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出掛ける前からジャズ気分:shezoo pianosolo「夜の音楽」@渋谷・公園通りクラシックス

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

4月19日(金) 開場19:00/開演19:30

会場:渋谷・公園通りクラシックス

出演者:shezoo(ピアノ)

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ソロにはジャズの重要な要素が欠落している?

3つのライブ|shezooオフィシャルブログ
3つのライブ|shezooオフィシャルブログ

”ジャズはコミュニケーションを重視する音楽”という認識が強くあると思います。ある人は「譜面ばかり見てないで、演奏相手を見て自分が発する音を考えなさい」と言い、ある人は「相手の反応がよかったからいつもより長いアドリブになってしまった」と言ったりします。そう、アドリブ=即興演奏こそジャズの中核となる要素で、偶発性と相対性がその大部分を占めています。

ということは、1人で演奏するジャズには“ジャズであるべき要素が欠落している”のでしょうか?

いや、違うでしょう。違うはずです。確かに、サウンドを構成するうえで対峙する演奏者がいないことが、前記のジャズ成立の条件を満たさないように見えますが、“相手”は決していないわけではありません。

「えっ、どこに?」

はい、それはリスナーであるアナタです。そう、ソロで行なわれるジャズは、ほかの編成のジャズ以上に観客とコミュニケーションをとる場面が多くなるわけです。

“ピアノは小さなオーケストラ”と言われます。つまり、ソロ・ピアノを観に行くということは、その演奏者の頭のなかで繰り広げられるオーケストラ・サウンドと向き合って語り合う、とてもゼイタクなチャンスを与えられるということ――。

shezoo〔シズ〕

作曲・編曲・作詞・ピアノ

16歳の時、ミュンヘン国立音楽大学に入学。

バルトークのミクロコスモス、バッハの平均率、オペラに喚起され同大学院卒業。

プロデュース、作曲、編曲、作詞、ピアニストとして活動。CM、映画、演劇、ドキュメント、アートとのコラボレーション、アーティストへの楽曲提供・アレンジを手がける。

主な作品として「月の歴史」、「神々の骨」、ソロヴィオラのための3つの作品「words」、ピアノ作品集「nature circle」、歌集「glace」など。

2011年、BrilliantNoiseライブ@神戸ビエンナーレから「存在」の意味を問いかけ、考え、感じることを提案するインスタレーションライブを開始する。

2012年、アカペラグループ・アウラ「四季」(Epicレコード)全曲のアレンジを担当。8月には、詩的でメロディアスなshezooの曲をバイオリン、クラリネット、ピアノ、パーカッションが魅了するユニットTrinite(トリニテ)でアルバム「prayer」をリリース。

2013年、寺山修司、瀧口修三をはじめとして日本の詩人への歌曲の制作を開始。6月には「シニフィアン・シニフィエ」を展開する。

現在、ピアノソロライブ「夜の音楽」を行っている。

出典:自己紹介文|shezooオフィシャルブログ

♪for us, for japan

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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