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出掛ける前からジャズ気分:挾間美帆@六本木STB139スイートベイジル

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

2013年1月31日

STB139スイートベイジル

出演者:<挾間美帆m_unit>挾間美帆(cond, pf)、竹野昌邦(as, fl)、庵原良司(ts, ss, cla)、竹村直哉(bs, b-cla)、田中充(tp)、井川千恵(hrn)、真部裕(vln)、沖増菜摘(vln)、吉田篤貴(vla)、島津由美(vc)、香取良彦(vib)、佐藤浩一 (pf)、サム・アニング(b)、ジェイク・ゴールドバス(ds)

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挾間美帆は、国立音楽大学在学中からその“ジャズ才”を発揮していました。端緒となったのは、2008年に東京・初台の東京オペラシティで行なわれたニューイヤー・ジャズコンサート。日本ジャズ界の大御所にして現役最強のインプロヴァイザーである山下洋輔がそこで初お披露目する「ピアノ協奏曲第3番<エクスプローラー>」のオーケストレーションを彼女が担当。その出来栄えに対して、ジャズ界のみならずクラシックを含む音楽界からも称賛の声が寄せられました。

2010年にはニューヨークに留学。その目的が、対応分野を増やす=オールマイティになるというのではなく、ジャズ作曲家としてのスキルをアップする=得意分野を強化するというものであったこともまた、ジャズ・ファンには嬉しいニュースでした。

2012年、留学を終えてマンハッタン音楽院大学院を優等で卒業。11月には“第2の卒業論文”とも言うべき自己名義のアルバム『ジャーニー・トゥ・ジャーニー』をリリースして、本格的にプロの音楽家としての一歩を踏み出し、1月11日には山下洋輔プロデュースのニューイヤー・ジャズコンサートにおいて“挾間美帆のジャズ作曲家宣言!“として全面的にフィーチャーされ、その門出を祝ってもらったという、ジャズ界大注目の人物です。

その彼女がいよいよアルバム・リリースを記念するライヴ・ステージに自身のグループ“m_unit“を率いて登場する――。

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●Journey to Journey

デビュー・アルバム『ジャーニー・トゥ・ジャーニー』のタイトル曲を使ったPVです。まずは挾間美帆の“現在“が詰まったサウンドに触れてください。フロントがしっかりインプロヴィゼーションしていながら、バックのオーケストレーションが並走しているという、ありそうでなかったジャズの世界を垣間見ることができるはずです。

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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