iPadがついにパソコンを超える

写真は旧iPad Pro(著者撮影)

 新しいiPad Proが発表された。2つのカメラを搭載するのが、一番変わったポイントだが、僕が注目するのは、同時に登場した新しいキーボード「Magic Keyboard」だ。このキーボードとOSの進化によって、iPadはパソコンを超える使い勝手になる可能性が高い。

パソコンを超える使い勝手

「パソコンを超える」と言っても、すべてのパソコンを超えるわけではない。モバイルノートを超えて、iPadが使いやすくなるに違いないという予想を紹介しよう。まだ製品を触れていないので、使ってみた段階でさらに詳しい記事を書かせていただくつもりだ。

 新しいキーボード「Magic Keyboard」には、トラックパッドが搭載されている。3月25日にアップデートされるiPad OS 13.4でトラックパッドがサポートされるのだ。iPad OS 13でもマウスポインターは使えたのだが、あくまでもアクセシビリティ機能の一つだった。

 新OSで、いよいよ、マウスやトラックパッドを使った操作に完全対応するのだ。

 これによって、最も恩恵を受けるのは、一般的な用途やビジネスパースンだ。テキストの編集が快適になるので、書類を作る作業が一気に快適になるはずだ。Excelや Numbersといった表計算ソフトはこれまでも利用できた。ところが、範囲指定がしづらいために、使い勝手がイマイチだった。これらがパソコンに引けを取らない使い勝手に進化する。

2in1パソコンよりいい理由

 Windowsパソコンには、タッチ操作に対応し、タブレット式に利用できる2in1モデルが発売されている。だが、いまだにExcelをタッチ操作で使う工夫はされていない。あらゆる作業がマウスとキーボードを使う従来の操作性から進化していない。使い勝手がイマイチだから、タッチ対応のアプリに人気がない。アプリが売れないから種類も増えず、結果として2in1パソコンを買うメリットが少ない。タッチ非対応のクラムシェルの方が人気が高いのだ。

 ところが、iPadは、そもそもタッチ操作で使うデバイスとして進化してきた。そこに、トラックパッドやマウスの操作性を盛り込んだのだ。

「ExcelやWordが使いづらい」というiPadの欠点は一気に解決され、仕事の道具としても非常に使いやすくなるはずだ。

 いつまでもタッチ操作に向かないパソコンを尻目に、iPadは、タッチもマウス系操作も快適なデバイスへと先に進化するというわけだ。

 Windowsにとっての救いは、最上位のiPad Proしか新しいキーボードに対応していないことだ。値下がりしたとはいえ、キーボード込みだと11万円以上になる。安価なiPadやiPad AirはMagic Keyboardが使えない(OSは対応するので、マウスなどは使える)。次のリリースで、これらがMagic Keyboardに対応すると、モバイルデバイスの地図を塗り替える可能性がある。

 Windowsのモバイルだけでなく、MacBookまでiPadに食われるかもしれない。12~13インチより小さなデバイスでは、iPadが最も使いやすく、かつ最廉価になるからだ。