今年最後の大勝負!プロ1年目でのタイトル挑戦は?藤井七段の王位リーグ入りは?

王位リーグ入りを目指す藤井聡太七段(写真:森田直樹/アフロ)

 2019年もあと数日だ。将棋界も公式戦は27日(金)でほぼ終了となる(最終は29日)。

 その27日は、2020年に大きく影響を及ぼす勝負が2局行われる。

  • 第45期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局、佐々木大地五段(24)―本田奎四段(22)
  • 第61期王位戦予選決勝、斎藤慎太郎七段(26)―藤井聡太七段(17)

プロ1年目での挑戦なるか?

 今期が棋王戦初参加となったプロ1年目の本田四段は、予選では、永瀬拓矢七段(当時)(27)など、挑戦者決定トーナメントでは広瀬章人竜王(当時)(32)や佐藤天彦九段(31)など10名を打ち破って挑戦者決定戦までコマを進めた。

 棋王戦では敗者復活制度があり、挑戦者決定戦では挑戦者決定トーナメントを勝ち上がった本田四段は1勝すれば挑戦権を獲得できる。

 第1局は、敗者復活戦を勝ち上がった佐々木五段が勝った。敗者復活戦の勝ち上がり者は2勝すると挑戦権を獲得できる。

 第2局で勝ったほうが渡辺明棋王(35)への挑戦権を獲得する。

 佐々木五段はプロ入り4年目の若手棋士。昨年度は藤井七段をおさえて最多勝利賞を獲得した。

 予選では、中村太地七段(31)など、挑戦者決定トーナメントでは谷川浩司九段(57)や羽生善治九段(49)など、敗者復活戦では広瀬八段などを破って挑戦者決定戦にコマを進めた。

佐々木五段に主導権

 両者の対戦成績は佐々木五段の2戦2勝。

 修行時代から練習将棋でかなりの対戦をこなし、そこでも佐々木五段の分がいいと聞く。

 第1局は相性もあってか、本田四段にいいところがなく、佐々木五段の完勝だった。

 本田四段としては、佐々木五段への悪いイメージを払拭できるかが一つのポイントとなりそうだ。

 手のうちを知っているもの同士だと駆け引きがあって思わぬ戦型になることもある。

 佐々木五段が先手番になると、双方が得意とする相掛かり戦法ではなく、敢えて矢倉戦法をぶつける可能性もある。先月の筆者との対戦でも佐々木五段は先手番で矢倉を採用してきて、意表を突かれた。

 対戦成績や相性、そして戦法選択と、主導権は佐々木五段にありそうだ。

 プロ4年目と1年目、年齢も24歳と22歳というフレッシュな挑戦者決定戦は、過去にあまり例をみない。

 どちらが勝っても渡辺棋王との五番勝負は新鮮な顔合わせとなる。

藤井七段リーグ入りなるか

 王位戦の予選は佳境を迎えている。

 リーグにシードされているのは、豊島将之竜王・名人(29)、永瀬二冠、羽生九段、菅井竜也七段(27)という錚々たるメンバーだ。

 予選では、渡辺三冠や広瀬八段が決勝に進出している。前述の佐々木五段と本田四段も決勝に進出している。

 斎藤七段と藤井七段の一戦は、勝ったほうがリーグ入りとなる大一番だ。

 今年、藤井七段は王将戦でリーグに入り、トップ棋士相手に4勝2敗という好成績を残した。

 最終戦、広瀬八段との直接対決に敗れて挑戦権を逃したのは記憶に新しい。

 リーグ入りし、再びトップ棋士と相まみえる姿を見たいファンは多いだろう。

熱戦を期待

 斎藤七段は10月に王座のタイトルを失ったが、失冠以降は9勝2敗と調子をあげている。

 NHK杯で豊島竜王・名人をくだした一戦でファンに復活を印象づけた。

 斎藤七段は藤井七段に2戦2勝と貫禄を示している。

 ただ、これまでの2戦はいずれも1年以上前のもの。この1年での藤井七段の成長ぶりをはかる一戦になりそうだ。

 9月以降、藤井七段は王将リーグ以外では負け知らずで、14勝2敗という好成績を残している。

 これまで勝ったことのない斎藤七段を相手にしても、勝機は十分にあるだろう。

 双方、角換わり戦法を主戦場として戦っている。ただ最近になってお互いに戦法選択に変化も見せており、展開が読みにくい。

 どちらが先手でも矢倉戦法になると予想する。

 今までの2戦はいずれも大熱戦となった。どちらも斎藤七段が序盤でリードして、藤井七段が中終盤で追い込むも届かない、という展開だった。

 長考派同士、持ち時間を目一杯使った大熱戦となるだろう。

AbemaTVで中継

 今回取り上げた2局は、ともにAbemaTV将棋チャンネルで中継がある。

 斎藤七段―藤井七段戦では、筆者も解説者として登場する。

 師走の慌ただしい時期ではあるが、ぜひご視聴願いたい。