サンリオと劇団ノーミーツがひらく、オンライン演劇の新しいカタチ

(出典:VIVA LA VALENTINE 公式ウェブサイト)

緊急事態宣言もあり、嫌なニュースが増えてしまっている昨今ですが、興味深いニュースが一つ飛び込んできました。

なんとサンリオピューロランドと劇団ノーミーツがタッグを組んで、2月6日から2月14日にかけて、バレンタインをテーマにしたオンライン演劇「VIVA LA VALENTINE」を配信するというのです。

サンリオピューロランドは、多くの方もご存じのようにハローキティをはじめとした、たくさんの サンリオキャラクターに触れ合えるテーマパーク。

そして、劇団ノーミーツは、オンライン演劇を主軸に活動するオンライン劇団。

テーマパークというリアルのエンターテインメントの代表的存在と、オンライン側のエンターテインメントの代表的存在と、一見、両者のつながりは薄いように思えてしまうかもしれませんが、その両者がタッグを組むことによって新しいオンライン演劇に挑戦するというのが実に興味深いポイントです。

■リモートエンタメの先端を走る最強のタッグ

なにしろ、サンリオピューロランドも、劇団ノーミーツも、コロナ禍の直撃を受けながらも新しい取り組みに次々に挑戦してきたプレイヤー。

例えばサンリオピューロランドは、昨年の緊急事態宣言の前に休館を余儀なくされましたが、3月にYouTubeに「休んでたって、ここにいるよ」という動画をアップ。

この動画は、ファンを中心に大きな話題となりましたし、これ以外にも積極的なYouTube活用も進めてきました。

参考:休館中サンリオピューロランドが話題沸騰の訳

さらに5月には、SHOWROOMと連携して臨時休館中のピューロランドからショーの配信も実施するなど、様々なリモートエンタメへのチャレンジを行っています。

一方の劇団ノーミーツも、緊急事態宣言によって興行ができなくなってしまった演劇の火を消さないように、という思いから昨年4月にはじまったオンライン劇団。

長編公演として『門外不出モラトリアム』を昨年5月に上演。

Zoomを活用して、演者も関係者も1度も会わずに作り上げた演劇を、緊急事態宣言中に公開したことも注目され、昨年結成されたばかりの劇団にもかかわらず、この作品を含めた3作品で14,000人以上を動員。

リモートエンタメの代表的存在として話題になりました。

参考:劇団ノーミーツの「むこうのくに」に学ぶ、リモートエンタメがNetflixに勝つ方法

ある意味、日本のリモートエンタメの代表的な2者による最強のタッグと言えるでしょう。

■「場所」を使うオンライン演劇の可能性

今回のオンライン演劇について詳細は明らかにされていませんが、ワンカット長回しの生配信に挑戦するようです。

これまでも劇団ノーミーツは、1作品目でZoomを活用した演劇、2作品目で映像編集ソフトを組み合わせた演劇、3作品目では観客が選択できる演劇、と、次々にオンライン演劇ならではの新しい形に挑戦。

オンライン演劇に特化した劇場ZAまで開発してしまいました。

しかも、一方でオンライン演劇にもかかわらず、あえて紙のチケット「カミチケ」を作るなど、デジタルとリアルの組み合わせも模索し続けてきた劇団でもあります。

今回のオンライン演劇においても、紙のチケットはもちろん、プリントサインや、ブロマイド付きのプレミアムチケットなど、デジタルとリアルの組み合わせを模索しているようですし。

第3弾公演「それでも笑えれば」の紙のチケット
第3弾公演「それでも笑えれば」の紙のチケット

従来の劇団ノーミーツが、基本的には演者が自らのパソコンの前で演技をするというビデオ会議の形式で演技をしていたのに対して、今回はサンリオピューロランドというリアルの舞台が活用できますから、また新しいリアルとデジタルを組み合わせたオンライン演劇の可能性を見せてくれることは間違いないでしょう。

現在、コロナの感染拡大と再び出された緊急事態宣言により、再びテーマパークや演劇はもちろんスポーツやライブなど様々なエンターテインメントに大きな影響が出はじめています。

今回、両者のタッグによるオンライン演劇が、再度の緊急事態宣言下で発表されたのは偶然だとは思いますが、おそらく新しい生活様式においてエンタメ産業が模索すべきヒントが、きっとここにあるはずです。