「レット・イット・ゴー~ありのままで~」は時代が必要としている歌、時代が生んだ名曲である!

時代を代表する歌が久しぶりに生まれそうだ。ディズニーのアニメ映画〈アナと雪の女王〉の劇中歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」である。

この歌にはいろいろなバージョンがある。英語版劇中歌&エンドソングのイディナ・メンゼル、デミ・ロヴァート、いわばこれはオリジナル・バージョン。この他に日本語劇中歌&エンドソングの松たか子、May J.、こちらは日本語バージョン。この中でも特に松たか子バージョンが受けているようだ。

「レット・イット・ゴー」は究極の“タイアップ作品”である!

ではなぜ「レット・イット・ゴー」の日本語バージョンが今、受けているのだろうか? それは究極の“タイアップ作品”だからである。つまり、映画のストーリーと歌の内容が見事にリンクしていているのでコラボレーション効果が抜群だということだ。

主人公である姉のエルサは心を閉ざして殻に閉じこもっているが、次第に心を開き、自分自身で自信を取り戻して、自分の意志でありのままの自分を出していこうと決意する。そして、最後は自信に満ちて、ありのままでいいのだ、と積極的に前に進んでいこうとする。そんな映画のストーリーに、歌の歌詞が見事なまでにリンクしているので、コラボレーション効果が大きいのである。すなわち、あの映像のシーンが流れると、あの歌が思い浮かび、逆にあの歌が流れてくると自然にあのシーンが浮かんでくる。つまるところ、映像と歌がお互いに響き合っているので相乗効果が抜群なのである。

また、曲の構成が素晴らしい。始めは心が閉ざされた状態なので暗めに入り、ワンコーラスが終わったところで、心を開くと同時に曲調は明るくなり、そしてスリーコラース目は自信を持って前に進むということで、力強くポップになる。つまり、曲の構成としても映画のストーリーに合っているのだ。その結果、この歌は私たちにとって“人生応援歌”となっているのである。

「レット・イット・ゴー」は私たちにとって“エールソング”であり。主人公のエルサとアナの姉妹コンビはまさに人生の“伴走者”なのだ!

2011年3月11日の東日本大震災以降、私たち日本人の心は閉ざされたままだった。しかし、3年が経って、気分はようやく上向いてきた。いつまでもしょんぼりして心を閉ざしていてもしかたがないと思い、それぞれが前を向いて歩き始めたからだ。そして今、決意したのだ。自信を持って、ありのままの自分をさらけ出して向かおうと……。そんな私たちの心情を代弁してくれているのが、この「レット・イット・ゴー~ありのままで~」なのだ。言ってみれば、この歌は私たちにとって、ポンと背中を押してくれる“応援歌”、つまり“エールソング”なのである。かつて1990年代前半、バブルがはじけて弱気になっていた私たちに、ZARDが「負けないで」とエールを送ってくれて、人生の伴走者となってくれたように、「レット・イット・ゴー~ありのままで~」は、現在の私たちにとってのエールソングであり、映画の主人公エルサとアナの姉妹コンビは私たちにとってまさに人生の“伴走者”なのだ。

私たち日本人にとって、アニメ映画〈アナと雪の女王〉こそが、自分たちにとってのアイデンティティかもしれない。そこがたくさんの人たちが共感を覚える要因ではないか、と私は思う。その意味で、「レット・イット・ゴー~ありのままで~」は時代が必要としている歌、時代が生んだ名曲である。