「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」レーモンド松屋の「安芸灘の風」は“青春歌謡ロック”!

 いい歌でありさえすれば必ずヒットする。これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

 「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」

一瞬にして“あの頃”に戻ることのできる歌!

 有線放送を聴いていて、ふとはまってしまった歌があります。2008年11月にインディーズ盤としてリリースされたレーモンド松屋の「安芸灘の風」です。

愛媛県西条市出身のシンガーソングライター、レーモンド松屋。五木ひろしに提供した「夜明けのブルース」で日本レコード大賞の作曲賞を、同じく五木に書いた「博多ア・ラ・モード」で日本作詩大賞を受賞している
愛媛県西条市出身のシンガーソングライター、レーモンド松屋。五木ひろしに提供した「夜明けのブルース」で日本レコード大賞の作曲賞を、同じく五木に書いた「博多ア・ラ・モード」で日本作詩大賞を受賞している

 同曲は、2010年になって有線で流されると問い合わせが殺到し、2月から4月まで3カ月連続で「お問い合わせチャート」の1位を獲得。これがきっかけとなって、7月7日にユニバーサルミュージックからメジャーデビューが決定しました。59歳でデビューのレーモンド松屋(男性)は、“第2の秋元順子”か、と注目されました。

 なんとも不思議な曲調です。懐メロふうの匂いもあるし、歌謡曲、演歌チックでもあるし、フォーク的な文学センスもあるうえに、GSやロック・スピリットなどあらゆる要素が入っていて、言うならば、おいしいところ取りの、てんこ盛り“青春歌謡ロック”です。

 「安芸灘の風」は愛媛県側から広島県側へ行ってしまった恋人を、橋づたいに逆に帰ってくるのを期待して待っている人物を主人公にしたラブソング。別れた当初は船でないと行けなかったものの、橋がやっとかかったので、きっと橋づたいに帰ってくるはず。なので、「とまちとせ」という場所で待っている、という設定です。特に「きっと来る…」というサビのフレーズは秀逸で、ここを口ずさむとなぜか青春時代に戻ってしまいます。「安芸灘の風」は一瞬にして“あの頃”に戻ることのできる“青春歌謡ロック”です。

 レーモンド松屋の「安芸灘の風」、こんないい歌、知らなきゃ損!