「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」吉田山田の「日々」は究極の「ありがとう」の歌!

 いい歌でありさえすれば必ずヒットする。これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか? と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

 「こんないい歌、売れない方がおかしいよ!」

「日々」は理想の〈人生ストーリー〉!

口コミで広がった名曲「日々」。YouTubeでの再生数は1200万回を突破している。
口コミで広がった名曲「日々」。YouTubeでの再生数は1200万回を突破している。

 吉田山田(吉田結威、山田義孝からなるデュオグループ)の9枚目のシングル「日々」は2013年12月18日にリリースされましたが、現在もなおロングセラーを続けています。きっかけは「みんなのうた」(NHK総合)で2013年12月に放送が開始されると「感動した」「泣ける」などの反響が殺到し、その後、リクエストが急増。2月、4月、そして9月と3回にわたって再放送されたほどです。それに伴って有線放送でもリクエストが多数寄せられるようになりました。また「日々」を収録したアルバム「吉田山田」が2014年の〈レコード大賞・優秀アルバム賞〉を受賞したことでガ然注目度が高まり、テレビ出演も増えました。

 なぜ「日々」はたくさんの人々のハートを瞬時にして奪い取ってしまうのか?

 東日本大震災以降、自然と故郷志向となり“家族愛の歌”が必要とされています。おじいちゃんとおばあちゃんが出会い、恋をして、結婚をして、子供を授かり、その子供が成長して独立し、そしてまた2人に戻って、人生を完結しようとしています。そんなことを歌った吉田山田の「日々」は、まさしく私たちにとって理想の〈人生ストーリー〉ではないでしょうか。

 男と女が出会って2人で人生を完結させることができたのは、お互いに「ありがとう」という感謝の気持ちを常に忘れなかったからです。「究極の『ありがとう』の歌」、それが「日々」なのです。そんな“教え”が私たちの人生を豊かにしてくれる糧となるのです。これぞまさに時代が必要とする“家族愛の歌”といっていいでしょう。

 歌のストーリーの中に、おじいちゃんが体を壊して倒れた時に、おばあちゃんに何か言おうとしているところがあります。おじいちゃんは大切な気持ちを伝えようとしています。だが歌詞はあえて、「いつも毎日本当に……」とぼかしてあります。ここにどんな言葉が入るのかは、「聴き手の想像にまかせたい」と吉田山田は言う。愛とは言葉では言い表し尽くせないということでしょう。だからこそ“歌”なのです。

 吉田山田の「日々」。こんないい歌、売れない方がおかしいよ。