【ミシュラン/最高級食材】ピエール・ガニェールのオマール・ブルーづくしコースとは?

オマール・ブルーのコース

希少で最高級のオマール海老

オマール・ブルー
オマール・ブルー

オマール・ブルーをご存知でしょうか。

オマール・ブルー(ブルー・ロブスター)は、高級食材のひとつとして広く認知されているオマール海老の最高峰ブランドですが、日本ではあまり知られていません。ブルターニュでとれる青いオマール海老で、食味がよくて漁業量が少ないので、他のオマール海老の3~4倍もの値段が付く(5000円以上)希少な食材です。

このオマール・ブルーを全ての料理に使った極めて豪奢なコースがANAインターコンチネンタルホテル東京36階「ピエール・ガニェール」で提供されています。

フランスでミシュラン3つ星レストラン

ピエール・ガニェール
ピエール・ガニェール

ピエール・ガニェールは2010年から最新2014年までミシュランガイドで2つ星を獲得している現代風フランス料理店です。

プロデュースしているピエール・ガニェール氏はフランスでミシュラン3つ星を獲得したレストランを一旦クローズし、後に再びオープンしてまたミシュラン3つ星を獲得したという、奇跡の料理人です。分子ガストロノミーに精通し、一皿一皿が芸術的に美しいので、料理界のピカソと呼ばれ、高く評価されています。

ピエール・ガニェールをオープンするにあたり、ガニェール氏は信頼できるスタッフとして、赤坂洋介氏にエグゼクティブシェフを、森谷孝弘氏にシェフパティシエを託しました。森谷氏は2010年7月26日にオープンした「ピエール・ガニェール パン・エ・ガトー」のシェフパティシエにも就任しています。

2013年からオマール・ブルーのコースを

広報推進担当マネージャー森直美氏は「2013年からオマール・ブルーのコースをご提供している。昨年は初の試みで手探りという面もあったが、好評を博したので今年も6月から7月にご提供することとなった」と話します。

オマール・ブルーは1年中とれますが、旬を迎えるのは6月なので、まさにベストな時期にフェアを行っていると言えるでしょう。

インターコンチネンタル ホテルズ グループのマスコット

インターコンチネンタル ホテルズ グループのマスコット
インターコンチネンタル ホテルズ グループのマスコット

何故オマール・ブルーにこだわるかを問われると、森氏は「オマール海老はヨーロッパでは貴重な食材。インターコンチネンタル ホテルズ グループも、マスコットとして選ぶほどオマール海老を貴重だと考えている」とインターコンチネンタル ホテルズ グループの略称である「IHG」が刺繍されたマスコットを見せてくれます。

加えて「宿泊客の7割以上を占める外国人や女性のお客さまはオマール海老を好まれるので、最高級のオマール・ブルーに興味を持っていただけると考えた」と理由を述べます。

前例をみないオマール・ブルーのコース

メートル ド テルの千葉直氏は「ガニェール氏もオマール・ブルーづくしのコースは初めて。他のフランス料理店で開催しているのも聞いたことがない」と、ミシュラン3つ星シェフであるガニェール氏であっても、開催したことがない稀有な試みであったとします。

エグゼクティブシェフの赤坂氏は「オマール・ブルーは他のオマール海老とは旨味が違う、全く別の食材だ。最高級のオマール海老をお客さまに味わっていただきたかった」と動機を語ります。そのためには「色々な部位を様々な調理法でご提供して、オマール・ブルーのあらゆる魅力を余すところなく召し上がっていただけるようにした」と自信を持って言います。

ブルターニュの食材にこだわる

コース考案に関して赤坂氏は「オマール・ブルーは最高の食材なので、コースを作ることは難しくない」としながらも、「コースのベースを作り、レシピをフランスにいるガニェール氏に送った。テレビ電話でミーティングも行って、細かいところまで話し合っている」と自身のアイデアを盛り込みながらも、ピエール・ガニェールのブランドには忠実です。

また「オマール・ブルーはブルターニュ産なので、相性のよいブルターニュ産の食材をふんだんに使った」と他の食材にもこだわっているとし、「今年は昨年と全て料理が異なる。1年の間に私自身も経験とともに進化し、食材の組み合わせや調理法も変え、常に新しい料理をご提供できるようにしている」とオマール・ブルーの料理にさらに磨きをかけていると言います。

オマール・ブルーのコースをご紹介しましょう。

ピエール・ガニェールの料理はデザイン性が高いので、俯瞰した写真を掲載します。

生姜の香るオマール海老のサルピコン、シードルを効かせたアーティチョークのムースリーヌ、グレープフルーツロゼのフォンデュと共に

生姜の香るオマール海老のサルピコン
生姜の香るオマール海老のサルピコン

サルピコンは細かく切ってオリーブなどと和えた前菜です。アーティチョークのムースには、ブルターニュの名産品の一つであるシードルが合わせられています。

抹茶シートで覆ったオマール海老のポワレ シャンパン風味、桃のコンポートとアーモンド

抹茶シートで覆ったオマール海老のポワレ シャンパン風味
抹茶シートで覆ったオマール海老のポワレ シャンパン風味

上に被されている抹茶シートが幻想的です。ピエール・ガニェール パン・エ・ガトーのスイーツでも、こういったシートが被されていることがあります。

バジルの香るオマール海老のグリエ、そば粉のクレープ、ラタトゥイユのクリームと黒バルサミコを効かせたミニトマト

バジルの香るオマール海老のグリエ
バジルの香るオマール海老のグリエ

底には、日本でも人気となっているブルターニュ名物「ガレット」(そば粉のクレープ)を敷いています。バジルソースを目の前でかけてくれます。朴訥なガレットにオマール・ブルーの旨味がゆったりと調和していきます。

オマール海老 フォアグラ サマートリュフのラビオリ、ソーテルヌを効かせたフィーヌ・エルブのブイヨンを添えて

オマール海老 フォアグラ サマートリュフのラビオリ
オマール海老 フォアグラ サマートリュフのラビオリ

サマートリュフをその場で削ってもらえます。サマートリュフは香りが軽いので、オマール海老の邪魔をしていません。ラビオリは花を象ったように美しく、フィリングはオマール・ブルーとフォアグラという、高級食材の組み合わせです。

モルビエチーズをグラチネしたオマール海老、紫蘇の香るパンポール産白インゲン豆のスミタンと共に

モルビエチーズをグラチネしたオマール海老
モルビエチーズをグラチネしたオマール海老

モルビエチーズをかけてグラチネしています。白インゲン豆はブルターニュのパンポール産で、この地の特産品です。フランス料理の食材と調理法であるのに、紫蘇の香りがするのは面白いでしょう。

ボルドレーズソースをからめたオマール海老のロースト、ジロール茸のフリカッセ、鴨砂肝のコンフィとマグレ鴨の燻製、タンドリーの香るコライユ

ボルドレーズソースをからめたオマール海老のロースト
ボルドレーズソースをからめたオマール海老のロースト

メインディッシュも当然のことながらオマール・ブルーです。オマール・ブルーは身だけではなく、ミソ(コライユ)も使われています。若いジロール茸やマグレ鴨と、フランスの食材がふんだんに使われています。

ひらめきのデザート

ひらめきのデザート
ひらめきのデザート

デザートが多皿であるのはピエール・ガニェール風です。

左下は、甘夏とハーブのジュレに、抹茶のフィナンシェを載せ、メレンゲの円環とミントを据えたデザート。右下のスイーツはビーツのフロマージュブランで、スプーンを象ったメレンゲが載せられています。真ん中上はバニラのパンナコッタ。パッションフルーツやメレンゲなど色々な要素が加えられていて、複雑な味です。

山口フェアを行う

2013年6月10日に、ピエール・ガニェール氏が「美食王国やまぐち親善大使」に就任しました。森氏は「山口県の食材や萩焼を使って、2014年9月上旬から中旬にフェアを行う予定」と話しますが、ミシュラン2つ星のフランス料理店にしては、積極的に新しいことにチャレンジしていると言えるでしょう。

萩焼はお茶やお酒が浸透すると表面の色合いが変化する「七化け」が有名で、使い込むと趣が出ます。赤坂氏は「萩焼の器にパンを盛るなどして、有効に使いたい」と既に山口フェアのアイデアを考え始めています。

スペシャリテは存在しない

赤坂氏は「ピエール・ガニェールにはスペシャリテがない」と切り出し、その理由を「料理人は昨年より今年、昨日より今日の方が成長している。食材もその日その日で全てが違うので、得られるインスピレーションも異なる」と述べます。スペシャリテがない故に、全ての料理がスペシャリテとなるように毎日新しい料理を生み出していくことは、使い込んでいくことで常に変わり続けていく萩焼と似ているのではないでしょうか。

食通でもあまり経験したことがない最高級食材であるオマール・ブルーづくしのコースが、どのように七化けしていくのか、これからも目が離せません。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

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参考

レストラン図鑑