活況に沸く投信市場、だが投信投資家にとって日本は新興国にも劣る!

米国モーニングスターが、主要24カ国の投資信託の状況について、「規制&税金」、「情報開示」、「コスト」、「メディアの対応」等の様々な観点から評価を行ったところ、「投信投資家にとって望ましい国」として、最高評価の「A」を獲得したのは投信先進国の米国だけだった。では日本はどうだったかというと、韓国、台湾、シンガポールのみならず、中国、インド、タイなどの新興国よりも低い「C」の評価しかもらえなかった。

http://corporate.morningstar.com/US/documents/MethodologyDocuments/FactSheets/Global-Fund-Investor-Experience-Report-2013.pdf

厳しい評価のなかでも、特に改善すべき項目として指摘されたのが「コスト」。「コスト」項目だけの評価では、何と「D+」の低い評価で24カ国中日本より下の評価はカナダだけであった。

今迄、再三再四私も指摘してきたことだが、日本の投信コストは、販売手数料、信託報酬ともに毎年右肩上がりで上昇しており、これは米国とは全く逆の動きである。

コスト負担が大きいというのは、投信投資家にとっては決して好ましい状況ではない。インデックスファンドシリーズなど、投資家にとってコストが極めて低いファンドが出てきたことは望ましいことだが、まだまだ複雑な商品やテーマ型の商品設計によるファンドの設定は多く、そうしたファンドで投資家は高いコストの支払いを強いられている。

また「情報開示」の項目においても、海外と比較して、日本に対する評価は厳しい。例えば、日本ではファンドマネジャーの名前や経歴、評価基準等の重要な情報が依然として非開示である。ファンドマネジャーの運用経験は、貴重なお金を投じる投資家からすれば投資判断を左右する関心事のはず。従って、これらの情報は、米国はもちろん中国や台湾でも開示されている。更に、米国ではファンドマネジャーが自己資金をファンドにどれだけ投じているかについても開示が義務づけられている。つまり、ファンドマネジャーと投資家の利害が一致しているかどうか、個人投資家が厳しくチェックできるようになっている。

「メディアの対応」にしても、短期の資金流入やパフォーマンスにフォーカスした情報で投資を煽る内容が多く、上記のような高いコスト構造を厳しく指摘したり、長期投資を促すような記事やコンテンツが少ないことが評価を落としている。

先日発表された2013年4月末の国内投信の純資産残高は5年4ヶ月ぶりの高水準となった。その一方では、まだまだ課題は山積しており、日本の投信市場の健全な発展のためにも、上記の評価を厳粛に受け止め、改善していくことが大切である。