「マイナス金利」でも資産運用の王道は変わらない!

長期分散投資 & 時間分散

日銀のマイナス金利政策の影響を受け、銀行の普通預金金利が年0.001%になり、100万円を預けても1年間に10円(税込)しか増えない。

ここで、銀行の預金金利を比較して、0.003%、0.005%などと、少しでも利回りの高いところに預け替えをすることに、あまり意味がない。

「スズメの涙」程度の利息しかつかない状況で、預け入れる金融商品を一生懸命考えるより、この先の世の中の状況を見据え、中長期的な観点で資産を増やすことを考えるのが重要だ。

1995年から2015年までの20年間で、中国のGDPは15倍と凄まじい勢いで成長し、一方、成熟した先進国 のアメリカやイギリスでさえ、そのGDPは2倍以上増えているにもかかわらず、日本は同期間でわずか30%の成長である。

アメリカは過去20年間に、アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどの新興企業が大きく成長し、産業界をけん引してきたが、日本にはアメリカにみられるようなダイナミックな産業構造の変化が見られない。日本の低成長は問題の根が深く、これからの日本の成長も大きく期待できないのであれば、今まで以上に海外にも目を向けた『資産運用』を考えること重要だ。

最近は、アベノミクスによるこれまでの相場の上昇とNISA制度の影響が大きく、投資初心者の方と話す機会が多くなってきたが、意外にも、最初にFX(外国為替証拠金取引)から投資を始めている人が多いのに驚いた。FXは、投資初心者には非常に難しい商品だ。円を売って、ドルを買うといった、どちらか一方の通貨の上昇を期待して取引を行う為替取引は、その通貨が長期で保有すれば期待収益がプラスになるというものではなく、勝ち負けが表裏一体で存在するゼロ・サムゲームだ。

もっと言えば、その取引を仲介する業者が手数料を取り、結果的に期待収益がマイナスとなる、マイナス・サムゲームだ。これは、宝くじや競馬などで開催主が何割も取ってしまう構造と同じである。

一方、株式や債券などは、企業や国が将来成長することで、配当やキャピタルゲインとして投資家に利益還元があり、期待収益がプラスの金融商品である。

株式、債券、リートなどは中長期の期待収益がプラスで見込める商品であるが、国内外の株式や債券、リートなど、様々な資産のうち、どの資産がもっとも運用成績が良いのかを事前に知ることはできない。従って、どの資産が値上がりしてもメリットがあるように、資産を分散して投資することが大切だ。

また、投資するタイミングを計ることも難しいので、毎月定額で自動的に購入するように時間を分散して投資することも重要だ。

毎月積み立てで購入する、いわゆる「ドル・コスト平均法」は有効な投資手法である。

投資の成績は、保有している量×価格(時価)なので、価格が安くなると量を多く買える、定額投資のメリットは、長期で投資することで効果が効いてくる。

何を買えばよいのかという投資対象の話にすぐ目が向かいがちだが、大事なのは、投資する目的 に即して運用商品を選ぶことだ。

目標とする金額、毎月の積立可能額などから、目標に到達する運用利回りを計算しその目標に適ったポートフォリオの運用を考えるべきだ。

投資を始める証券会社や銀行の選び方も大切だ。投信の毎月積立コースを設けている金融機関は多いが、その最低投資金額に注意すべきである。最低投資金額が500円や1,000円のところでは、1万円の投資でも分散したポートフォリオを組むことができる。

さらに、購入時の手数料がゼロである『ノーロード』型の投信の品ぞろえが多いことなども手掛かりに金融機関を選ぶべきだ。

そして、まずはコストを抑えた運用のできるインデックスファンドで運用を検討するといいだろう。

ドル・コスト平均法の効果は、価格が安くなるとより多くの量が買える。現在の不安定な株式市場は、当面は落ち着かないと考えた方が良い。だが、毎月積立投資であればハラハラすることなく、心を落ち着かせて、資産運用に取り組むことが出来る。

「マイナス金利」下で、目先の低い金利水準に右往左往しても仕方がない。

半年、1年で結果を求めるのではなく、5年以上の少し長い期間で資産運用を考え、分散したポートフォリオでコツコツ資産を積み上げることが大切だ。

まさに、投資の王道である「長期分散投資」こそ、難しい運用の時代を乗り切る最善の方法だ。