「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」米国利上げ後の株価は下がる?

世界のマーケットは過剰流動性の終焉でどう動くか?

マーケットは年初から不安定な値動きを繰り返し、我が国の金融政策もマイナス金利政策発動による未踏の領域に突入したことで、益々「先の読めない」状況になってきた。

中国、原油、Brexit、米国経済、地政学等、ひとつひとつのリスクを取り上げればきりはないが、マーケットを大きく動かしている根本的な要因は、「金融正常化に向けた過剰流動性の終焉」である。

確かに、日本をはじめユーロや中国など米国以外は金融緩和、量的緩和を依然として続けており、過剰流動性は完全に終わっていないようだが、リーマンショック以降の各国株式市場を大きく支えてきた状況とは明らかに変わってきている。

リーマンショック以降、金融緩和、量的緩和に支えられ、いつの間にか株式市場は実体経済を反映せず、行き過ぎた状態が続いたが、その状況が少しずつ崩れつつある。

世界経済の成長率が鈍化していることでも明らかなように、実体経済とは別に、株式市場だけが上昇し続けることはありえず、株式市場と実体経済とのギャップがどこかで解消することは間違いなく、今はまだその過程にある。

ここ最近のマーケットは比較的静かで、落ち着きを示しているものの、根本的な問題は解決しているわけでなく、ずいぶん時間がたってから危機と気づくことがある。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言うが、米国FRBが過去に利上げした後を振り返ってみると、FF金利を1994年1月の3.0%から1995年2月迄に6.0%に上げた後、1997年7月にアジア通貨危機が起こり、1999年5月の4.75%から2000年5月迄に6.5%に利上げした後、2000年12月にITバブルの崩壊が始まり、そして2004年5月の1.0%から2006年6月迄に5.25%の利上げ後、2007年8月のパリバショックと、2008年9月のリーマンショックが起こった。

こうした大きなショックは、利上げ後の1年から2年後に起こっており、「100年に一度の津波」と言われたリーマンショックも、サブプライムローンの過熱が懸念され始め、FRBが利上げした後、2年以上も経過してから起こっている。

特に日本では、今回のマイナス金利政策により、長期国債の利回りのマイナスが続いてしまうと、リスクに対する感覚がマヒし、危険なポジションが積み上がる可能性は十分にあり、その巨大なしっぺ返しがどこかで訪れる可能性があることを覚悟する必要がある。

では、我々のような一般投資家はどのように対応したらいいのか?

先行き不透明である以上、以前にも 増して現金(キャッシュポジション)比率を高め、少し投資を休むのもひとつの選択肢かもしれない。

株や投資信託などの変動商品は、どの銘柄、どのファンドを選ぶのも大切だが、いつ買うのか、いつ売るのかといった投資のタイミングも重要で、銘柄選定よりも、むしろ投資タイミングの方が投資成果を大きく左右する場合もある。

だからと言って、投資タイミングを図った投資をすることを勧めているわけではなく、 むしろその逆である。

投資の王道はいつの世も変わらず「長期分散投資」。そして、資産の分散に加え、買うタイミングを気にしない定額積み立て投資による時間分散を図ることで、投資成果を上げる確率は高まる。

「金融正常化に向けた過剰流動性の終焉」において、マーケットはこれからも上下に大きく動く。そうした中においても、心を乱されず、泰然自若して、マーケットに向き会うことが出来るように、今一度、原点に立ち返ることが大切だ。