「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」藤田恵美の「飲んじゃって…」は酒場の似合う“大人の歌”!

 いい歌でありさえすれば必ずヒットする。これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

 「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」

〈お問い合わせチャート〉〈有線放送〉で2ヶ月連続で1位を獲得!

 有線放送(キャンシステム)に〈お問い合わせチャート〉があります。このチャートの〈演歌〉部門で、2014年12月度&2015年1月度と2カ月連続で1位を獲得したのが、藤田恵美のシングル「飲んじゃって…」です。初めて聴いた時に気になる曲があります。「誰の歌だろうか?」と。そんなリスナーの問い合わせを集計したのが〈お問い合わせチャート〉です。つまり今、最も気になる曲というわけです。

これからの宴会シーズンにもぴったりな「飲んじゃって…」。曲を手がけたのは「お久しぶりね」や「吾亦紅」などで知られる杉本眞人。
これからの宴会シーズンにもぴったりな「飲んじゃって…」。曲を手がけたのは「お久しぶりね」や「吾亦紅」などで知られる杉本眞人。

 藤田恵美の「飲んじゃって…」はなぜ有線放送で根強い人気があるのでしょうか?それは〈演歌・歌謡曲〉でもない。そうかといって〈Jポップ〉でもない、大人受けのする大人のラブソング“熟恋歌”だからだと私は思います。演歌のようにコブシが利いていてベタでもないし、かといってJポップのようにさらりでもない。いわば、その中間という感じですが、そのあたりに〈演歌・歌謡曲〉ファンも〈Jポップ〉ファンもともに新しい魅力を感じているようです。いうならば、演歌のコブシを封印したことで新しい魅力を引き出した坂本冬美の「また君に恋してる」のように……。

 藤田は演歌・歌謡曲も歌えるのかと思っている人も多いと思いますが、実は彼女は中学1年の時に演歌歌手としてデビューした経験を持っています。ル・クプル(1997年に「ひだまりの詩」が大ヒットした男女ユニット)で再デビューしてからはコブシを封印していましたが、39年ぶりにその封印を解いたのです。

 「ル・クプル以降は、自分の存在をあまり感じさせないように、歌の中にリスナーの方がふっと入ってくれるような歌い方をしていましたが、今回はコブシを入れて逆にしてみました」(藤田恵美)

 その結果、歌に濃淡と陰影が出て酒場の似合う大人の歌が生まれたのです。実はお酒はあまり飲めないという藤田。そんな彼女が酒場の女性を演じるからこそ醸し出される色香が新鮮なのでしょう。

 藤田恵美の「飲んじゃって…」。こんないい歌、知らなきゃ損!