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国内線の年末年始、下り便は12月29日・30日・31日、上り便は2日・3日がピークに

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
自動で手荷物を預けられるサービスが混雑緩和に一役買っている(写真は新千歳空港)

 国内各航空会社は年末年始期間(12月28日~1月3日)の予約状況を発表した。ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)は国内線・国際線共に昨年よりも高い予約率を記録している。

 ANA便の予約率は国内線79.1%(前年比3.4%増)・国際線84.0%(前年比0.6%増)、JAL便の予約率は国内線79.6%(前年比1.1%増)・国際線91.0%(前年比1.6%増)と好調だ。

国内の帰省ラッシュは29日~31日、Uターンラッシュは2日・3日

 気になるピーク日は、国内線では東京・大阪などからの下り便については12月29日(金)・30日(土)・31日(日)、東京・大阪などへ戻る上り便については1月2日(火)・3日(水)の両日となっている。

 今回の年末年始の傾向としては、12月30日が土曜日で、28日(木)・29日(金)が仕事納めになる会社が多い。その為、下り便の帰省ラッシュについては29日・30日の便が特に混んでいる。加えて、この数年の傾向としては、31日の大晦日に故郷へ戻る帰省客や沖縄などへ向かう旅行客が増えているので大晦日も混み合っている。その為、上り便に空席が多く出始めるのは元旦を過ぎてからとなる。

4日と5日が休めれば、新年初出社は9日になるケースも

 上り便のUターンラッシュは1月2日(火)・3日(水)。今年は4日(木)・5日(金)の両日を休むことによって、土日が入り、最大で8日(月)の成人の日まで休みにすることも可能であるが、現実的には4日もしくは5日に出勤する人が多いことから2日・3日がUターンラッシュのピークとなった。元旦に戻る場合には、まだまだ空席がある状況となっている。また、今回の予約状況では発表されていないが、4日・5日は路線によっては空席がある便も多く出てくる状況だ。

国際線はインバウンドの影響で年末年始は往復共に予約率が高い

 国際線については、12月28日(木)~30日(日)までの3日間が出国ラッシュ、1月2日(火)・3日(水)が帰国ラッシュとなっているが、国内線に比べると12月28日~1月3日までの年末年始全期間において往路・復路共に予約が好調に推移している。その理由として、海外からの訪日旅行客(インバウンド)が年末年始を日本で過ごすケースが増えているからである。

羽田空港国際線ターミナル。空港には早めに到着することを心掛けたい
羽田空港国際線ターミナル。空港には早めに到着することを心掛けたい

 LCC(格安航空会社)の路線・便数も増えたことで、航空券を購入する上での航空会社の選択肢は増えている。まだ、一部の便には空席もあるので、各航空会社のホームページなどで空席と料金をチェックした上で、これから帰省や旅行の計画を立てるといいだろう。

 年末年始期間中は空港が混み合うことから、飛行機を利用する際には早めに空港に到着するように各航空会社では呼びかけている。また、空港の駐車場も混み合うことが予想され、万が一、満車の場合には飛行機に乗り遅れてしまうケースもあることから、自家用車で空港へ向かう際には空車状況をホームページで確認してから向かうことをおすすめする。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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