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出掛ける前からジャズ気分:「さかもと未明/ラ・マジ・ドゥ・ラムール」発売記念ライヴ

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

2月9日14:00~

会場:フォーシーズンズホテル椿山荘東京/ル・マーキー

出演者:さかもと未明(ヴォーカル)、クリヤ・マコト(ピアノ)、納浩一(ベース)、大坂昌彦(ドラム)

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昨年、念願のジャズ・アルバム『ラ・マジ・ドゥ・ラムール』をリリースして、本格的にジャズ・シンガーとしての第一歩を踏み出したさかもと未明さん。ボクはリリースのタイミングで、ジャズ専門誌「jazzLife」に掲載するためのインタビューを行ないました。

そのときのリード文は、このように書いています。

漫画家、タレントなど、多岐にわたる分野で活躍するさかもと未明が、本格的にジャズ・シンガーになると宣言、アルバムをリリースした。鋭い発言でお茶の間の人気を獲得した一方で、病魔と闘う運命を背負った彼女のなかで、歌はどんな意味をもっていたのか。その想いを語ってもらってまとめた。

彼女は、すでに漫画家やタレントといった“立ち位置”を得ていたので、「ジャズを歌います」と言っても、言葉どおりにはとってもらえなかったことが想像されます。もっと言えば、”知られた存在”であるだけに、”ゼロからの”ではなく、”マイナスからの出発”だったのではないでしょうか。

それでもさかもと未明さんは、そのハンディを跳ね飛ばして、ジャズの土俵に上がってきました。彼女の挑戦は、これからです。「40代後半でジャズ・シンガーとしてデビューする」ということも前例(それも成功例)があるだけに、プレッシャーも大きいでしょう。しかし、それを歌に託すことができるのが、ジャズならではの利点。ハンディは大きいけれど、彼女が重ねてきた年輪はジャズ・ヴォーカルにとって得がたい”武器”にもなりえます。

♪CD「人生(いのち)」さかもと未明さんプロモーション映像

2009年に膠原病の発症を公表し、ジャズ歌手chelsea(チェルシー)として活動をスタートさせた彼女が、医療現場で歌い継がれてきた「人生(いのち)」(たかがい恵美子作詞・作曲)と出会って制作したCDのPV。この曲自体はジャズの要素が薄いものですが、彼女の歌のスタイルや歌詞の表現力を知るための”サンプル”として観ていただければと思います。

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当日のバックを務めるのは、アルバムにも参加しているクリヤ・マコト・トリオの面々。日本のトップ・ジャズ・ミュージシャンを配して、彼女の”ホーム・グラウンド”とも言える椿山荘のバーというシチュエーションを用意して繰り広げられる”さかもと未明ならではのジャズ・ヴォーカル絵巻”は、果たしてどんな色彩で描かれるのか――。

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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