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【JAZZ】赤レンガ倉庫とのコラボが楽しみな風景描写の肌触り(伊佐津さゆり“信州ジャズ”@MBY)

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
伊佐津さゆり“信州ジャズ”@MBY
伊佐津さゆり“信州ジャズ”@MBY

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、“信州ジャズ”第2弾『ギフト』をリリースした伊佐津さゆりのステージ。

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信州を拠点に活動するピアニストの伊佐津さゆりが、“信州の風景”にこだわった音楽を発信するのが“信州ジャズ”というプロジェクト。

2012年にこのコンセプトによるアルバム『フィールド』を発表した彼女が、さらなる進化を遂げてこの11月にリリースしたのが第2弾の『ギフト』だ。

10月には目黒のブルース・アレイ・ジャパンで“プレ”リリース・ライヴを披露したばかりだが、その後もライヴを重ね、いよいよリリース後の“正式な”発売記念ライヴを行なう。“信州ジャズ”プロジェクトでは年末にかけて長野・松本、名古屋、大阪とツアーを行なう予定だが、関東圏ではこれが年内ラストのステージとなる。

ジャズ的だが甘えなし

ボクも機会があってレコーディング前のライヴに足を運び、続いてレコーディング後の“プレ”ライヴ、さらに締めくくりとなる発売記念ライヴと数を重ねることになったが、それだけ今年の“信州ジャズ”プロジェクトの動向がアクティヴで、変化があったということ。

“信州ジャズ”はコンセプチュアルなプロジェクトのように見えるが、実は“信州の風景”というモチーフが明確なだけで、そのまま“型”に流し込むようなコンセプトを有してはいない。その点では実にジャズ的だと言えるのだけれど、それに甘えた“出たとこ勝負”のような曖昧さがないところも魅力と言える。

2作目の発売でより集中力を高めた4人が、さらにインパクトのある景色と空気感、そして肌触りのような新たなマテリアルを運んでくれることを期待したい。

では、行ってきます!

●公演概要

12月3日(水) 開場17:30/開演19:00&21:00

会場:モーション・ブルー・ヨコハマ(横浜)

出演:伊佐津さゆり(ピアノ)、坂上領(フルート)、平石カツミ(ベース)、平井景(ドラム、プロデュース)

♪“信州ジャズ” 2nd.アルバム 『 G i f t / Sayuri Isatsu 』

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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