リニューアルを始めたザ・リッツ・カールトン東京、「ひのきざか」鉄板焼の妙味

レストランのリニューアル

ホテルにとっては、レストランのリニューアルは一大事です。改装には莫大な費用がかかりますし、改装中はクローズしなければならないので売上も立たず、そして、リニューアルしたからと言って改装費用以上の効果を上げられるかどうか分からないからです。

ザ・リッツ・カールトン東京「ひのきざか」
ザ・リッツ・カールトン東京「ひのきざか」

そのような状況にあって、ここ1年近くでリニューアルしたホテルのレストランを挙げると、以下の通り少なくありません。

  • マンハッタン(ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ)2014/04/30
  • ナイト&デイ(ホテル阪急インターナショナル)2014/06/28
  • エトワール(第一ホテル東京)2014/07/01
  • 彩龍(横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ)2014/07/04
  • バイエルン(サンシャインシティプリンスホテル)2014/09/11
  • 樹林(京王プラザホテル)2014/10/30
  • TSUNOHAZUフロア(ヒルトン東京)2014/10/31
  • ひのきざか(ザ・リッツ・カールトン東京)2014/12/04
  • シェフズ ライブ キッチン(ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ)2015/2/28
  • オリンピア(大阪新阪急ホテル)2015/3/17

※年月日はオープン日

改装期間はだいたいが1週間程度になっていますが。「【生まれ変わるヒルトン東京】TSUNOHAZUはどのようによみがえったのか?」でもご紹介したヒルトン東京は2階フロア全てを改装し、3つのレストランと1つのバーをオープンしたこともあって、5ヶ月を要しました。

フロア全体という規模ではありませんが、4つのレストランを1つのレストランに集約させ、3ヶ月もの改装期間を費やしたのが、「ザ・リッツ・カールトン東京「アジュール フォーティーファイブ」にミシュランシェフが電撃就任」「【最高級かき氷】ザ・リッツ・カールトン東京 ドンペリニョン ロゼのかき氷はどのようにして生まれたか?」

でもご紹介したザ・リッツ・カールトン東京の「ひのきざか」です。

会席「ひのきざか」、寿司「ありた」、天麩羅「しみず」、鉄板焼「くたに」という4つのレストランをひとつにまとめあげ、2014年12月4日に日本料理「ひのきざか」として新たにオープンしたのです。

これにはどういった理由があったのでしょうか。

より一体感をだす

鉄板焼カウンター
鉄板焼カウンター

広報マネージャー谷口謙一郎氏は「それぞれのレストランを様々なお客さまにご愛顧いただいていた」と振り返りながらも、「引き続き各レストランを差別化して輝かせていきながらも、より一体感をだすことで、さらにご満足いただけるのではないかと考えた」ときっかけを語ります。

意図は理解できますが、ザ・リッツ・カールトン東京といえば、2007年3月30日に東京ミッドタウンにオープンしたので、リニューアル開始時点ではまだ7年しか経っていません。

谷口氏に話を振ると「お客さまには常に最高の体験をしていただきたい。そのため、まだ古くなっていなくとも、よりよいものを目指すことは当然」とし、さらには「客室は順次改装しており、2015年6月にはチャペルを改装する」とレストランに閉じた話ではないとします。

一流料理人の技と眺望で魅せる

真鯛 ゆり根のソースで
真鯛 ゆり根のソースで

では、改装によって、ひのきざかはどのようになったのでしょうか。

谷口氏は「寿司は10席から12席、天麩羅は6席から10席、鉄板焼は10席から14席と、カウンター席を拡充した」として、理由を訊くと「おいしく味わっていただくことはもちろん、料理人の技を1人でも多くのお客さまに見ていただきたい」と、一流料理人が集まるザ・リッツ・カールトン東京ならではの説明をします。

続けて「赤坂の高台に建つ45階からの素晴らしい眺望をより楽しんでいただきたいので、以前よりも床を上げて、以前よりも高い場所から東京の絶景を堪能していただけるようになった」と話します。

鉄板焼が特に人気

群馬県産 黒毛和牛 シャトーブリアン
群馬県産 黒毛和牛 シャトーブリアン

それぞれのレストランに関しては「ひのきざかブランドで統一しながらも、寿司はガラスとクリスタル、天麩羅は木、鉄板焼は鉄と、それぞれにテーマを持たせてある」と自然にゾーニングされているとします。

調度品については「寿司では伝統工芸の江戸切子を使ったライトや竹で型をとったアルミの扉を使っている。鉄板焼のカウンターはダイヤモンドダストという中国の石で、プライベートダイニングのシェフズテーブルのカウンターはシルバーダイヤモンドホールとう石で作られている」と、特徴を挙げます。

群馬県産 黒毛和牛 シャトーブリアン
群馬県産 黒毛和牛 シャトーブリアン

特におすすめを訊くと「寿司はカウンター席から絶景を望められ、天麩羅は食材や油にこだわっており、人気が高い。外国人のお客さまからのご要望も多く、今は肉ブームでもあるので、鉄板焼をおすすめしたい」と述べ、理由を尋ねると「鉄板カウンターで9.5メートルもあるところは少ない。肉のブランドや部位にもとことんこだわっている」と答えます。

ブランドにも部位にもこだわる

では、鉄板焼の特徴は何でしょうか。

谷口氏は「日本各地の黒毛和牛にこだわっており、その時その時で最もよいものをご提供している。ただ、神戸ビーフは絶大な人気を誇っているので常にご用意できるようにしている」として、世界的に注目されており、安定して供給することが難しいとされる神戸ビーフも常時用意されているとし、その理由を、鉄板焼の料理人 辻泰三氏は「仕入れ業者が4社もあり、幸いなことに信頼もしていただいているので、神戸ビーフを安定して提供していただけている」と説明します。

お食事 特製ガーリックフライドライスの調理
お食事 特製ガーリックフライドライスの調理

辻氏は「ブランドだけではなく、部位にもこだわっている」として「フィレをご提供するにしても、シャトーブリアンをお出しできるようにしている」と続けます。シャトーブリアンは、もともと牛1頭からとれる量が少ないフィレ肉の中でも特に肉質がよい部位で、全体の3%くらいの割合しか取れない故にあまり流通しておらず、幻の部位とも呼ばれています。

他のこだわりについては「3種類の塩を異なる有田焼でご提供するなど、様々な有田焼を使用しているので、目でもお楽しみいただきたい」とし、加えて「特製ガーリックフライドライスには卵を加えているので、脂を吸って柔らかな味わいとなっている。卵を細かく切るに際しても見せ方にこだわっているので、是非ご覧になっていただきたい」と妙技に自信を覗かせます。

最後のデザートまでこだわる

左上から時計回りに、ブリュレ、いちど大福、マンゴープリン
左上から時計回りに、ブリュレ、いちど大福、マンゴープリン

最後に辻氏は「女性のお客さまに喜んでいただきたいので、野菜とデザートにもこだわっている。例えばフランス料理ではよく使われている菊芋のように、あまり馴染みはないがおいしい野菜も積極的にご提供している。デザートは5品から選択でき、最後のプティフールは鉄板でお作りするので、臨場感があってできたて。最後の最後まで鉄板焼の素晴らしさを感じていただきたい」と笑顔で話します。

プティフール
プティフール

鉄板焼のデザートは3品から選べれば多い方なので、5品というのは非常に充実していると言えるでしょう。プティフールを鉄板で作るのも、鉄板を汚したくないという理由から、それほど行われていないことです。

ロブスターオムレツ

ブランドなら神戸ビーフ、部位ならシャトーブリアンを使うなど、非常に贅沢なひのきざかですが、同じような時期に提供されるようになったクラブラウンジのロブスターオムレツも非常に贅沢です。

谷口氏は「2014年12月から、クラブラウンジで行われているブレックファストのブッフェで、ロブスターオムレツをご提供している。目の前で一つずつ作っており、もちろん、お好きなだけ食べていただける」と紹介します。

ザ・リッツ・カールトン東京 プライベート・キュヴェ
ザ・リッツ・カールトン東京 プライベート・キュヴェ

クラブラウンジとは、ザ・リッツ・カールトン東京のクラブフロアに宿泊している客が自由に利用できる特別なラウンジのことです。ここでは、1日5回のフードプレゼンテーションが実施されており、その回数の多さと質の高さで人気となっています。また、フランスの有名レストランの多くでハウスシャンパンとして提供されている「キャティア」を「ザ・リッツ・カールトン東京 プライベート・キュヴェ」として提供していますが、クラブラウンジでは自由に飲めます。

ウィークリーワンダーズ

ホテルのブレックファストではオムレツが定番ですが、好みのトッピングを加えて目の前で作り上げる以上のことは、ほとんどありません。どのようにして、ロブスターを使う贅沢なオムレツができたのでしょうか。

ロブスターオムレツ
ロブスターオムレツ

クラブ コンシェルジュ 宿泊部 小川結美氏は「ザ・リッツ・カールトン東京ではウィークリーワンダーズと呼ばれるアクティビティを毎週土曜日の16時30分から17時に行っている。折り紙教室、グリーティング、紅茶ティーマスター、チョコレート、ワインテイスティング、スパの説明とマッサージ、利き酒と、1週に1つずつ、7週の周期で開催してる」と説明を始め、「せっかくなので、土曜日の夕方だけではなく朝も、お客さまに何か素晴らしい体験をしていただきたいと考えた」ときっかけを述べます。

クラブラウンジで、お客様にお愉しみいただく、ホテルの紳士淑女による30分間のアクティビティをご用意しております。

(※毎週のアクティビティ内容詳細はクラブラウンジ担当者にお尋ねください。)

出典:ザ・リッツ・カールトン東京

「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」というザ・リッツ・カールトンのモットーに相応しく、ホテルの紳士淑女によるアクティビティを行うというのは実に粋なものです。

谷口氏は「ひのきざか、客室やチャペルに続いて、クラブラウンジも6月から3ヶ月くらいかけて改装を行う。これまで以上に素晴らしい体験をご提供できるようにしたい」と述べます。

由緒ある土地

ザ・リッツ・カールトン東京が位置する港区の公式サイトには、以下のような記述があります。

開発に先駆けて東京都埋蔵文化財センターによって行われた発掘調査では、ナイフ形石器が出土しました。この石器が出土した地層から、およそ3万年前の旧石器時代のものであることが明らかとなりました。後に「赤坂檜町」となるこの場所の歴史は、ここからスタートしたのです。

今年度の特別展は、「赤坂檜町」を舞台に、この土地に刻み込まれた歴史を採り上げました。中心となるのは、江戸時代の長州藩毛利家屋敷の時代です。毛利家の屋敷は、ヒノキがたくさんあったことから「檜屋敷」の別名があり、「檜町」の名はここから採られたのです。都内最高層ビルの足元に刻まれた3万年の歴史を紹介します。

出典:港区立 港郷土資料館 資料館だより 第61号

東京ミッドタウンを建設する前、東京都埋蔵文化財センターが2002年から赤坂檜町の発掘調査を行い、3万年前のナイフや幕末の長州藩毛利家屋敷の遺物など、非常に貴重な歴史的な遺産が発見されました。

東京ミッドタウンの誕生を機に発掘されたナイフは、はるか3万年の時を隔てて、檜町公園の北側に位置する坂道「檜坂」の名を付したザ・リッツ・カールトン東京「ひのきざか」の箸へと姿を変えましたが、紳士淑女によるホテルのリニューアルは今一歩を踏み出したところであり、これからもまた赤坂檜町に新たな歴史を刻んでいくことになるでしょう。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考

レストラン図鑑にもひのきざかが詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。