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出掛ける前からジャズ気分:伊佐津さゆり「信州ジャズ」@ドルフィー

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

5月17日(土) 開場 18:30/開演 19:30(2ステージ、入替なし)

会場:横浜JAZZ SPOT DOLPHY

出演:伊佐津さゆり(ピアノ)、平井景(ドラム/サウンド・プロデュース)、坂上領(フルート)、西嶋徹(ベース)

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“信州ジャズ”〜風と緑と太陽と〜

伊佐津さゆり「信州ジャズ」
伊佐津さゆり「信州ジャズ」

ふるさとの「音」を描き続けて「信州ジャズ」というスタイルを完成させたピアニスト伊佐津さゆりが、横浜・野毛のコアなライヴハウス“ドルフィー”に登場します。

「信州の風景」にこだわった音楽を発信するプロジェクト【信州ジャズ】

その美郷への感動が、目いっぱいに広がる、雄大なメロディとサウンド。

長野生まれの日本唱歌「ふるさと」「しゃぼん玉」「早春賦」「おぼろ月夜」「木曽節」「春が来た」なども取り上げ、当時の風景をふたたび現代の感覚で、斬新なジャズにアレンジ。

長野県・安曇野に在住のピアニスト・伊佐津さゆりは、生まれ育った故郷を「音」で描き続けています。その彼女のオリジナル楽曲は、親しみやすく、心に染み入ります。まさに【信州ジャズ】と呼ぶにふさわしい新しい音楽が、日本のふるさとに誕生しました。

平井景が全面プロデューサー&ドラマー、また、音楽ライターの島田奈央子が副プロデューサーを担当。

2012年、CD『Field / Sayuri Isatsu』をBright Sun's Recordからリリース。日本を代表するミュージシャンとレコーディング・スタッフにより、現地・安曇野にてレコーディングを敢行。他のジャズアルバムとは一線を画す、臨場感あふれる極上のサウンドは、幅広い層に高い評価を得ています。

ライブでの演奏も精力的に展開。2013年4月には、長野・善光寺でのコンサートを成功させ、NHK長野のテレビ番組にも生出演するなど、地元でも「新しい信州の宝」として支持を得ています。こうした動きを支えに、独特の日本の香りを持った「信州ジャズ」は、世界中で受け入れられる文化に発展するだろうと信じています。

「風景が広がる音楽」って、こういうことか ────。 ライブを観に来られた方は、透明感あふれる壮大なサウンドと、圧巻の熱いライブ・パフォーマンスに、とても驚かれています。

引用:信州ジャズ|平井景の音楽活動

1960年代、ビバップを先鋭化させながら、よりアフリカン・アメリカンらしさを加味してヴァリエーションを広げていったジャズが存在感を強めた一方で、第三世界と呼ばれたアメリカ以外の音楽に着目したジャズ・ミュージシャンたちが登場するようになりました。

例えばポール・ウィンターは当初、ブラジルでムーヴメントを起こしていたボサノヴァに注目しますが、1960年代後半になると南北アメリカ大陸の古代文化や原風景的な自然に着目するようになり、1970年代にかけてヒーリング・ミュージックやニューエイジと呼ばれるジャンルを確立していきます。

以降、自然をテーマにしたジャズはひとつの大きなサブ・ジャンルとして広く認識されるようになりました。日本でも、“ニューオーリンズ原理主義”と並行して、自らのアイデンティティに根ざしたサウンドを追求して高い評価を得ているジャズ・ミュージシャンを輩出しています。

そんなシーンの最前線で注目を浴びる伊佐津さゆりは、どんな風景を見せてくれるのでしょうかーー。

♪<信州ジャズ> Over The Mountain / 伊佐津さゆり

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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