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出掛ける前からジャズ気分:Trinite JAPANツアー2013 東京公演

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

11月5日(火) 開場 18:30/開演 19:00

会場:東京・住吉ティアラこうとう

出演:Trinite(トリニテ)=shezoo(ピアノ)、壷井彰久(ヴァイオリン)、小森慶子(クラリネット)、岡部洋一(パーカッション)

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Trinite JAPANツアー2013 東京公演

アコースティックカルテットTriniteによる国内ツアーのファイナル公演。様々な分野で活躍するメンバーが創り出す音楽は斬新かつノスタルジックなメロディーと、豊かな世界感を持つ。2012年、ファーストアルバム「prayer」をリリース。

出典:トリニテ・ジャパン・ツアー2013 東京公演|ティアラこうとう

Trinite(トリニテ)
Trinite(トリニテ)

個性的な作曲家がリーダーで、個性的な演奏家を集めて演奏する――。ジャズは個性の音楽だから、そういうバンドはいくらでもありそうなのに、実はほとんどお目にかかることができません。

“自由”というニュアンスをどう解釈しているかというような微妙な違いによって、演奏することはおろか一緒にいることさえもできなくなってしまうようなのです。

逆に、“趣味やセンスが合う””方向性が同じ”というような、相性がマッチした関係であればうまくいくのかといえば、そうでもないのが悩ましいところ。そこには異質なものがぶつかり合うからこそ生まれる刺激や新鮮味がないことが、関係を成立させなくすることもあるわけです。

このトリニテ、それぞれの個性も違えば、仲がいいからバンドを組んでいるわけでもなく、完全にshezooの作品に従うというスタンスでもありません。公演ごとにメンバーのサウンド・バランスに対する考え方も変化し、定まった目標に向かって音を構築していくという気配もないという、不思議なバンドです。

でも、その不思議なところが魅力的なんですね。

さて、そんな不思議なトリニテは、7月に中京・関西、8月に千葉、この公演の直前には北海道を周るツアーを敢行。

“演れば演るほど固まらない”というミステリアスな音楽性を備えた彼らが、重点的にライヴという“融点”を経験するとどうなるのか――。それはおそらくトリニテ自身にもわからないことでしょうが、”わからないからおもしろいんだ”という思考回路は演る側にとっても聴く側にとっても”ジャズ的である”と言えるのです。

♪Prologue / Trinite

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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