ビジネス・センスを持ったアーティスト、音楽も作れるスタッフがこれからは必要!

 これから劇的に変化する音楽業界において、時代の波をいち早く的確にとらえて、自由自在に乗りこなす〈時代のサーファー〉的な存在が求められている、と私は考えています。

 具体的に言うと、ビジネス・センスを持ったアーティスト、音楽も作れるスタッフというのがこれからの時代に求められている「アーティスト像」及び「スタッフ像」ではないでしょうか?

今、求められるアーティスト&スタッフ像とは?

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 アーティストは、楽器が弾けることはむろんのこと、歌が上手く歌えて、なおかつ作詞・作曲・編曲能力にたけているだけではなく、プロデューサー感覚をも兼ね備えたビジネスマンでもなければ、これからの時代は生き抜くことはできないでしょう。つまり、ビジネス感覚をもったプロデューサー兼アーティストという〈マルチ・プロデュース・アーティスト〉でないと通用しないということです。曲を書いて制作するだけではなく、ビジュアル・デザインからMV制作にいたるまで、オールラウンドにこなせないかぎり〈アーティスト〉として存在し続けることは難しい時代に突入したということです。

 一方、そんな流れの中にあって、プロデューサーの立ち位置も自ずと変わってきます。何でもできてしまう〈マルチ・プロデュース・アーティスト〉をプロデュースするには、これに対抗できるだけのキャリアを持っていなければなりません。これまでのプロデューサーは、音楽を作れないぶんを、音楽的知識などで補っていましたが、これからの時代においては、プロデューサーといえども、楽譜ぐらい読めて編曲もそれなりにでき、なおかつビジュアル・センスもあってMVぐらい演出できないと、アーティストと対等に仕事をすることはできないでしょう。そんなことを考えると、スタッフといえども、楽譜ぐらい読めて音楽が作れないと、アーティストを御すことはできないということです。もっと言えば、クラシックの素養を持ち、ジャズのフィーリングを兼ね備えたうえで抜群のポップス・センスを持ち合わせているというオール・フィールドなスーパーマン的な人がスタッフにも必要ということです。

 いずれにしても、これからの音楽業界に必要とされている人材はこれまでとは違うということだけは確かです。かつて吉田拓郎は「イメージの詩」で「古い船をいま」と歌いましたが、まさに今、新しい船を動かせるのは、ビジネス・センスを持ったアーティスト、音楽も作れるスタッフ、なのではないでしょうか。