん、特に外国人から絶大な人気を誇るジャンルであるが故に、保守的であまり進化していないように思われていますが、実際にそんなことはありません。

「リニューアルを始めたザ・リッツ・カールトン東京、「ひのきざか」鉄板焼の妙味」でご紹介した特製 ガーリックフライドライスの調理や、「横濱ビーフと共に和牛をめぐる冒険、横浜より」でご紹介した和牛巡りや、「舞浜シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルが提供する低糖質の鉄板焼フルコースとは?」でご紹介した低糖質コースなど、新しいものがたくさん生み出されています。

こういった状況の中で、また新しい手法が編み出されました。

それは、「開運薬膳火鍋は日本の食文化となれるのか?」でもご紹介したグランド ハイアット 東京「けやき坂」の<新感覚鉄板焼>です。

<新感覚鉄板焼>とは、一体どういうものなのでしょうか。

前菜からデザートまで

鉄板焼でも一流シャンパーニュ「ビルカール サルモン エクストラ ブリュット」を提供
鉄板焼でも一流シャンパーニュ「ビルカール サルモン エクストラ ブリュット」を提供

マーケティング コミュニケーションズ アシスタント マネージャーの藤井三喜氏は「1月7日から3月31日までは鱈と白子のベネディクト、2月2日から3月31日までは黒毛和牛の焼きビーフシチューを、<新感覚鉄板焼>としてご提供している」と明快な答えを返しますが、鉄板焼レストランでエッグベネディクトやビーフシチューを提供しているのを聞いたことがないので、イメージできません。

グランド ハイアット 東京にはフランス料理を提供する「フレンチ キッチン」があるので、エッグベネディクトやビーフシチューがそこから提供されているかと訊くと「全てけやき坂の鉄板でお作りしている。そもそも、けやき坂は前菜からデザートまで全てを鉄板焼で完結させることをコンセプトにしている」と説明します。

テレビでも注目

そう言えば、けやき坂は昨年末あたりから、オリーブ牛やスーパーフードのフェアがテレビでもよく取り上げられるなどして、注目されています。

何か変化があったのかと尋ねると、「2014年10月に本多良信副料理長が料理長に就任し、少しずつメニューが新しくなっている」と、ここ最近注目されている新メニューは本多氏が作ったものであるとします。

エッグベネディクトの人気から

鱈と白子のベネディクト
鱈と白子のベネディクト

ブレックファストの人気が広がるにつれて、エッグベネディクトもだいぶ広まってきましたが、鱈と白子のベネディクトはどういう発想からだったのでしょうか。

本多氏は「ホテル内のレストランのシェフとはいつも情報交換をしており、今回はダヴィッド ブラン副総料理長からエッグベネディクトは人気があるので、けやき坂でも何か面白いことはできないかと打診を受けた」と話し、「鉄板焼でどのように解釈したらよいかを模索した結果、冬の味覚である鱈と白子を使い、鉄板の上で温めた後に、バーナーで焼き色を付けたらよいと考えた。プレーンとバジルと2種類のバゲットをさりげなく添え、食べ易いようにも配慮した」と説明します。

鉄板焼ならではのビーフシチュー

黒毛和牛の焼きビーフシチュー
黒毛和牛の焼きビーフシチュー

黒毛和牛の焼きビーフシチューについては、「寒い時期なので、身体が温められるものがよいと考え、ビーフシチューを選んだ。鉄板焼レストランなので、お肉には妥協しないことをまず決めた。黒毛和牛をオーガニックワインに一晩漬け、鉄板焼で焼いて最後に水分を飛ばしてから、仕上げに煮込んでいる。出来立てを目の前からご提供するので、本当に熱々でおいしい」と自信作であるとします。

ただ、難しいところもあり、「鉄板焼レストランでビーフシチューというと、お客さまは裏で作って持って来るだけだと思ってしまう。そのため、鉄板焼の醍醐味を味わいたいお客さまには、ビーフシチューを注文していただけない」と新感覚ならではの苦悩も挙げます。

春巻も鉄板で

ずわい蟹春巻 ベビーリーフとミックスサラダ
ずわい蟹春巻 ベビーリーフとミックスサラダ

他にも新感覚と言えるものはあるのでしょうか。

本多氏は「昨年からご提供している春巻も新感覚。あの中国料理の春巻を鉄板焼でご提供する」と驚いたことを話し、「和洋折衷メニューは数多く考えてきたが、和中折衷はなかったので、チャレンジすることにした」と動機を述べます。

特徴を尋ねると「ズワイガニをたっぷりと巻いて、鉄板焼の上で焼いて揚げるようにしている。モチっとした食感も楽しんでいただきたい。春巻をペーパーで包んで手に持ち、添えられたオニオンソースとチリソースをお好みで付けて、気軽に召し上がっていただきたい」と笑顔で説明します。

ドライカレーも密かな人気

ドライカレー
ドライカレー

鉄板焼では最後のお食事も見せ所ですが、けやき坂ではどのようにしているのでしょうか。

「季節に合わせて、2ヶ月くらいで替えているので、リピーターのお客さまにもいつも楽しんでいただける。今は梅とシラスのご飯をご提供しており、焼いたシラスと焼かないシラスのどちらとも入れるなどして、味や食感に変化を出している」と紹介します。

他のご飯メニューについて尋ねると「ドライカレーも他では食べられないものなので、知る人ぞ知る人気メニューとなっている。挽肉は黒毛和牛を100%使っており、ルーも全て作っている。最後に鉄板で焼いたウズラの卵を載せ、可愛いらしく仕上げている。日本人のお客さまにはもちろん、特に外国人のお客さまには人気」と自信を覗かせます。

デザートも新感覚

左が「チョコレートスフレ バニラアイスクリーム添え」、右が「鉄板どら焼き 抹茶アイスクリーム」
左が「チョコレートスフレ バニラアイスクリーム添え」、右が「鉄板どら焼き 抹茶アイスクリーム」

デザートは5種類の中から選べ、前菜やご飯と同じようにやはり鉄板焼で作るものばかりです。どれがおすすめなのかと訊くと、本多氏は「『鉄板どら焼き 抹茶アイスクリーム』と『チョコレートスフレ バニラアイスクリーム添え』は他ではまず味わえない」と迷いなく答えます。

それぞれの特徴については「チョコレートスフレはココットに入れたまま鉄板で温めている。最後にひっくり返して皿に載せ、アシェットデセールに仕上げている。しっかりとした生地なので、食べ応えがある」とし、「鉄板どら焼きは人気のパンケーキからヒントを得た。パンケーキでは普通過ぎるので、黒糖生地を焼いてあんこと生クリームを挟み、和風のどら焼きに仕上げた。若い方からご年配の方までご好評いただいている」と丁寧に説明します。

誰も作ったことがない鉄板焼

インテリアのように野菜やフルーツがディスプレイされた冷蔵設備
インテリアのように野菜やフルーツがディスプレイされた冷蔵設備

ここまで鉄板焼にこだわり、かつ、新しいメニューを考えるのは何故でしょうか。

本多氏は「王道の鉄板焼をご希望されるお客さまも多いので、もちろん神戸ビーフや鮑などをご提供することもある。しかし、もっと上を目指したいので、こういった当たり前のことをこなしながらも、誰も作ったことのない鉄板焼にいつも挑戦している」と真摯に語ります。

新感覚の創出

マーケットプレイス風に並べたプレゼンテーション
マーケットプレイス風に並べたプレゼンテーション

けやき坂は「チャイナルーム」「オークドア」「マデュロ」と同じく、ニューヨークを拠点として活躍している台湾生まれのデザイナー、トニー・チー氏が手掛けており、イミテーションとしか思えないほど美しいガラス張りの冷蔵設備や、野菜をマーケットプレイス風に並べたプレゼンテーションなど、鉄板焼らしからぬモダンでスタイリッシュな装いが施されています。

現存するデザイナーの中で最も多くホテルレストランをデザインしたと言われるチー氏によって生命の息吹をもたらされたけやき坂が、本多氏の新感覚鉄板焼によって、これからも多くの人の五感を満足させていくことに期待したいです。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考

レストラン図鑑にもけやき坂が詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。